サックス記事 サックス・アンサンブルで仲間とスキルを磨こう!《サキソフォビアに学ぶ》
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THE SAX vol.91 秋の特別企画

サックス・アンサンブルで仲間とスキルを磨こう!《サキソフォビアに学ぶ》

ARTIST

結成20周年を迎えたジャズサックス・カルテット、“サキソフォビア”のメンバーが語る、アンサンブルで大事なこと

さあ、芸術の秋! 暑さも和らぎ、じっくり練習に励んでいる方も多いことでしょう。 今回、サックス・アンサンブルにスポットを当てて、一人で練習するだけでは得られない、様々なお話を、結成20周年を迎えたサックス・カルテット、サキソフォビアと、結成3年目を迎えたソアルテ・サクソフォーン・アンサンブルのみなさんに聞きました。音楽仲間がいる方はもちろん、一人で練習している方にも新しい発見があることでしょう。さらにTHE SAX vol.91には、それぞれのグループの最新作より、スコアを掲載しました。ぜひチャレンジしてみてください。


 

SAXOPHOBIA サキソフォビア

バンドが長年続く秘訣

――
結成20周年を迎えられて、いまの心境は?
井上
まあ……よく続いたなって感じです(笑)。曲を仕上げるためには、みんなが同じ方向を向いていないとできないので。
――
これまでに意見の食い違いとかはありましたか?
井上
僕らの譜面には、細かいニュアンスとか、一切書いていないんですね。そうなると、果たして個人がどこまで責任を負うのか、どこまで自由が許されるのかという点で、せめぎあいになるんですよ。せーの!でやってみたときに、「は!? 何やってんの? 」 みたいなことがしょっちゅう起こるわけです。さすがにみんないい歳なので、けんかにはならないですけど(笑)。
――
そこは、どう折り合いをつけるんですか?
井上
まず優先されるのは、作曲者や編曲者の意図ですよね。その後、言われたことは一応やってみる。でもここがまた曲者で、微妙に自己主張を残しながら言われたようにやってみようとするものだから、「だからそうじゃないだろ?」ってなるんですね。まあどうしても折り合いがつかないときは4人で話し合いますし、バンマスとして僕が「一応こういうふうにやってみよう」という感じで収めることもある。それでもうまくいかない曲は、ボツです(笑)。
――
20年間、同じメンバーで続けられた秘訣は何でしょう?
井上
やはり、人間性ですね。素敵な人たちですから。
お互いに対するリスペクト、これにつきます。
竹内
4人とも自分勝手ですけど(笑)、みんな優しいので。
緑川
当初から個性を認め尊重できた結果だと思います。

 

20周年を記念したアルバムをリリース

――
20周年記念アルバム「Nocturne」が9月にリリースされます。このアルバムのコンセプトを教えてください。
井上
録したかった。20年目の自然な「今」です。それを表出させることで唯一無二なものになる自負はあります。それで僕がメンバーに、何でもいいからやりたい曲を書いて持ってきてって言ったんです。最初、僕も何曲か用意していたんですけど、竹内、岡両氏がたくさん曲を持ってきてくれた。そこで僕は、今までとりあげてなかったジャズの曲をアレンジしようと思い立って、モンクの2曲とエリントン1曲、ジョビンの1曲をアレンジしました。だから、僕のオリジナルはアルバムの1曲目『Nocturnizm』だけです。
――
収録はどちらで?
井上
今回、池袋のスタジオDeDe で収録しました。他の仕事でも利用しているスタジオなのですが、エンジニアも機材も素晴らしい。最近ジャズ・ミュージシャンの多くの人が使っているスタジオなんじゃないかな。

(次ページへ続く)

サキソフォビア
(メンバー左より)井上ヒロシ、岡 淳、緑川英徳、竹内直

プロフィール
SAXOPHOBIA
(サキソフォビア)
様々なシーンで活躍する個性派サックス奏者、井上ヒロシ(Bs,Fl)、岡 淳(Ts,篠笛,Fl)、竹内 直(Ts,B.Cl)、緑川英徳(As, Ss)が集まり、98年9月に結成。アレンジは単に楽器の組み合わせだけでなく、ひとりひとりの個性を念頭においてなされている代役不可能のアンサンブル。サックスだけでなく、フルート、バスクラ、篠笛など を駆使した多彩なサウンドで注目を集める。 取りあげる楽曲はジャズの隠れた名曲、ポップス、民謡、オリジナル曲まで広範囲に渡り、 その自由かつ大胆なアイディアで独特のホーンアンサンブルとインプロビゼーションを展開する。
オフィシャルサイトhttp://saxophobia.papi4.com/

 


Live Information

サキソフォビア 20周年&新作CD発売記念ライブ
10/2(火) 所沢MOJO
10/16(火) 目黒Blues Alley Japan
10/22(月) 吉祥寺 SOMETIME
11/29(木) 博多 New Combo
11/30(金) 佐賀 くーぷらん
12/1(土) 諫早 TBA
12/2(日) 嬉野 すいしゃ
12/3(月) 熊本 酔ing
12/4(火) 鹿児島 明日の地図
12/5(水) 宮崎 Life Time
12/6(木) 大分 Brick Block
12/7(金) 小倉 Max Audio
12/18(火)〜12/23(日)(三沢、一関、仙台、 山形、福島)TBD

 

”New Year's Eve 〜 Countdown Live!!”
12/31(月)吉祥寺 SOMETIME

 

20周年記念パーティ&ライブ
2019年2月10日(日)六本木サテンドール
 

CD Information
2018年9月発売

「Nocturne」 サキソフォビア
【SONG X 058】¥2,500(税抜) SONG X JAZZ

[曲目]Opening、Sky、Make Up、Sakura、Apartment、Seasons、Midnight Laundry、Woody、Smoke、Seaside Memories、Butterfly、Cosmic Love、Caribbean Rhythm、Ending
[演奏][演奏]サキソフォビア:井上ヒロシ(Bs,Fl)、岡 淳(Ts,篠笛,Fl)、竹内 直(Ts,B.Cl)、緑川英徳(As, Ss)

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【お詫びと訂正】本誌の表記に誤りがございました。こちらに修正しお詫び申し上げます。
(誤)スタジオdete ⇒(正)スタジオDeDe
(誤)SONG X JAPAN  ⇒(正)SONG X JAZZ

THE SAX 11月号(vol.91)に掲載!
誰よりも早く新曲をマスターしよう!

『Light Blue』for As, 2Ts, Bs
サキソフォビアのニューアルバム「Nocturn」に収録されているセロニアス・モンクのナンバー『ライト・ブルー』のカルテット譜面(編曲:井上ヒロシ)を、THE SAX vol.91誌面に掲載! 
 

 


次ページにインタビュー続く
・個性を活かしたアレンジ
・リズム・セクションなしでテンポをキープする秘訣
・サキソフォビア各パートの役割
・これまでやってきたピッチ改善法
・リズムに強くなるためのトレーニング法
・音色とフレージングづくり

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