サックス記事 実力派クール・ビューティーの内に秘めた情熱が透明な炎に昇華
  サックス記事 実力派クール・ビューティーの内に秘めた情熱が透明な炎に昇華
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THE SAX vol.117 Interview

実力派クール・ビューティーの内に秘めた情熱が透明な炎に昇華

ARTIST

才色兼備のアルト奏者として高い人気を維持し続け、2010年のデビュー以来、ほぼ1年ごとに新作をリリースしてきた纐纈歩美。
本誌の常連でもある彼女が、コロナ禍をきっかけにした初めてのブランクから復帰して満を持しての5年半ぶりのニューアルバムを完成させた。
全曲オリジナルのセルフ・プロデュースで、レコーディング・メンバーはレギュラー・カルテットの面々という直球勝負の会心作だ!

(インタビュー・文:原田和典/取材協力:株式会社ポニーキャニオン)

自分の中で静かに燃え続ける音楽に対する思いに改めて気づいた

「待った甲斐があった!」心からそう言いたくなる力作が、纐纈歩美のニューアルバム「Limpid Flame」だ。レギュラー・カルテットの佐藤浩一(Pf)、安田幸司(Bass)、安藤正則(Ds)と繰り広げられる音楽世界は風通しがよく、芳醇で、研ぎ澄まされている。さらなる充実を迎えている、このアルトサックス奏者に話を訊いた。

最新作「Limpid Flame」は、2017年の「Aquarelle」(透明水彩)以来となるレギュラー・カルテットによるセルフ・プロデュース作品ですね。しかも5年半ぶりのアルバム・リリースです。
纐纈歩美
生活環境の変化やコロナ禍のこともあって、これほど長い期間リリースがあいたのは今までの活動の中では初めてです。制作にあたって、「Limpid Flame」は、その期間に私が何をしていたのか、どんな準備をしていたのか、どんな時間を過ごしたのかも全部反映した作品になるだろうと感じました。セルフ・プロデュースで「今の私の音楽はこういうものです」というものを100%しっかり出していきたい、そのためには自作をメインに演奏してきたレギュラー・バンドで録音したいと思いました。

次ページにインタビュー続く
・激しく主張せず、お互いの要素を吸収し合って進化していくバンド

 

CD information
 
「Limpid Flame」(リンピッド・フレイム)
纐纈歩美

【PCCY-01994】
¥3,000(税込)
ポニーキャニオン

[演奏] 纐纈歩美(As)/佐藤浩一(Pf)/安田幸司(Bass)/安藤正則(Ds)
[収録曲]①Quiet ②Limpid Flame ③M's Day ④Leap ⑤Ginkgo ⑥Daze ⑦Move ⑧A Little Boy
 
 

●PROFILE
纐纈歩美(こうけつ あゆみ)
1988年岐阜県生まれ。3歳よりピアノを習い、中学でサックスへ転向。高校から本格的にジャズを始める。卒業後、甲陽音楽院に進み、岐阜、名古屋を中心にライブ活動を始め話題となる。2010年ポニーキャニオンより、1stアルバム「Struttin'」にてメジャーデビューを果たす。2011年、2ndアルバム「Day Break」、2012年ノルウェーでレコーディングした3rdアルバム「Rainbow Tales」を発表。北欧のミュージシャンとの融合で生まれた新鮮なサウンドが評価される。2013年、2014年とニューヨークでレコーディングした4thアルバム「Brooklyn Purple」、5th「Balladist」を発表。2016年、敬愛するアート・ペッパーをトリビュートした6thアルバム「Art」を発表。2017年、7作目となる初プロデュース作品「アクアレール」を発表。抽象画家フランク・ステラの作品からインスピレーションを得たオリジナル楽曲を収録し好評を得る。2018年10月、小野リサをプロデューサーに迎えて初のボサノヴァ・アルバム「オ・パト」(8作目)を発表。FMや専門誌など各方面で大きく話題となり、CDショップ大賞2019ジャズ部門を受賞した。現在、自身のバンドを中心に様々なセッションにも参加し、全国で演奏を行なっている。落ち着いた柔らかな音色と時にダイナミックなアプローチで、多くのファンの支持を得ている。

 

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