サックス記事谷中敦＆栃尾克樹×Yanagisawa “Silver Sonic”

THE SAX vol.118 Cover Story

谷中敦＆栃尾克樹×Yanagisawa “Silver Sonic”

2024-08-26

本邦No1.のインストゥルメンタルバンド「東京スカパラダイスオーケストラ」のグループの顔と言えるバリトンサックス奏者「谷中敦」さんと、東京佼成ウインドオーケストラのバリトンサックスを担当し、クラシックのバリトンサクソフォニストといえばこの人「栃尾克樹」さん。そんなバリサク界のアイコニックな両氏を結びつけるのが、銀製バリトンサックス “Yanagisawaシルヴァーソニック”だ。そこで今回は、二人の愛器であるバリトンサックス“シルヴァーソニック”について語ってもらった。

写真：井村重人（アーニーズ・スタジオ）／Hair＆Make up：高草木剛（Vanitès）
取材協力：株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ、柳澤管楽器株式会社、株式会社プリマ楽器

芸術的なレベルとファンキー&クール

―

お二人は初対面だそうですが、お互いの印象についてどう感じていましたか？

谷中

何年も前に栃尾さんのソロアルバム「ワルツ形式によるカプリス」と「影の庭」のCDを買わせていただいて、何回も聴きました。音域が広くとても素晴らしい演奏が繰り広げられていて、僕には魔法のように思えて憧れます。ジャケット写真で栃尾さんが持っていらっしゃったバリトンサックスの美しさにも心を惹かれたのをよく憶えています。ギターで弾き語りができる人は、一人で演奏会ができるじゃないですか。それに対してサックス一人で「さあどうぞ」って言われたときに成り立たせるのはなかなか難しいと思うんですけど、それをバリトンサックスという楽器で、芸術的なレベルで披露されている栃尾さんは素晴らしいと思います。なので、今日は本当に楽しみで、いろいろ訊きたいこともいっぱいあるんです。

栃尾

光栄です！僕は、実は東京スカパラダイスオーケストラの最初の頃に、冷牟田竜之さん（※東京スカパラダイスオーケストラの元メンバー。2008年7月にグループを脱退）にアルトサックスのレッスンをしていたことがあるんですよ。リハーサルスタジオみたいなところに伺っていて、スカパラのメンバーの方たちもスタジオにいらっしゃったことがあって、もしかしたらそのとき谷中さんとも出会っていたかもしれませんね。その後スカパラはみるみるうちに超メジャーバンドになられて、テレビでのご活躍をはじめ、CDもいくつも聴かせてもらっています。スカパラってバリトンサックスのソロがよく出てくるんですよね。すごくファンキーだし、かっこいい。そんなこともあって、勝手ながら、昔から結構親しみを持たせていただいていました。それを生徒に話すと、みんな「えー!」って驚くんです。だから今回の谷中さんとの対談記事が出たら、きっとまたびっくりされるし、羨ましがられると思います（笑）。

次ページにインタビュー続く
・ヤバイくらい良い楽器を手にできるチャンス
・チャレンジ精神でカスタマイズ
・バリッとしたソリッドな音と雲みたいなふくよかな音

谷中敦
1966年12月生まれ。東京都出身。 1989年に東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックス担当としてデビュー。インストゥルメンタルバンドとしての確固たる地位を築く中、日本国内に留まることなく世界31カ国での公演を果たし、世界最大級の音楽フェスにも多数出演。スカパラの活動の他にも作詞提供や俳優、モデルなど活動は多岐にわたる。
YANAGISAWAアーティスト。
https://tokyoska.net/

栃尾克樹
1963年、大阪府生まれ。東京藝術大学卒業。民音室内楽コンクール第1位。ソロ、室内楽、国内主要オーケストラでの演奏の他、スタジオワークとして映画『電車男』やTBS系日曜劇場『半沢直樹』等のサウンドトラック、テレビCM等の多彩な活動を展開。現在までにソロアルバム6枚をリリース。最新作『冬の旅』は2020年度レコードアカデミー賞、吹奏楽/管打楽器特別部門賞を受賞。その他、「風ぐるま」「アルモ・サクソフォーン・クァルテット」「COLORS」「Trio TYD」等のアンサンブルでも多数のCDをリリース。東京佼成ウインドオーケストラ団員、武蔵野音楽大学准教授、同附属高等学校講師、聖徳大学非常勤講師。YANAGISAWAアーティスト。
https://ktochio.com/

［CLUB MEMBER ACCESS］

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。