トランペット吹きのための基礎練習|松木亜希
もしも楽器を自由自在に演奏できたら……それは本当に楽しいことですよね。そのためには練習をして、さまざまな技術を身につける必要があります。トランペットは、すべてが息と唇次第です。その感覚を研ぎ澄ますために、毎日できる基礎練習を用意しましたので、ぜひ練習に取り入れてみてください。
松木亜希さんによる基礎練習講座をTRUMPET ONLINEでは抜粋してご紹介します! 全文はTHE TRUMPET vol.8をご覧ください。
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著者:松木亜希(まつぎあき)
武蔵野音楽大学、アムステルダム音楽院卒業。ノルテ管弦楽団(ポルトガル)首席奏者を経て、国内初の女性首席トランペット奏者として2017年から東京シティ・フ ィルハーモニック管弦楽団に所属。トランペットを中山園、橋本洋、フリッツ・ダムロウの各氏に、バロックトランペットをフリーデマン・イマー氏に師事。第1回ルーマニア音楽コンクール管楽器部門第2位。アフィニス夏の音楽祭(2016、2018)に参加。音楽雑誌バンドジャーナル2018年度のトランペットワンポイトレッスンを執筆。金管合奏団「宴」、「Trio AUBE」、「TAN BRASS」、金管五重奏「MIYABI」の 各メンバー。オフィス諷雅アーティスト。
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Basic1 │ マウスピースでの練習
譜例1の1小節目の和音をピアノなどで弾き、その音を聴きながら正確に音程を取ってマウスピースだけで音を出してみましょう。そのとき、マウスピースは握りしめるのではなく、2、3本の指で支えるように持ちましょう。
2小節目はノーアタック(音の吹き始めに舌を使わない奏法)で吹きましょう。唇を閉じた状態で息を吹き込むと、上唇と下唇が離れる 瞬間に「Pu」という音が出ます。これをきれいに出せるようにすることで音の初速の確認にもなりますのでぜひ活用してみてください。(後略)
譜例1
Basic2 │ ロングトーン
演奏を紅茶に例えてみます。
紅茶を淹れるとき用意するのはメインとなる茶葉はもちろんですが、ほかにも風味を変えるための砂糖、ミルク、レモンなど色々ありますよね。でもその味付けをされている水がとても大事。どんなにおいしい茶葉を用意しても水が腐っていたらおいしい紅茶はできません。
リップスラーやタンギング、アーティキュレーションなどの練習は上達に欠かせないものですが、これは茶葉や砂糖、ミルク、レモンと同じ味付けや風味付けのためのもの。ロングトーンは水である自分の音を作る練習です。おいしい紅茶を作るため、おいしいお水を作りましょう。
Basic3 │ 音域を広げる練習
譜例3はアタックの付いている音にしっかりと息を吹き込んでください。吹き込むときは、まるでトランポリンで跳ねる前にぐっと踏み込むようなイメージで、そこから後に続く音は体をリラックスさせてよく響かせることを意識しましょう。1小節目はすべての音を曇りなく、しっかり鳴らして音程を取りましょう。難しくても毎日チャレンジしてみてください。徐々にコツが掴めてくると思います。2小節目の2分音符は、1小節目の半音階のうち、しっかり鳴らせるできるだけ低い音にしても構いません。
譜例3
※お詫びと訂正
本誌P35に掲載しました譜例3につきまして、間違いがございました。各段3~7小節の4分音符すべてにアクセントが付いていますが、正しくはスラーの頭のみ(各小節1拍目のみ)となります。お詫びして訂正いたします。
続きはTHE TRUMPET vol.8をご覧ください。