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難易度: 5演奏時間: 約 6分15秒
印象主義の作曲家とみられがちのモーリス・ラヴェル(1875-1937)ですが、この「クープランの墓」では18世紀古典主義の様式を模した古典組曲として1914年から着手されたものの第一次世界大戦のため中断、復員後の1917年に6曲からなるピアノの為の組曲として完成しました。各曲が戦線に散った友人たちに捧げられていますが、ラヴェル自身、感情を生のまま表へ出す事を好まなかったので、静謐で古典的なたたずまいの中に哀悼の意を込めたエレガントなレクイエムとなっています。のちに6曲にうち2曲が省かれ、4曲がラヴェル本人によりオーケストラ版に編曲されています。今回の編曲は、古典的な前奏曲の様式にしたがい、クラヴサン(チェンバロ)音楽を思わせる装飾音を終始用いている為、ラモ-やスカルラッティなどの作品を想起させる「プレリュード」と、元は17世紀に南フランス、プロヴァンス地方で生まれた4分の2拍子の舞踏曲で、ハ長調の活気にあふれた冒頭部と、ハ短調で始まる牧歌的でゆるやかな部分との対比が絶妙に美しい「リゴードン」の2曲をクラリネット6重奏にしました。東京は杉並にある東京立正高等学校により、アンサンブルコンテスト用に委嘱され、2007年に書いたものです。演奏上の注意Bassクラリネットのパートは、最低音が実音B♭になる、いわゆるlow Cの楽器を想定しています。もしlow E♭の楽器で演奏される場合、オクターブ上の音に変更したりするとAltoクラリネットの音より高くなり、和音の配置上問題が生じるので、ベルの中に食品用ラップフィルムやアルミホイル等の芯を入れるなどして低い実音Cを出すよう対処して下さい。(木村健雄)約6'15"
定価: 3,570円 (税込)
「クープランの墓」より 前奏曲、リゴードン