ファーガソンに学ぶ オレ流ハイノートヒッターの育て方
トランペット吹きなら誰でも一度は夢見るハイノートヒッター。ハイノートヒッターの代名詞でもあるメイナード・ファーガソンに憧れて鍛錬を積み、その頂に到達した本邦の名手に話を聞き、その秘技を探る。
トランペット吹きなら誰でも一度は夢見るハイノートヒッター。しかし、そこに辿り着くのはごくわずかな選ばれし者たちだけ、と思って諦めている人も多いのではないか。そこで今回は、ハイノートヒッターの代名詞でもあるメイナード・ファーガソンに憧れて鍛錬を積み、その頂に到達した本邦の名手に話を聞き、その秘技を探る。
(文:埜田九三朗)
「成層圏」での本格的な「飛翔」は、憧れから始まった
〜Atsuki(FIRE HORNS)
そもそも、金管楽器のアマチュアへの指導においては先述の第16倍音以上の「ダブル」領域はおろか、そのオクターブ下の第8倍音前後の音域について語られることは少ない。初心者には「難しい」音域とされ、先輩が後輩をゲンコで指導する、といった昔かたぎの「ど根性吹奏楽」では、初心者がそのあたりに挑戦しようものなら「百年早い!」と、はてしなくぶっ飛ばされたものである。ところが、いまや当代きっての美しいハイノートヒッターのひとりであるAtsukiがまさに「成層圏」への切符を手に入れたのは、まさにそのようなやり方からだった、とご本人は語る。
ファーガソンのサウンドを追求して15年
〜三宅コージ(MFTB)
横浜を中心に活動するMF Tribute Band(MFTB)は、三宅コージがリーダー&MFパートを務める、文字通りの「MFトリビュート」なバンド。MF自身のバンド編成 ("Maynard Ferguson & Big Bop Nouveau" と1970年代の"the MF Band")を基本として、MFの楽曲だけにこだわる「アマチュアバンド」として国内はもとより海外からも注目を集め、結成の翌年にはMF本人からも公認された。通常のビッグバンド編成より少ない14人編成で、トロンボーン奏者がヴァルヴ付きのスーパーボーンを使用している点でもMF のスタイルを踏襲している。そして何よりも、MFそのものが憑依したのでは……と思えるほどの三宅の演奏は圧巻だ。そんな三宅も、ハイノートだけを取沙汰されることに関しては否定的だ。
本編はTHE TRUMPET #06でお楽しみください!