大人のオケスタ!~定番曲はこう攻める~
トランペットが活躍するのはクラシックだけじゃない!というわけで本誌流に4つのジャンルを設定。それぞれのプロフェッショナルに、それぞれのジャンルの定番曲の攻め方をにお聞きした。
オケスタ、正式にはオーケストラ・スタディ。トランペットだけじゃなくて、オーケストラで使用されるほとんどの管楽器用に、古今東西の名曲から、その楽器ごとの名場面が編集された練習曲集が、そう呼ばれる。しかし、トランペットが活躍するのはクラシックだけじゃない!というわけで本誌流に4つのジャンルを設定。それぞれのプロフェッショナルに、それぞれのジャンルの定番曲の攻め方をお聞きした。(構成:埜田久三朗)
オーケストラ編
ベートーヴェンの4分音符
解説:谷津謙一
オーケストラ編
ベートーヴェンの4分音符
解説:谷津謙一
日本オーケストラでは残念ながら古典派の音楽を演奏する機会は多いとは言えません。第九は別として、それはベートーヴェンも言えることです。ベートーヴェンが旺盛な作曲活動を見せていた頃には、まだ金管楽器にバルブは搭載されていなかった。当然、彼が残した9つの交響曲のトランペットパートは自然倍音だけで構成されている。つまりは開放で吹けるドミソ……が中心。初心者でも吹けそうに思えるシンプルさの裏には、難しい世界が潜んでいます!ベートーヴェンにおける4分音符の難しさに着目して解説してもらいます。
解説曲目:交響曲第4番一楽章/交響曲第2番一楽章/エロイカ(交響曲第三番)三楽章/交響曲第9番/ヴァイオリン協奏曲
吹奏楽編
アルメニアン・ダンス パート1
解説:本間千也
吹奏楽編
アルメニアン・ダンス パート1
解説:本間千也
吹奏楽の巨匠アルフレッド・リードがアルメニア民謡を独自のセンスで編集した組曲。1972年にパート1がサム・フォックス社から、パート2は1978年にバーンハウス社から出版された。今回は単一楽章のパート1をとりあげます。華やかなファンファーレが冒頭を飾る曲、まずはトランペット・セクションの力強く輝かしいサウンドをコンサートホールの隅々まで響き渡らせたいですね。
解説部分:冒頭から8小節目までのトランペット3パート、1st コルネットの44・45小節目、381小節目から14小節間のコルネット1st &2nd
ホーンセクション編
AGAKI
解説:兼崎“ドンペイ”順一
ホーンセクション編
AGAKI
解説:兼崎“ドンペイ”順一
1979年から1981年まで……わずか2年間の活動期間ながら、今もなおトランペット奏者のあいだに高い人気を保っている伝説的なバンド「スペクトラム」。際立ったアレンジセンスと高い演奏技術で「司令塔」として活躍した兼崎順一。「ドンペイ」さんの愛称をもつ彼に、ホーンセクションの代表として「スペクトラム」の難曲の裏側をお聞きしました。
一番アマチュア向きじゃないけれど、だからこそ、練習するのは意味がある曲として「AGAKI」のフレーズを課題に選んでいただきました。難関だという8小節にぜひ挑戦してみては。
ビッグバンド編
Corner Pocket
解説:木幡光邦
ビッグバンド編
Corner Pocket
解説:木幡光邦
カウント・ベイシーはビッグバンドをやるなら一度は必ずやっているはずだし、また一度はやっておいてほしい基本レパートリーのひとつだと思います。その中でもこの曲と、『ベイシー・ストレート・アヘッド』の2曲は基本中の基本。4ビートの面白さ、ビッグバンドの気持ちよさ、ソロを吹く楽しさやコンピング(伴奏)の楽しさなど、あらゆる要素がぎっしりつまっています。
解説部分:テーマ部分「サックス・セクションの合いの手」、8分音符のスウィング、トランペット・セクションのユニゾン部分、サド・ジョーンズのソロ、ジョー・ニューマンのソロ
本編はTHE TRUMPET #05にてお楽しみください!
谷津謙一 | 本間千也 | 兼崎“ドンペイ”順一 | 木幡光邦