サックス記事 最新ソロ作に続いてDIMENSIONのニューアルバムでも新たな境地に到達!
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THE SAX vol.118 Interview

最新ソロ作に続いてDIMENSIONのニューアルバムでも新たな境地に到達!

ARTIST

今年3月に4thソロ作「NEO」をリリースしたばかりの我らがサックス・ヒーロー勝田一樹。なんと嬉しいことに、そこから4か月余りで今度はディメンションのニューアルバムが届けられた。ソロ作では画期的な新生面を切り開いたが、本邦フュージョン・シーンの象徴でもあるグループの新作は王道の安定感と新境地を両立させた威風堂々の仕上がりとなった。早速アルバム完成の手応えを勝田本人に語ってもらった。

インタビュー・文:山本美芽
取材協力:株式会社B ZONE

ディメンションらしさとは何ぞやということを自問自答しながら制作

今年3月にリリースされた勝田さんのソロ作「NEO」に続いて、増崎さんとのユニットであるディメンションも、34枚目のオリジナルアルバム「34」が完成しました。作品を作るにあたって念頭に置いたことは?
勝田
誰かが「これがディメンションです」と決めているわけじゃないけれど、30年以上やっているとファンの期待はある。常にディメンションらしさとは何ぞやということを自問自答しながら制作しましたが、勝田ソロの影響は若干引きずっていますね(笑)。
いまや海外のリスナーからの期待もありますよね。
勝田
それは海外のダウンロード数も伸びていますので、無視するわけにはいきませんね(笑)。
アルバムの制作期間や方法を教えてください。
勝田
今年の3月にソロをリリースしてから集中して作って、連休のときには終わっていたから、制作期間は結構短いです。ソロを作りながら「これはディメンション用にしよう」となった曲もありました。楽曲に関しては、昔は共同名義で作っていた時期もありましたが、最近は勝田、増崎、それぞれが責任をもって楽曲は一から十まで仕上げて、自分の曲ではない場合はミュージシャンとして参加する分業制ですね。僕が増崎さんの曲にサックスを入れている場合は、これが一番良いテイクなのでどうぞ使ってください、と。
作曲の際に気を付けることはありますか。
勝田
曲を作りはじめて、形ができてきたなと思った頃に、前回のアルバムを聴き直すようにしています。「これは、このままだと前回のあの曲と似てしまう」と気づくこともあって、それならば「テンポをもっと速くしよう」「打ち込みをもっと使ってみよう」など、アプローチを変えることもあります。ただ、そのあたりは作っている人が同じだから似てくる部分もあるし、ファンの期待に応える個性でもありますが。
勝田さんと増崎さんのコンポーザーとしてのキャラクターの違いとは何ですか。
勝田
僕の場合は、良い意味でストレート。「これは理屈抜きにいい。もう1回聴いてみたい」というふうにしたい。たぶん、好きな人と嫌いな人の両方が明確に出ますね。増崎さんはもっと内面的な部分や、音楽に対するルーツみたいなものを曲に盛り込みたい。直接的というよりは、さまざまな角度から見たサウンドを作りたいんじゃないかな。

次ページにインタビュー続く
・鳴らすのにトルクが要るが、鳴りだすとスーパーカー並みのスピード感
・増崎さんのロックなギターと僕のジャジーなサックスの掛け合いも
・日課練習は何をやるというより、常に新鮮な気持ちで取り組むことが重要

CD information
 
「34」
DIMENSION

【ZACL-9140】¥3,300(税込) B ZONE
[演奏]ディメンション:勝田一樹(As)、増崎孝司(Guit)、則竹裕之/川口千里/山本真央樹/坂東慧(Ds)、須藤満/田中晋吾/二家本亮介(Bass)、友田ジュン/安部潤(Key,Prog)
[曲目]Freedom X、Sci-Fi、Soullimits、Signal、The New Wonders、Time Code、Silver Shadow、2 in 5、Familiar With、Jam69
 
 
Live Information
Live Dimensional-2024 ~「34」発売記念Live〜
9/16(月祝)札幌キューブガーデン
9/29(日) 福岡Gate’s7
 
 

●PROFILE
DIMENSION(ディメンション)
日本を代表するインストゥルメンタルグループ。1992年6月24日、ミニアルバム「Le Mans」でデビュー。これまでに1枚のミニアルバム、34枚のオリジナルアルバム、3枚のライブDVDをリリース。それぞれの作品の音楽的評価は高く、日本のインストゥルメンタルシーンを切りひらき、数多くのフォロワーを生み出し続けている。ライブ活動もその高い演奏能力を存分に披露し、ジャンルを限定しないクラブ等におけるパフォーマンスや、国内外のフェスティバル・イベントにも積極的に参加(韓国SEOUL JAZZ FESTIVALや東京JAZZ、代々木第一体育館でのCROSS OVER JAPAN等)。国内のアーティストだけでなく海外アーティストとも多数共演をしている。2008年には韓国で初のワンマンライブを開催し大成功を収めた。近年はDIMENSIONの活動としてはもちろん、個々のスタジオミュージシャンやプロデューサーとしての活動も、各方面から注目を浴びている。

勝田一樹(かつた かずき)
1966年9月3日生まれ 神奈川県出身。その奏でる音色は一聴して分かるように唯一無二の存在感を放ち、彼から影響を受けたサックス・プレイヤーは後を絶たない。アルトサックス奏者として、アンサンブルの中に溶け込む力強さと優しさを調和させたそのスタイルに加え、様々なアーティストでのレコーディングにおいてはブラスセクションのアレンジ力も高い評価を得ている。ソロ活動としては勝田自身プロデュースによる「JAFROSAX」名義でアルバムを4枚リリース。国内外および多ジャンルにまたがり大好評を得る。2014年には待望の初ソロアルバム「Kazuki Katsuta」をリリース。このアルバムはAMAZONジャズチャート、iTunesジャズチャート、オリコン ジャズチャート日本人アーティストのすべてで1位を獲得した。2024年3月には4枚目のソロアルバム「NEO」をリリースするなどソロ活動も精力的に行なっている。近年はカシオペアのギタリスト野呂一生との『J-FUSION BLUE NOTE TOKYO SPECIAL』というイベントを行うなど、様々なアーティストとの交流を図っている。

 

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