音大のあれこれを現役音大生に聞いてみました!
第四回|現役音大生インタビュー
音大間での関係性やお互いのイメージとは?!
昭和音大
平井
ではちょっと話題を変えて、ここからは普段の生活や他大学のイメージなど授業以外のことについて話してもらいます! 他大学へ何かイメージとかはありますか?
武蔵野
金澤
結構学生のうちからカルテットやソロで営業とかしてて、卒業後もその仕事を続けたりとか…昭和もわりとそんなイメージ。
昭和音大
平井
うーん昭和は人数が多いから人によって様々かな。たしかに東音はたくさん営業こなしてるよね。
武蔵野
金澤
藝大はもう卓出した先輩方に引っ張られて…って感じかな。
東京音大
穴井
伝統も長いしね。 あと藝大の方々って芸能人っぽくなりません? 今年受かった子は誰だろうとか、定期演奏会の1年生カルテット注目したり。
武蔵野
金澤
あーあるね。 東京音大のエクセレンスコースもそんな感じだよね。
東京音大
穴井
ピアノと声楽だけで全4学年に1人いるかどうかなんですけど、第一線で活躍してる人しか入れないようなコースがあるんだよね。
東京藝大
蒙
そうなんだ! 東音は全体的にピアノと声楽に特化してるイメージがあるかな。
昭和音大
平井
確かに私もそんな感じするなぁ。 武蔵野は「教育」ってイメージがある! 教育コースみたいなのなかったっけ?
武蔵野
金澤
音楽教育学科だね! 確かに教員志望は多いよ!
昭和音大
平井
そうなんだ。じゃあ教職履修してる人多そうだね!
昭和音大
平井
ちなみに今日のトークには参加していない他の大学はどう?
武蔵野
金澤
国立は「勉強」って感じ。 真摯に音楽と向き合ってそのコンセプトのまま卒業後も、みたいな。
東京音大
穴井
先生からの教えをきちんと守り続けるような感じだよね。
武蔵野
金澤
尚美は僕の周りを見ている限り、第一印象のインパクトだったりキャラクターの濃い学生が多かったりするんだけど…
昭和音大
平井
洗足は昭和と同じくサックス専攻が多いけど、昭和よりも洗足の方が賑やかというか、それこそ個性が強いイメージがあるなぁ。
昭和音大
平井
上野学園は人数少ないのもあって楽器関係なく仲良さそうだよね。
東京藝大
蒙
あと外観のイメージはたくさんあるんだけど……
東京藝大
蒙
東音はショッピングモール、国立は博物館、武蔵野は市役所、洗足はテーマパーク、、
昭和音大
平井
東音と武蔵野は最近校舎建て替えて綺麗になったもんね!
東京藝大
蒙
全然そんな良いもんじゃないよ(笑) でも以前、ネズミが原因で夜に停電したことがあって…
昭和音大
平井
ネズミで停電ってなんかほのぼのしてるというか… 公園の隣にある大学ならではなのかな(笑)
昭和音大
平井
藝大ってわりとほんわかしてて良い雰囲気だよね(笑)
大学間での繋がりは?
昭和音大
平井
では、どの大学も雰囲気やイメージなど様々だけど、他大学との繋がりはみなさんありますか?
東京音大
穴井
うーん、学校単位でってあんまりないなぁ…
東京藝大
蒙
それぞれのサックス科の演奏会で挟み込みをお願いする時くらいじゃないかな?(笑)
昭和音大
平井
何部お願いします〜!ってね(笑) じゃあ個人での繋がりはどこで繋がる?
東京藝大
蒙
わりと高校の頃に知り合った人が多いかも。
昭和音大
平井
確かに、私も高校からが多いかも。蒙くんともそうだったよね。
東京音大
穴井
高校の頃だったら、夏期講習や冬季講習で知り合って結局それぞれ違う大学に進んだとかあったなぁ。
武蔵野
金澤
講習会ね! 僕は高校が武蔵野の附属高校だったんだけど、音大の附属高校同士で集まって演奏会をしたことがあったからそこで繋がったりもしたよ!
