特集 マウスピース定番2ブランド徹底検証!! メイヤー&バンドーレン
サックスを吹くための最重要パーツであるマウスピース。今回は「Meyer」と「Vandoren」という二つの名ブランドを取り上げ、そのクオリティを再検証する。テスターを務めてくれたのは、ジャズ系の代表として津上研太氏、クラシック系を代表して原博巳氏という日本を代表する実力者二人。じっくりと検証してもらった。
サックスを吹くための最重要パーツであるマウスピース。素材や形状など様々なタイプがあり、海外、国内を問わず新たなメーカーも次々に誕生し、モデル数はもはや数限りなくある。そんな中にも超定番と呼ばれ不動の地位を築いているブランドがある。
その代表格が、特にジャズ系プレイヤーにとってはお馴染み、ラバー製の代名詞である「Meyer」だろう。この4月に製造元である米インディアナ州バビット社の創立100周年を記念した「New York Model」がラインナップされたことも話題となったばかりだ。
対してクラシック系プレイヤーにとっての大定番と言えば、まずは「SELMER Paris」ということになるだろう。しかし、その対抗馬として、やはり不動の存在であり続けるブランドがある。それが「Vandoren」だ。
今回は「Meyer」と「Vandoren」という二つの名ブランドを取り上げ、そのクオリティを再検証する。
テスターを務めてくれたのは、ジャズ系の代表として津上研太氏、クラシック系を代表して原博巳氏という日本を代表する実力者二人。じっくりと検証してもらった。(撮影協力:野中貿易株式会社、イシバシ楽器 御茶ノ水WINDPAL本店、ミュージックライフTAO)
本編に進む前に「マウスピース各部の名称」をおさらいしておこう。
まずは、ビギナーからトップ奏者まで、ジャズ演奏を志すプレイヤーの定番とされる“Meyer”マウスピースから。今回は現行モデルに加えて、比較対象の視点から、現在では入手することが難しいヴィンテージのニューヨーク・メイヤーと、1995年に限定発売された80周年記念モデルもラインナップした。試奏をジャズをベースに幅広いフィールドで活躍する津上研太さんにお願いした。
津上研太が試奏したマウスピース9モデル
クラシック系のプレイヤーにとっては“Selmer”に次いで、マウスピースの選択肢のひとつとして常に名前が挙がるのが“Vandoren”だろう。華々しいコンクールでの受賞歴も持つ日本を代表するクラシカル・サクソフォン奏者である原博巳さんが試奏してくれた。
原博巳が試奏したマウスピース10モデル
● 次のページに続く
・津上研太が徹底試奏!!ジャズ系マウスピースのKING of KINGS「メイヤー」Meyer
・原博巳が徹底試奏!! クラシック系マウスピースのAnother Champion「バンドーレン」Vandoren
● 合わせて読みたい!
・マウスピースの基礎知識をおさらい>「マウスピース各部の名称」
学生時代より大友義雄氏(Sax)、ジョージ大塚氏(Ds)に師事し、1987年ジョージ大塚WE THREE、古澤良治郎パパラッコバンドでプロデビュー。以来、古澤良治郎(Ds)、山下洋輔(Pf)、綾戸智絵(Vo)、中本マリ(Vo)、忌野清志郎(Vo)、坂田 明(Sax)、上々颱風、ゴンチチ、大友良英(Gt)等共演したミュージシャンは多数。現在は渋谷 毅orchestra、菊地成孔DC/PRG、清水くるみバンド、村田陽一orchestra、市野元彦Time Flows quartet等、多岐にわたるグループやセッションで活動中。また2000年夏に旗揚げしたリーダーバンド「BOZO」では作曲・編曲を手がける。
東京ミュージック&メディアアーツ尚美(現 尚美ミュージックカレッジ専門学校)、東京藝術大学音楽学部別科を首席で修了。第十三回日本管打楽器コンクール、第三回アドルフ・サックス国際コンクール優勝。洗足学園音楽大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校、東京音楽大学の非常勤講師をつとめている。これまでに、CD「森の静けさ」、「PCF」、「レチタティーヴォ・ファンタジア」をそれぞれカフアレコードからリリース。ブログ「hiroshi hara: saxophoniste ~日々の思考の断片~」を2006年より毎日綴っている。