渡辺貞夫 音楽活動60周年記念のニューアルバム 「カム・トゥデイ」を語る
日本のジャズシーンが生んだ最大のスターと言えば、サックスプレイヤー渡辺貞夫氏であることに、 異論を挟むものはいないだろう。そして日本のみならず海外でもその名を知られる“世界のナベサダ”が、 音楽活動60周年、そしてリーダーアルバム発表から50周年という節目を迎えた。
日本のジャズシーンが生んだ最大のスターと言えば、サックスプレイヤー渡辺貞夫氏であることに、 異論を挟むものはいないだろう。そして日本のみならず海外でもその名を知られる“世界のナベサダ”が今年、 音楽活動60周年、そしてリーダーアルバム発表から50周年という節目を迎えた。そこで本号では渡辺氏へ異例のロングインタビューを敢行。 記念作ともなるニューアルバムのことはもちろん、自身の歩みや楽器の変遷についても語ってもらった。 さらに、完全ディスコグラフィやゆかりの深いアーティストからのコメントなど、 盛りだくさんの特集でジャズ巨人の功績を讃えよう。(写真:土居政則)(※こちらの記事では、[1st INTERVIEW]のみ掲載)
若手実力派の3人を前作に続き抜擢したレコーディング
CD Information
【VICJ-61655】 発売元:ビクターエンタテインメント
[演奏] 渡辺貞夫(Sax) ジェラルド・クレイトン(Pf) ベン・ウィリアムス(Bass) ジョナサン・ブレイク(Ds)
[収録曲] 渡辺貞夫:カム・トゥデイ、ウォーム・デイズ・アヘッド、エアリー、ホワット・アイ・シュッド、アイ・ミス・ユー・ホェン・アイ・シンク・オブ・ユー、ジェメイション、ヴァモス・ジュントス、シンパティコ、シーズ・ゴーン、ララバイ
次ページにインタビュー続く
・ジャズ界のトップランナーとして東日本大震災に想うこと
・アルバム全体から物語性が感じられる新作「カム・トゥデイ」
渡辺貞夫
Sadao Watanabe
1933年2月1日栃木県宇都宮市生まれ。チャーリー・パーカーに憧れ、1951年に上京してプロとしての活動を始め、1953年に秋吉敏子(Pf)のグループに参加して注目を集める。1961年に初リーダー作「渡辺貞夫』をリリース後、バークリー音楽院に留学。その後チコ・ハミルトン(Ds)やゲイリー・マクファーランド(Vib)などのグループに参加し、ブラジル音楽などにも触れて自身の音楽性を確立していった。1965年に帰国。1966年に「ジャズ&ボッサ」をリリースして日本にボサノヴァ・ブームを巻き起こした。1970年代から海外にも進出し、1970年代後半からはフュージョン的なサウンドにもアプローチ。1978年の「カリフォルニア・シャワー」は大ヒットを記録した。1983年に全米でもリリースされた「フィル・アップ・ザ・ナイト」は“ラジオ&レコード”誌のジャズ・チャートで1位を記録。その後も日本最高のアルトサックス奏者として精力的な活動を続けている。