東京音大
穴井
そんなのがあるんだね!良い機会! 大学入ってからは、舞台裏で仲良くなったりすることもあったかな。サックスフェスティバルやコンクールの時は特に。
東京藝大
蒙
サクフェスも意外とあるよね! あと演奏会やその打ち上げでもあるかも。
昭和音大
平井
カルテットの打ち上げは特にすごいよね、それぞれの奏者の生徒が集結して色んな大学から集まったり。
東京音大
穴井
あるある! 結構そこで仲良くなること多いよね。
武蔵野
金澤
あとはセミナーや講習会、マスタークラスでもあるかも!
東京藝大
蒙
たしかに!セミナーは大学関係なしに幅広く色んな人に出会えて刺激になるよね。演奏も聴けるし。
昭和音大
平井
そうだね! 私も参加する度にたくさん刺激受けたなぁ…! どこで出会ったとしても、他大学の人の頑張りや切磋琢磨してる姿にも感化されるし、常に近くにいるわけじゃないからこそ自分も大学で頑張らなきゃって気合入るよね。
自分の大学自慢!
昭和音大
平井
では最後に、今自分の大学が力を入れていることや、大学の強み・魅力を教えてください!
武蔵野
金澤
武蔵野は音楽についての知識だったり、勉強に力を入れてる感じがするかな。 音楽学専攻があることや教員志望が多いこともあるかもしれないけど、西洋音楽史も3年かけて深く取り組むしそれとはまた別で器楽史もあるよ。
昭和音大
平井
3年もできるのいいなぁ〜〜!! 昭和は西洋音楽史最長1年半だし器楽史も1年間なんだよね。もちろん中身は濃いけど!
武蔵野
金澤
あまりここまでかけて勉強する大学なかなかないと思うんだよね。 西洋音楽史の中でも時代ごとに先生が変わって本当に深く専門的な先生から学べるし、知識をとにかく蓄積したあとにレパートリー研究っていうまた違う授業でアウトプットをして、「音楽を勉強する」には良い授業が揃ってるんじゃないかなと思う!
東京藝大
蒙
かなり詳しく勉強するんだね! 知識がたくさんあれば実技などでも活かせるし、音楽を勉強する人にとってはすごく良い環境だね!
東京音大
穴井
東音は、最近できた吹奏楽アカデミーコースに力を入れてるみたい! サックス科では、定期演奏会の歴史がどの大学よりも長いのでそれを誇りにみんなで必死に集客したり演奏もクオリティーの高いものを目指して毎年頑張ってます!!
武蔵野
金澤
東音の集客抜かりないし本当に頑張ってるよね!
東京音大
穴井
みんな本当に必死だからね(笑) あとは面倒見が良いところも好きですよ! 大学での過ごし方だとか音楽面じゃないところまでみてくれて。 そういえばみなさん大学で暗黙のルールとかありますか?
東京音大
穴井
東音は入学式翌日にサックス科で集められて規則を先輩方が直接教えてくれるんですけど、先生とのやりとりの仕方や音楽じゃない部分までたくさん指導してくれます! それに音楽面でも、練習してたら突然ドアが開いて音間違いや変え指を教えてくれたり、中にはピアノ伴奏を弾きながら教えてくれたりとか…!
昭和音大
平井
それができるところもすごいけど、なおかつ良い形で何年も続いているのは信頼があってこそだよね!なかなかできることじゃないと思う! 今の時代、場合によってはマイナスに言われちゃうこともあるだろうし。 藝大はどう??
