サックス記事 熱帯JAZZ楽団 ラテンジャズ・ビッグバンドの最高峰が久々の新作をドロップ!
  サックス記事 熱帯JAZZ楽団 ラテンジャズ・ビッグバンドの最高峰が久々の新作をドロップ!
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THE SAX vol.66 Cover Story

熱帯JAZZ楽団 ラテンジャズ・ビッグバンドの最高峰が久々の新作をドロップ!

ARTIST

17人編成のラテンジャズ・ビッグバンドである熱帯JAZZ楽団が、新作「XVI〜Easy Lover〜」をリリースした。同作は、通算16作目。そこには、歓びと躍動いっぱいの、打楽器と管楽器が拮抗する大所帯表現がつまっている。“継続は力なり”、すでに20年近くの歩みを重ねる熱帯ジャズ楽団の極意とはいかなるものか? リーダーのカルロス菅野(Perc)、そして近藤和彦(As,Ss)と宮本大路(Bs)のお三方に話を聞いた。
文:佐藤英輔 協力:株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント


来年で結成から20周年を迎える人気と団結の秘訣

来年で、結成20周年になりますね。
カルロス・菅野
結成が1995年なのでそうですね。足掛け20年に入るところ、来年で満20年です。
そんな長い活動のなかで、なにか記憶に残っていることはあります?
宮本大路
それはやっぱりカーネギー(NYにある、カーネギー・ホールでの公演)でしょ。それと、野外ステージ……。印象深かったなあ。
カーネギー・ホールと野外公演は、別の時ですか。
菅野
1998年とか1999年だったかな。カーネギーでやる前の年にやはりNYに行って、ブライアント・パークというNYの真ん中にある公園でやったんです。最初の年はフリーコンサートでした。
カルロスさんは、オルケスタ・デ・ラ・ルスのときに、いろいろと海外公演をなさっていますが。
菅野
カーネギーは初めてで、デ・ラ・ルスのときはマディソン・スクエア・ガーデンです。大きさならマディソン・スクエア・ガーデンですけど、カーネギーのあの由緒正しい、いかにも殿堂です、みたいな雰囲気には感激しました。それ、NYのJVCジャズ・フェスティヴァルで毎年やっているラテン・デイという企画のもので、ラティーノやNYのラテンジャズ・ファンが集まって来ていて、そういう現地の人たちの間に入ってやるのはなんとも言えないですよね。
そのときは、どんな人が出演したんですか?
菅野
ティト・プエンテをはじめ、もう大御所ばかりでしたね。大御所が次々に出るなか、僕たちは一番最初をやらせてもらったんですけど、けっこう受けたんですよ。
近藤和彦
拍手の音が凄かったですね。押し寄せる波のような感じで、あれがカーネギー出演者の醍醐味らしいです。
菅野
オペラ・ハウスのように(客席が、何層にも)上のほうに立ち上がっているじゃないですか。独特の空気でしたね。まあ、あれがターニング・ポイントだって感じはあります。僕たちのモチベーションもそれで上がり、これは行けるのかなと思いました。そこまでは、わりとモノの勢いでやっていましたから(笑)。

そんな彼らからの演奏さながらにコンビネーションも見事なメッセージ動画はコチラからCheck It Out!!


PROFILE

熱帯JAZZ楽団(ねったいじゃずがくだん)
Toropical Jazz Big Band

世界的な日本人ラテン・グループであるオルケスタ・デ・ラ・ルスを率いるパーカッション奏者だったカルロス菅野により、1995年に結成。ラテン界やジャズ界の敏腕プレイヤーたちがずらりと揃った、ラテンジャズ・ビッグバンドだ。そのゴージャスかつ娯楽性にも富んだ躍動表現はまたたく間に好評を呼び、過去に15作ものアルバム、2種のDVD作品を発表。また、バンド・スコアブックももちろん出版されている。そんな彼らのラテンジャズ表現は海外の聞き手からもからも好評で、米国のラテン音楽の名レーベルであるRMMから3作品が現地リリースされるとともに、NY公演も鋭意行なっている。ラテンやジャズ曲だけでなく、広くポップスまでを視野に入れた選曲も好評、肉感性と歓びあふれる表現で、日本のインスト界で唯一無二の位置を獲得している。


CD Information

Easy Lover
「熱帯JAZZ楽団XVI〜Easy Lover〜」
【VICJ-61702】¥2,900(税抜)
JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
[演奏]カルロス菅野(Perc,Vo)、近藤和彦(As,Ss)、藤陸雅裕(As)、野々田万照/アンディ・ウルフ(Ts)、宮本大路(Bs)、美座良彦(Perc)、伊波淑(Perc,Vo)、平川象士(Ds)、高橋ゲタ夫(Bass)、森村献(Pf)、佐々木史郎/鈴木正則/奥村晶/松島啓之(Tp)、中路英明/青木タイセイ/佐野聡(Tb)、西田幹(BTb)
[収録曲]イージー・ラヴァー、ラ・デシシオン、君の瞳に恋してる、ゲット・ミー・トゥー・ザ・チャーチ・オン・タイム、シンクロニシティ・ワン、エル・アニベルサリオ、ホワット・ア・フール・ビリーヴス、マルタ島の砂、デイ・トリッパー、ソモス・ノビオス


次ページにインタビュー続く
・4人のサックス・セクションで独自のアンサンブルを形成
・経験とチームワークでスムーズに進んだレコーディング

登場するアーティスト
画像

近藤和彦
Kazuhiko Kondo

1964年山梨県出身。大学時、山野ビッグバンドコンテストにて最優秀ソリスト賞を受賞。在学中よりプロ活動を始め、宮間利之とニューハード、松岡直也、菊池ひみこ、渡辺貞夫、高橋達也などのグループに参加。熱帯ジャズ楽団では19年間リードアルトを務め2014年退団。現在は自己のグループの他、小曽根 真、エリックミヤシロ、守屋純子など多くのレギュラーバンドやセッションなどで活動。スタジオミュージシャンとしても数多くのレコーディング参加している。フィル・ウッズ、ディック・オーツに師事。昭和音楽大学ジャズコース非常勤講師。2009年リーダーアルバム『SUBSTANCE』をリリース。

登場するアーティスト
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宮本大路
Dairo Miyamoto

ジャズドラムを森山威男、ジョージ大塚の両氏に師事。サックスを阪口新、冨岡和男、村岡健の両氏に師事。バークリー音楽大学出身('76-'78)。マリーン、高橋真梨子、Janis lan、渡辺真知子、鈴木雅之等のサポートの他、熱帯JAZZ 楽団、エリック宮城EM バンド、守屋純子Orc. 等に参加。'04 初のリーダーCD「CROSS COUNTER 〜round 1 〜」(SEVEN STEPS)発表を皮切りに、ソロアルバム「The Master」(SEVEN STEPS)や自己のユニット< PINK BONGO >で「コマンタレヴ?」「オーチンハラショー!」(六粋堂)を発表。08年にはPINK BONGOの3rdアルバム「キャー・ホー・ラハー・ハエ?」(六粋堂)を6 月に、またCROSS COUNTER の3rdアルバム「クリスマス・フラワー・ツリー」(SEVEN STEPS)を11月にリリース。主な著書にDAIRO'S JAZZ WORKSHOP 〜宮本大路・ジャズ・ワークショップ〜「インプロヴィゼイションのためのトレーニング」、「インプロヴィゼイションの理論と実践」(共にサーベル社)。
2016年10月、がんのため死去。

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