第3回「フラッタータンギングに挑戦」
1840年代に誕生した比較的新しい楽器、サクソフォン。ゆえに、プレイヤーは自分の心にある音楽をより正確に表現すべくいろいろな奏法─現代奏法─を生み出している。そして同時に、そんな多くの可能性を秘めたサクソフォンのために、新しい奏法を用いた曲を書く作曲家も増えている……。
このコーナーでは、そんな現代で自由自在にサクソフォンの演奏を楽しむために身に付けておきたい最先端の奏法、いわゆる“現代奏法”を、その道の第一人者である大石将紀が伝授する。
1840年代に誕生した比較的新しい楽器、サクソフォーン。ゆえに、プレイヤーは自分の心にある音楽をより正確に表現すべくいろいろな奏法─現代奏法─を生み出している。そして同時に、そんな多くの可能性を秘めたサクソフォーンのために、新しい奏法を用いた曲を書く作曲家も増えている。
このコーナーでは、そんな現代で自由自在にサクソフォンの演奏を楽しむために身に付けておきたい最先端の奏法、いわゆる“現代奏法”を、その道の第一人者である大石将紀が伝授する。
今回は前回までの「スラップタンギング」に引き続き、舌を使ったテクニック「フラッタータンギング」に挑戦してみよう。
第3回 フラッタータンギングに挑戦
【フラッタータンギングとは何ぞや?】
前回のスラップタンギングに続き、今回も舌を使う技「フラッタータンギング」に挑戦してみましょう。
フラッタータンギングとは音を「ブルルルル」と震わせるテクニックで、現代音楽はもちろんフリージャズなどでも耳にします。現代奏法としてはこれも比較的知られているテクニックですよね。フラッタータンギングを手始めに本来のサクソフォンの持つ音色とは違うものをマスターして、いろいろな響きを手に入れましょう。
● 次のページに続く
・実践編:フラッタータンギングの心得
・フラッタータンギング、その原理
・其の1 舌を震わせるフラッターを習得
・其の2 喉を震わせるフラッターを習得
大石将紀
Masanori Oishi
1977年石川県金沢生まれ、千葉県松戸市出身。1999年東京芸術大学卒業。同年 東京芸術大学大学院修士課程入学。在学中に平野公崇氏のアルバム「ミレニアム」、「清水靖晃&サクソフォネッツ」に参加。2001年東京芸術大学大学院修士課程修了。同年9月渡仏し、パリ国立高等音楽院に入学。02年から04年まで文化庁派遣芸術家海外研修員として研鑽を積む。在学中はフランス国内のコンクールで入賞(U.F.A.M国際コンクールソロ部門名誉首席一等賞、室内楽部門首席一等賞、レオポルトベランコンクール一等賞、アヴァンセーヌコンクール入賞)。04年アムステルダム音楽院に短期留学。05年2月文化庁主催、「明日を担う音楽家による特別演奏会」に出演、東京シティーフィル管弦楽団と共演。F.シュミットの「伝説 Op.52」を演奏し好評を博す。同年6 月にパリ国立高等音楽院サクソフォン科、室内楽科を、06年には即興演奏科を全て最優秀の成績で卒業。さらに05年よりパリ国立高等音楽院第3課程室内楽科(サクソフォン四重奏)に進み07年6月に修了。これまでに安田生命クオリティオブライフ文化財団、メイヤー財団、エラスムス財団、ソシエテジェネラル財団から助成を受ける。在仏中はソリストとして、またサクソフォン四重奏「OSMOSE」のメンバーとしてクラシックはもとより、現代音楽、また若手作曲家の作品発表を精力的に行っており、これまでにウンドル国際音楽祭(イギリス)、ダヴォス国際音楽祭(スイス)、ヴァル・ド・オルネー音楽祭(フランス)などの音楽祭への出演、フランス、オランダ、イギリス、などのヨーロッパ諸国を始め、ナイジェリア、ニジェール、中国等で演奏活動をしている。即興演奏はパリ音楽院在学中から活動を初め、パリのポンピドゥーセンター、ルーブル美術館を始め様々なプロジェクトに参加している。また舞踏家、保坂一平とは共演を重ね、J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」の演奏、また電子音響を使った即興演奏で参加している保坂の初のソロ作品「蛹化の女」(むしのおんな)はパリでの2回の公演共に高い評価を受け、2008年11月ドイツ舞踏会の巨匠、ピナ・バウシュのフェスティバル「Tanzfest2008」に招待された。2007年1月にはトーキョーワンダーサイトにてオールゲンダイオンガクプログラムのリサイタルを開催。