サックス記事 個性的な奏者と個性的なコンサート企画。その「ぶつかり合い」にワクワクドキドキ
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THE SAX vol.98 Interview 塙美里

個性的な奏者と個性的なコンサート企画。その「ぶつかり合い」にワクワクドキドキ

ARTIST

デビュー10周年を飾ったばかりのサックス奏者、塙美里。毎月コンスタントに各地でリサイタルを継続できているプロフェッショナルは数少ない。ソリストとしての公演を継続しているのはおそらく彼女くらいなのではないだろうか? 彼女が、ユニークなコンセプトで知られる「B→C」に出演するという。これは、ニュースだ!

塙美里

デビュー10周年を飾ったばかりのサックス奏者、塙美里。多くのサックス奏者の中でも、毎月コンスタントに各地でリサイタルを継続できているプロフェッショナルは数少ない。グループとしての公演ではなく、ソリストとしての公演を継続しているのはおそらく彼女くらいなのではないだろうか? その塙美里が、ユニークなコンセプトで知られる「B→C」に出演するという。これは、ニュースだ!
(インタビュー・文:埜田九三朗)


この奏法、この息の使い方でなければこの楽器の魅力は表現しきれない

「B→C(ビートゥシー)」とは、東京オペラシティが1998年から実施してきた定期コンサート。バッハ(B)から現代(コンテンポラリー=C)へというテーマのもと、必ず現代音楽とバッハの作品を演奏しなければならない……というレギュレーションを奏者に課しているのがポイント。バッハと現代音楽という、一見真逆なレパートリーを並列させ、奏者の個性を浮き彫りにしようというユニークな試みで、これまでに数多くの俊英たちが登場し、数多くの実績を積み上げてきた。200回を超える公演のすべてで、これまでのホール公演では見られなかったある種の「刺激」が生まれてきた……といっても過言ではない。塙美里の登場はその218回目の「刺激」となるわけだ。

「今まで毎月数回のホール公演を行なってきました。これまでの公演は自分の音楽をいかにして伝えるか……ということだけを考えてきたわけですが、今回はある種の『枠』が規定されている……プロデューサー側との打ち合わせを重ね、鳥(Bird)をテーマにした作品を並べてみよう、ということになりました」

 

Concert Information
東京オペラシティ リサイタルシリーズ
B→C(ビートゥーシー:バッハからコンテンポラリーへ)
[218]塙 美里

塙美里

[日時]2020年1月21日 19時開演予定
[会場]東京オペラシティ 小ホール
[共演]AKIマツモト(Pf)
[曲目]バッハ:ソナタハ長調(原曲:フルートと通奏低音のためのソナタ BWV1033)、メシアン:黒つぐみ(1951年作品)、野田燎:不死鳥(1988年作品)、田中カレン:アルト・サクソフォンとエレクトロニクスのための《Night Bird》(1997年作品)、アラ:アルト・サクソフォンと電子音響のための《鳥》(2011年作品)、バッハ/ラフマニノフ編:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第三番ホ長調 BWV1006から「ロンド風ガヴォット」、ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌、池辺晋一郎:沈黙…おや、どこやらでホトトギス(1999年)、ショーン:Do Not Stop on the Highway to View Fire(2019年塙美里委嘱作品 世界初演)、ラヴェル:三羽の美しい天国の鳥、ラヴェル:クープランの墓
[料金]全席自由 ¥3.000(税込)
[問合せ]東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999

 


次ページにインタビュー続く
・フランスが生んだサックスの音色の伝統
・“鳥”というテーマは、ソプラノサックスが持つ個性的な音色からの発想
・現代音楽を演奏することの意味は、作曲家自身と直接話し合うことにある
・彼女の音色で奏でられる数百年の「時間」

登場するアーティスト
画像

塙美里
Misato HANAWA

高度な技術を伴い、謙虚なひたむきさと情熱を持つ先進的なサクソフォン奏者。U.F.A.M.国際音楽コンクール室内楽部門を審査員全員一致で優勝、併せて審査員特別賞受賞。レオポルド・ベラン国際音楽コンクール第1位受賞。2019年North International Music Competitionサクソフォン部門第1位。セルジー・ポントワース音楽院を最優秀の成績で卒業。カンブレ音楽院最高過程を審査員満場一致の称賛付きの首席で卒業。モーリス・ラヴェル音楽院室内楽科で研鑽を積む。これまでにサクソフォンを原博巳、ジャン=イヴ・フルモー、ジュリアン・プティ、クリスチャン・ヴィルトゥ、ベアトリス・レイベル、ヴァンサン・ダヴィッド、ヴァンサン・リュカの各氏に師事。セルマー・パリとバンドーレン・パリの所属アーティスト。オクタヴィア・レコードより「エディット・ピアフを讃えて」「ロンド・カプリチオーソ」をリリース。

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