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経緯からお仕事の内容までまるっと紹介!
第三回|音大卒の先輩に聞く!フリーランスという職業について
お仕事を受けるときのコツとは…!?
- 平井
- それでは現在のお仕事についてお伺いします。 大学卒業後、事務所に所属をする人もいますが陬波さんはどこか音楽事務所に入られてますか?
- 陬波
- 去年オーディションを受けて入りましたよ〜!
音楽系の事務所って名前だけ登録するところとかいろいろな形態があるんですけど、私の場合はユニットに参加させていただくことがきっかけだったので、ユニットの活動だけを管理してもらっています。 - 平井
- なるほど、ユニットでの所属という感じですね!そもそもサックス吹きが選択できる事務所って他の楽器に比べると結構少ないイメージがありますが…
- 陬波
- 確かに私の周りでもサックスはあまり聞かないなぁ。自衛隊や警察の音楽隊とか、あとは宝塚歌劇団に入っている人とかは知ってるけど、本当に数名だよね。
- 平井
- これまた狭き門ですね…。 ちなみにユニット以外のお仕事はどうされているのですか?
- 陬波
- 個人のお仕事については事務所もノータッチなので、先生や先輩から紹介してもらったり、リサイタルを聴きに来てくださった方からお声がかかったり……本当に様々ですよ! 高校時代の友人が学校教員になって指導のお仕事をもらったり、そこから広がっていったお仕事もたくさんあります。
- 平井
- そんなところにチャンスが…! 地元の繋がりも大事ですね!
- 陬波
- そうですね〜。 お仕事の依頼もそうだけど、デザイン会社に勤めてる友人にチラシやホームページを作ってもらったり、税金の相談をしたり…(笑)周りの人たちに助けてもらってるなぁ。
- 平井
- ご友人さん、ハイスペック過ぎません…?!
- 陬波
- ね(笑)。そう考えると音楽関係に留まらず、人との交流って大事だよね! 「もう吹かなくなったから〜」って理由で楽器を譲ってもらったこともありますよ(笑)
- 平井
- え〜〜〜そんなことあるんですか! 私は音楽科の高校に通っていて、普通科の人たちと繋がる機会はなかなか無かったので正直羨ましいです……
- 陬波
- そういった友人たちの支えは本当に心強かったね!地元だけでなく出身校・洗足学園音楽大学の学祭で卒業生の活躍を紹介する「ホームカミングコンサート」っていうステージみたいなものにも出演したし、色んなところにアンテナを張るといいかもね!
- 平井
- なるほど…! ちなみに、陬波さんが取り組んでいるお仕事ってどんなものがあるのでしょうか?
- 陬波
- それこそ学校へ行って指導をするお仕事もありますし、自分で自主公演を企画したりもします。 あとはエキストラも含め団体の演奏に参加したり、以前自分が入賞したコンクールの審査員をさせてもらったこともあります!
- 平井
- コンクールを受けるメリットにお仕事依頼があるなんて…それは知らなかったです!
- 陬波
- コンクールの審査員は、生徒がエントリーしているものや審査員が足りない地区に住んでいてお声をかけていただくこともありますが… とにかく突然依頼の電話が来るんです(笑)
- 平井
- 突然ですか!?
- 陬波
- そう、知らない番号からの着信に最初は迷惑電話かと思っちゃうんだけどね(笑)もちろん迷惑電話の場合もありますが、お仕事依頼の場合もあるので電話はなるべく全部取るようにしてます!
- 平井
- 迷惑電話ばっかりだとうんざりしちゃいますね(笑) そういった外部からのお仕事を受けるときに「これだけは譲れない!」っていう条件はありますか?
- 陬波
- 卒業したての頃は自分の身になるものだったら全て引き受けるようにしてました。あと地域の子どもたちのためにだったり、音楽文化発展のための貢献活動だったりするものは協力してましたね。 正直なところ、相手が提示してくれる条件って悪いものから良いものまで本当にピンきりなんですよ…。そういった場合にはこちらから目安の条件を提示して交渉することもあります。特に女性は音楽家として軽く見られてしまうこともあるので。
- 平井
- 音楽以外のコミュニケーション能力も求められそうですね…!
- 陬波
- そうですね〜。お仕事の依頼元って音楽関係じゃない場合もありますし、音大じゃ教えてくれないけどある程度の一般常識は必要ですよね。 そういう面で言えば、学生時代から大人と関わる機会を多くした方が良かったかも…って思います。大人や音楽以外の人と関わって音大じゃない世界も知らないとね!
- 平井
- 音楽ばかりにならずに、いろんな業界に触れることも大事なんですね…! 他にもお仕事をしていて気付いたことはありますか?
- 陬波
- ん〜受動的にならないことですかね! 自分の経験と相手の経験って全てが同じじゃないけど、お客さんを飽きさせないステージを作るっていうのは同じ目的なわけで…。となると、一緒に取り組む人たちに対して対等な立場でステージを作ろうって思うし、運営面でも同じくらいの力量を行動で返さないとなって思う。音楽面でも運営面でも、団体で行動すれば必ず意見の不一致は出てくるけど、違うなって思う意見でも一度きちんと受け入れる。その上で反対意見を出すなら具体案を出す、というのは気をつけているかな。
- 平井
- 演奏だけできても残っていけないですよね。 特にエキストラだったりすると、どこまで入り込んでいいかわからなくて戸惑っちゃうこともあります……
- 陬波
- たしかにそれは難しいですよね〜! 空気を読み取る力や臨機応変に対応する力も必要なのかも(笑)
- 平井
- うぅ…勉強になります!
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