NuEVIという楽器をご存知ですか?
NuEVIは、トランペット運指で演奏できる電子管楽器、ウインド・コントローラーです。自宅録音、ライブはもちろん、パソコンのDTMソフトと合わせて使用すれば、演奏情報のプログラム打ち込みや、音を変えたり、エフェクトを可変させる等、様々なコントロールが可能。音楽制作の強力なツールとなることでしょう。
これはトランペット運指で演奏できる電子管楽器、ウインド・コントローラーなのです。
(文:鈴木功)
NuEVIは、Berglund Instruments(ベルグランド・インストゥルメンツ)というスウェーデンの楽器ブランドの製品で、オーナーのJohan Berglund (ヨハン・ベルグランド)が設計、日本のチームメンバーと共同で一本一本手作りしています。オリジナルの開発は1970年代。アメリカ人の天才エンジニア、Nyle Steiner (ナイル・スタイナー)によりSteinerphone(スタイナーフォン)が開発された当時までさかのぼります。ナイルはプロ・トランペッターでもあり、当時バーバラ・ストライザンドなどのセッションプレーヤーとして活躍していました。そんな彼が、自分で使用する目的で、トランペット運指で演奏できる電子楽器スタイナーフォンを手作りしました。これは AKAIがライセンスを受け1987年に量産したEVI(イーヴイアイ)の原型になります。また80年代に入り、マイケル・ブレッカーの強い要望でサックス運指のEWI(イーウィ)がナイルにより開発され、こちらは今でもウインドシンセの中心的モデルとして世界中に多くのユーザーがいます。このNuEVIにも、サックス運指の「NuRAD ニューラッド」(写真1)というモデルがあり、こちらも絶賛販売中です。
NuEVIは本体上面にあるタッチ・キィ(写真2)を使用してトランペット運指で演奏します。オクターブは左手で下面にあるローラーを使って可変させます(写真3)。通常マウスピースは樹脂製の口でくわえて息を吹き込むタイプ(写真4)ですが、オプションでPLA製のトランペット型マウスピース(写真5)も用意していますので、よりトランペットに近い感覚で演奏することが可能です。
- (写真2)
- (写真3)ローラーを使ってオクターブの上・下が可能
- (写真4)
- (写真5)
重量をより軽量にするために、本体には音源を内蔵せず、外部シンセサイザーやパソコン音源と接続して使用します (MIDIとUSBを標準装備)。難しいセッティングは不要、自分に合った基本的な設定が済めば、あとはMIDIやUSBケーブルと音源を接続するだけで演奏可能ですので、自宅録音、ライブの両方で安心して使用可能です。また応用編としてパソコンのDTMソフトと合わせて使用すれば、演奏情報のプログラム打ち込みや、音を変えたり、エフェクトを可変させる等、様々なコントロールが可能。ステイホーム音楽制作の強力なツールとなることでしょう。
オプションで、ヴィンテージシンセをコントロールするCV出力、演奏感の高いステンレス・スティールローラーが用意されています。標準色はObsidianと呼ばれるブラックですが、ブルー系、レッド系、紫系など、さまざまなカラーオプションがあります(写真6)。 また近く、ウインドシンセ奏者界隈ではよく知られるショップGarage99と共同でレーザーカット・カスタム制作するアクリル・トップパネルをオプション導入予定(写真7)。自分仕様のNuEVIを持つことができます。また国内では島村楽器新宿PePe店さんにカラーオプションを含めた展示機がありますので、一度足を運んでいただければ実機に試奏していただけます。
- (写真6)ベーシックモデル170,500円(税込)より
- (写真7)Garage99のカスタムパネル仕様のNuEVI。マウスピースもオプションのdBマウスピースを装着。
1984年、赤井電機入社、Akai Professional 創世記より企画、販売に携わる。Akai Professionalが赤井電機から独立した際、Akai Professional代表取締役就任。2006年自社のコウスキミュージック創設。また2012年Native Instruments Japanの創設に携わり、2019年まで代表取締役としてコウスキミュージックと兼務。2020年よりBerglund Instrumentsの国内導入に携わり現在に至る。
【ご購入、お問い合せ】
コウスキミュージックアンドサウンド https://www.kohske.com
島村楽器新宿PePe店 https://www.shimamura.co.jp/shop/shinjuku