カーク・ウェイラム ゴスペルをルーツに歌心溢れるプレイを聴かせるジャズ・フュージョン界のトップスター
ジャズ・フュージョン界のトップスター、カーク・ウェイラム氏が表紙&巻頭に登場!
2016-2017の年末年始にかけて、FOURPLAYの公演で急遽チャック・ローブのピンチ・ヒッターとして来日することになった人気サックス奏者、カーク・ウェイラム。そんな氏に、カウントダウン・ライブの前日、インタビューを行なうことができた。氏と同じゴスペルにルーツを持ち、氏を尊敬してやまないという人気急上昇中の若手サックス奏者、前田サラがインタビュアを務めてくれた。
(取材協力:ブルーノート東京 / インタビュア:前田サラ / 通訳:ジェーソン・アンドレス / 撮影:土居政則)
サックスとともに歩む運命
12歳の頃にはもうサックスを吹いていたのですが、その頃、89歳のサックス吹きの叔父が家に来て、「何か吹けよ」と言われたんです。
頑張って吹いてみせたのですが、叔父が「貸してみろ」と言って僕のサックスを吹くと、その音がとても美しくて。その音に惚れて、もっと吹きたいと思うようになりましたね。
まあそういったいろいろなきっかけはあるのですが、結局はサックス吹きになる運命だったのではないかと思います。私は運命を強く信じているんです。
Profile
Kirk Whalum(カーク・ウェイラム)
1958年、テネシー州メンフィス生まれ。父親が牧師で、幼い頃からゴスペルやR&Bに親しむ。9歳でドラムを、高校に入るとサックスを演奏し始める。ヒューストンの南テキサス大学に入学、在学中テキサス・テナーのアーネット・コブに魅了され薫陶を受ける。1983年にボブ・ジェームスのグループに入り、プロとしての本格的なキャリアをスタート。1985年にジェームスのサポートによりタッパン・ジー・レコーズから「Floppy Disk」でソロ・デビュー。1980年代後半から1990年代前半にはクインシー・ジョーンズ、ルーサー・ヴァンドロス、アル・ジャロウ、ホイットニー・ヒューストンらと共演。2000年代以降はスムース・ジャズ・ブーム旗頭的存在としても活躍。デイヴ・コーズが主宰するランデヴーからスマッシュ・ヒットを放った。2012年にジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマンに捧げたカバー・アルバム「ロマンス・ランゲージ」を、2015年に「The Gospel Accordingto Jazz」第4弾をリリース。〈ユリウス・カイルヴェルト〉専属テスター
使用楽器:〈ユリウス・カイルヴェルト〉 SX90R ブラック・ニッケル、ネック:“カーク・ウェイラム”シグネチャーモデル、MP:バンドーレV16 T8、リガチャー:バンドーレン オプティマム、リード:バンドーレンV16 4番
Interviewer Profile
前田サラ(まえださら)
プロテスタント教会の牧師で音楽家の父、音楽好き母の元6人兄弟の長女として育つ。小学4年生のときに神戸に移りドラムの演奏を始め父の教会で演奏を始める。中学校の吹奏楽部ではクラリネットを担当するが、サックスに憧れサックスを手に入れて翌週の日曜日には教会で演奏を始める。16歳で東京に移り、高校に進学せずアルバイトで家計を助けながらサックスの演奏に専念し、家族とともに教会やストリートでも演奏するようになる。17歳のころから東京のライヴ・ハウスのセッションに積極的に参加し、様々なミュージシャンとの交流を重ねる。 19歳の時、自身のリーダー・バンドを結成しプロとして活動を始める。その頃、教会のイベントで渡米した際に世界的なサックス・プレイヤー、ロン・ブラウンと知り合いサックスのレッスンを受け、帰国後もSkypeを通じてのレッスンを2年間受ける。2015年に、リッキー・ピーターソンをプロデューサーに迎えたアルバム「フロム・マイ・ソウル」でビクターエンタテインメントよりメジャー・デビューを果たす。
次ページにインタビュー続く
・ハプニングがきっかけで生まれたネック
・LIVE Report:FOURPLAY featuring KIRK WHALUM @BLUE NOTE TOKYO
カーク・ウェイラム
Kirk Whalum
1958年、テネシー州メンフィス生まれ。父親が牧師で、幼い頃からゴスペルやR&B に親しむ。9歳でドラムを、高校に入るとサックスを演奏し始める。ヒューストンの南テキサス大学に入学、在学中テキサス・テナーのアーネット・コブに魅了され薫陶を受ける。1983年にボブ・ジェームスのグループに入り、プロとしての本格的なキャリアをスタート。1985年にジェームスのサポートによりタッパン・ジー・レコーズから「Floppy Disk」でソロ・デビュー。1980年代後半から1990年代前半にはクインシー・ジョーンズ、ルーサー・ヴァンドロス、アル・ジャロウ、ホイットニー・ヒューストンらと共演。数多くのアーティストとの交流を深め、ホイットニー・ヒューストンのメガ・ヒット『アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー』でのサックス・ソロは彼が担当している。2000年代以降はスムース・ジャズ・ブーム旗頭的存在としても活躍。デイヴ・コーズが主宰するランデヴーからスマッシュ・ヒットを放った。2012年にジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマンに捧げたカバー・アルバム「ロマンス・ランゲージ」を、2015年に「The Gospel Accordingto Jazz」第4弾をリリース。来日回数も数多い。