バラード・アルバムのシリーズ第6弾をリリースした現代のテナー巨人
2022年、新年あけましておめでとうございます。未だに肌寒い冬の季節が続きますが、日本の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。今号はサックス界だけでなく多くのジャズファンやミュージシャンから絶大な支持を得るサックスプレイヤーのEric Alexander氏に登場していただきます。筆者が90年代にニューヨーク・マンハッタンに来て以来、個人的にも長い間お付き合いをさせていただいているエリックにインタビューをさせてもらいました。取材場所はプロモーターでVTY Jazz Artsの代表のArnie Perez氏が主催するニューヨークの素晴らしいクラブ「The Cutting Room」からお伝えします。なおニューヨーク市はインドアのイベントについてはコロナウイルスのワクチン接種証明書の提示が義務付けられています。写真はCutting RoomのオーナーのSteve Walter氏。
Special Thanks to: Arnie Perez (vtyjazz.com), Steve Walter at the Cutting Room (thecuttingroomnyc.com)
小学校でクラリネット、中学校でアルトサックスを手にする
しかし、インディアナ州は田舎で自分に適した環境でないと考えるようになった。やはりニューヨークに行かないといけないなと思いDavid Baker氏に相談したら、ニュージャージー州にあるWilliam Paterson大学のジャズ科を勧めてくれたんだ。誰が教えているかなどまったく分からなかったんだけど、ニューヨークからそれほど離れていないし、彼の言葉を信じてダメもとでオーディションを受けてみたら、合格したんだ。晴れてニュージャージーに引っ越すことになって、新学期が始まる前の夏休みはもう練習を何10時間もしていたよ。恥ずかしいことにチャーリー・パーカーは聴いたことはあったんだけど凄さはあまり分からなくてね。ある日突然、そして徐々に彼のすごさが分かり始めて、それからたくさんジャズを聴くようになったんだ。
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・ニュージャージーに出てジョー・ロヴァーノらに学ぶ
・いかにメロディを“唄う”かに注力したバラード作「Gentle Ballads Ⅵ」
「ジェントル・バラッズⅥ」
エリック・アレキサンダー
【VHCD-1296】¥2,934(税込)
ヴィーナスレコード
[収録曲]ソー・イン・ラブ、セイ・イット、レッツ・ザ・サイレンス・スピーク、ムーン・アンド・サンド、ユアー・マイ・スリル、ハッシャバイ、エスターテ、アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー、ブライト・モーメンツ、これからの人生
[演奏]エリック・アレキサンダー(Ts)、ジョン・ディ・マルティーノ(Pf)、デズロン・ダグラス(Bass)、ウィリー・ジョンズIII(Ds)
PROFILE
ERIC ALEXANDER(エリック・アレキサンダー)
1968年8月4日、イリノイ州ゲイルズバーグ生まれ。6歳でピアノのレッスンを開始、クラリネット、アルトサックスを経てハイスクール卒業後にテナーサックスを始める。1991年にはセロニアス・モンク・ジャズ・コンペティションで銀賞を獲得。1992年には初リーダー・アルバム「Straight Up」を発表。以来、現在まで多くのアルバムを残す一方で積極的にツアーを行ない、“世界で最も多忙なジャズ・テナーサックス奏者”とも言われている。2004年にリリースされた「Gentle Ballads」(ヴィーナスレコード)はジャズ・ディスク大賞の「銀賞」「制作企画賞」をダブル受賞。そして今年、シリーズ第6弾となる「Gentle Ballads Ⅵ」(同)を第5弾から10年ぶりに発表。さらに深みを増した円熟のプレイが堪能できる仕上がりとなっている。