東京藝大
蒙
まず藝大に入って良かったと思うのは、規模が多すぎず少なすぎず専攻や学科に関係なく色んな人と関われることが一番かな! どの科がどんなことをしてるか把握してるくらい。
昭和音大
平井
広く関われることでなおさら良い刺激を受けられるだろうね、同じ楽器だけじゃなくて。
東京藝大
蒙
そうだね、音楽面でも刺激になるし色んな人と関われて充実してるよ! あと強制力があるような授業もあまりないし、先生方や大学サイドもあなたがやりたいならやれば?っていう感じなので、他学科の授業を聴講させてもらったり自由にのびのび過ごせてるね。
武蔵野
金澤
大学としてすごく良い環境だね! どこもそうであってほしい!(笑) 武蔵野のヴィル科も色んな楽器の人がいるから楽器を超えて刺激を受けられるのはすごく良いと感じるよ!
東京音大
穴井
そういう周りの環境って大事だよね。 特に藝大なんて優秀な人たちばかりだと思うんだけど、学生間でのライバル心みたいなのはあるの?(笑)
東京藝大
蒙
まぁ無くはないけど…言わないよね(笑) 楽器に関係なく同期に上手な子がいると自分も負けてられないなって思う!
昭和音大
平井
周りにどんな人たちがいるかって結構重要だよね。 昭和は、生徒も先生もサックス科の人数が多い分色んな人の意見や演奏を聴けるのが面白いよ! 各門下で発表会や試演会など開いたりして他の人の演奏を聴く機会もたくさんあるし、中には珍しい曲も聴けたり。
昭和音大
平井
先生も多いからね。 あとはコースが細かく分かれていて、演奏家コースにはコンチェルト実習や演奏会実習、ウィンドシンフォニーには指揮実習とか実践的なものがそれぞれ用意されているのは良いところだと思う。
武蔵野
金澤
コンチェルト実習や演奏会実習あるの良いよね!
昭和音大
平井
私も昭和の演奏家コースはここが魅力かなと思う! それに、ここまでコース分けがあっても普段みんなコース関係なく過ごしてるところが私は好きだな。
東京藝大
蒙
思えば管楽器でここまで細かくコースが分かれてるのって昭和くらいかもね。
昭和音大
平井
そうかもね。
それでは最後に、皆さんから受験生や今後音大進学を目指すみんなへ向けて一言ずつお願いします!
東京音大
穴井
音楽大学は、自分の世界観や理想の音楽像を持った先生や学生がいる素敵な学び舎です。受験前は大変なことも沢山あると思いますが、皆さんが試験当日、自分らしく演奏できますように!頑張って下さい!
武蔵野
金澤
音大受験はわからない部分が多くて、雲を掴む感覚で挑む方が多いと思いますが、自分の「やりたいこと」を常に忘れずに取り組めば、どこに身を置くことになっても有意義な学生生活を送れると思います!
東京藝大
蒙
藝大は自分の好きなことをとことん追い求めることのできる素晴らしい環境です!受験対策ももちろんですがそれだけにならず、今のうちから自分の世界観を強く持つことが入学後充実した時間を過ごすためにも大事なことだと思います。 苦しい日々が続くと思いますが、しっかり自分と向き合って頑張ってください! 応援しています!
昭和音大
平井
それでは皆さん、貴重なお話ありがとうございました!
プロフィール
東京音楽大学代表
穴井 里依香 Anai Rieka
幼少期にピアノを習い、12歳よりサクソフォーンを始める。大学在学中に声楽を始める。 学業の傍ら各地でボランティアやリサイタルの演奏活動を続け、小中高生へ吹奏楽の楽器指導も積極的に行う。 これまでにサクソフォーンを小沼理恵、小串俊寿、原博巳、本堂誠の各氏に師事。室内楽を小沼理恵、小串俊寿、波多江史朗、原博巳の各氏に師事。声楽を星洋二に師事。 《Amie saxophone quartet》バリトンサクソフォーン奏者。
穴井 里依香 さんが所属するカルテットはこちら
●Amie Saxophone Quartet
メンバー Sop.川田詩恵奈 Alt.甲斐野乃香 Ten.渡辺由里子 Bar.穴井里依香
下記SNSにて出演情報を配信中!
