サックス記事 ディメンションのデビュー30周年を飾る会心作が完成!
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THE SAX vol.111 Interview

ディメンションのデビュー30周年を飾る会心作が完成!

ARTIST

今や世界中にファンを持つJ-フュージョンを代表するグループとなったDIMENSION。そんな彼らが1992年にミニアルバム「Le Mans」でデビューしてから今年で30年の節目を迎えた。その記念作ともなるニューアルバム「33」は、これまで築き上げてきたシャープでソリッドなイメージはそのままに、レイドバックした大人の余裕も感じさせるスケールの大きい一枚に仕上がった。我らが勝田一樹が、その制作の様子を貴重な秘話も含めて惜しみなく語ってくれた。
(インタビュー・文:山本美芽/取材協力:ビーイング)

勝田と増崎それぞれのディメンション観が集約された1枚に

「33」を録音するにあたって、どんな方向性を意識していましたか。
勝田一樹
この30年間に作り上げた数ある楽曲、数あるスタイルがディメンションのサウンドの核となっていて、そこからさらに「ディメンションとは何ぞや」というのを自問自答して楽曲を作りました。毎回新しい挑戦をして新たな作品を作り上げたい。ただ、同じ人間が作っているので、どの作品にも共通点はあって、それがバンドのカラーであり、ディメンションらしさとなる。増崎さんは、僕とは違った視点があり、曲は半分ずつ作っているので、それぞれのディメンション観が集約された1枚になっていますね。僕は、複雑なリフの絡み合いだけでは終わらないように、耳に残るメロディ・ラインは1曲のなかに必ず入れるように心がけています。
では、勝田さんが作曲を担当した収録曲の解説をお願いします。
勝田
1曲目の『High Time』はディメンションの歴史の中で積み重ねてきた「跳ねているビート」の最新版みたいなイメージですね。フリーな感じのイントロからリズミックな感じに移行していくのも僕らのお家芸の一つです。ノリのいいグルーヴィ―なサウンドに仕上がっていますね。リードのメロディは、ギターは弾いていなくて、シンセ系が鳴っています。キーボードとサックスですね。サックスは、上のオクターブをフラジオで薄く入れています。サクソフォンのものすごく高いフラジオの音域をそのままだとビャーとなってしまうので、定位を後ろのほうに下げて薄く入れると、輪郭がくっきりするんですよ。そんな手法を使っています。かなり時間がかかって大変でしたけどね。
全部フラジオ……人間技じゃないですね。2曲目は『Matrix World』。
勝田
複合的な多面的な世界、みたいな意味ですが、ディメンションならでは、僕の曲ならではのハードなリックと、デジタルなドラムと人間のドラムを融合させた4つ打ちビートのコラボレーション。これもディメンション30年間の歴史で構築された特色のあるサウンドですね。サックスは非常に大変で、リフが複雑です。複雑なものは、世の中には山ほどありますが、このスピード感ある感じのリズムアレンジに乗せてこういうのを作るのもこのグループ独特の空気感かなと。人間のドラムと機械音ドラムの融合です。

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・それぞれの音域にいいところがあるので音楽にあわせて使い分ける
・ハーモニーはテナーやソプラノを使わずに、アルトですべて録る
・30年の活動で身についた曲を作るスキルやサックスの演奏スタイル


●PROFILE
勝田一樹 Kazuki Katsuta
1966年9月3日生まれ 神奈川県出身 その奏でる音色は一聴して分かるように唯一無二の存在感を放ち、彼から影響を受けたサックスプレイヤーは後を絶たない。アルトサックスプレイヤーとして、アンサンブルの中に溶け込む力強さと優しさを調和させたそのスタイルに加え、様々なアーティストのレコーディングにおいてはブラスセクションのアレンジ力も高い評価を得ている。ソロ活動として勝田自身がプロデュースの「JAFROSAX」名義でアルバムを4枚リリース。国内外及び多ジャンルにまたがり大好評を得る。2014年には待望の初のソロアルバム「Kazuki Katsuta」をリリース。このアルバムはAMAZONジャズチャート、iTunesジャズチャート、オリコンのジャズチャート日本人アーティストのすべての1位を獲得した。これまでに3枚のソロアルバムをリリースし、ソロ活動も精力的に行なっている。近年DIMENSION以外ではDREAMS COME TRUE、TUBE、大黑摩季、などのアーティストのレコーディングやツアーに参加している。

 
●CD Information

「33」
DIMENSION


【ZACL-9132】 ¥3,300 (税込)
ZAIN RECORD
[演奏]勝田一樹(As)、増崎孝司(Guit)/則竹裕之/川口千里/山本真央樹/坂東慧(Ds)、須藤満/二家本亮介(Bass)、友田ジュン/安部潤/和久井沙良(Key&Prog)
[曲目]High Time、Matrix World、Route 57、Fantasy Kingdom、Tomorrow、Shake It On、Free Your Mind、Like it or Hate it、Last Time、1.2.3 Boogie
 

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詳細・問い合わせはこちらまで
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http://dimension-tokyo.jp/contact/

登場するアーティスト
画像

勝田一樹
Kazuki Katsuta

人気フュージョン・バンドDIMENSIONのフロントマンを30年にわたって務める。その音色は一聴して分かるほどに唯一無二の存在感を放ち、彼の影響を受けたサックスプレイヤーは後を絶たない。アルトサックス・プレイヤーとして、アンサンブルの中に溶け込む力強さと優しさを調和させたそのスタイルに加え、様々なアーティストのレコーディングにおいてはブラスセクションのアレンジ力も高い評価を得ている。ソロ活動として勝田自身のプロデュースによる「JAFROSAX」名義でアルバムを4枚リリース。国内外および多ジャンルにまたがり大好評を得る。2014年には待望の初のソロアルバム「Kazuki Katsuta」をリリース。これまでに3 枚のソロアルバムをリリースしてソロ活動も精力的に行なっている。2022年からはCASIOPEA-P4のギタリスト野呂一生と共に「J-FUSION BLUE NOTE TOKYO SPECIAL」というイベントをブルーノート東京で開催し大好評を得る。DIMENSIONとしては2023年に行われたBlue Note Tokyo 35th presents JAZZ-FUSION SUMMIT2023 公演でT-スクエア、CASIOPEA-P4等、Jフュージョンを代表するバンドとの共演が記憶に新しい。
(2024.02)

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