Twitter▶︎ twitter.com/amiesax4
Instagram▶︎ Instagram.com/amiesax4
武蔵野音楽大学代表
金澤 ニコラス Nikolas Kanazawa
12歳よりサクソフォーンを始める。武蔵野音楽大学附属高等学校を経て、現在同大学ヴィルトゥオーソ学科4年次在学中。サクソフォーンを大瀧夏海、栃尾克樹の両氏に師事。室内楽を住田立夫、宮下英士、高久進、林田祐和、栃尾克樹の各氏に師事。第23回、25回浜松国際管楽器アカデミーにてO.マーフィーのマスタークラスを受講。 日洪外交開設150周年式典、ハンガリー・ジュール・フィル・管弦楽団演奏会にてコダーイ作曲組曲「ハーリ・ヤーノシュ」で共演。附属高等学校卒業演奏会、第19.21回、附属高等学校在校生と新卒生によるコンサート、第11回国立音楽大学附属高等学校主催招待演奏会他、多数の演奏会に出演。第9回横浜国際音楽コンクールサクソフォーン部門高校の部第1位。第3回Kサクソフォーンコンクール奨励賞受賞。平成26.27年度、令和元年度福井直秋記念奨学金受給生。
●武蔵野音楽大学ヴィルトゥオーゾコース有志による室内楽コンサート 音の玉手箱
日程:2月27日(木)
開場:18:30
開演:19:00
会場:三鷹市芸術文化センター 風のホール
チケット代:一律1,000円(全席自由)
●武蔵野音楽大学サクソフォーンアンサンブル演奏会
日程:3月1日(日)
開場:17:30
開演:18:00
会場:川口総合文化センターリリア 音楽ホール
チケット代:前売り900円 当日999円(全席自由)
東京藝術大学代表
蒙 和雅 Kazuya Monh
愛知県出身。12歳よりサクソフォンを始める。 第24回日本クラシック音楽コンクール サクソフォン部門高校の部第2位(最高位)。日本サクソフォーン協会主催第17回ジュニア・サクソフォンコンクール第1位。第22回神戸新聞松方ホール音楽賞 木管楽器部門 奨励賞受賞。藝大フィルハーモニア管弦楽団と共演。学部3年時に学内にて安宅賞受賞。 サクソフォンを平井尚之、堀江裕介、林田祐和、大石将紀、有村親純、須川展也の各氏に、室内楽を須川展也、貝沼拓実、本堂誠の各師に師事。 またアルノ・ボーンカンプ、アレクサンドル・スーヤ、ジェローム・ララン各氏のマスタークラスを受講。 愛知県立明和高等学校音楽科を経て、東京藝術大学音楽学部4年在学中。 来年度より同大学大学院に進学予定。 公益財団法人青山音楽財団2019年度奨学生。
●第27回東京藝術大学サクソフォーン専攻生による演奏会
日程:2月17日(月)
開場:18:30
開演:19:00
会場:東京文化会館 小ホール
チケット代:前売り1,200円 / 当日1,500円
予約: geidaisax@gmail.com
●第7回公益財団法人青山音楽財団 奨学生成果披露演奏会 若き音楽家たちによる音の祭典
日程:Vol.1 3月14日(土) / Vol.2 3月15日(日) / Vol.3 3月22日(日)
開場:14:30
開演:15:00
会場:青山音楽記念館 バロックザール
チケット代:無料(要事前予約)
予約: ウェブサイトまたは郵便はがき(画像参照)
※本コーナーにご登場いただいた蒙和雅氏は 3月14日(土) 開催のVol.1に出演されます。
●東京藝術大学音楽学部 同声会新人演奏会
日程:4月11日(土)
第一部(古楽・ピアノ・弦楽器)開場:14:30/開演:15:00
第二部(邦楽・管打楽器・声楽)開場:17:30/18:00
会場:東京藝術大学 奏楽堂
チケット代:2,000円
予約: kzy.sx.maumau@gmail.com(蒙和雅)