日本トランペット界の頂上対談が実現!
創刊号にふさわしいビッグな対談が実現した。NHK交響楽団で長きにわたって首席奏者を務め、後進の育成にも貢献されてきた北村源三氏と、日本のみならず世界をフィールドにジャズ界をリードし続けてきた日野皓正氏。異なるジャンルで活躍してきた二人だが、意外にも今回が初対面ではなかった。数十年ぶりの再会は、懐かしい話で盛り上がると共に、現在も精力的に活動するトランぺッター同士の熱い魂の交流の場となった。
(写真:土居政則)
お互いのジャンルの名曲を交換しての共演
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・我流でトランペットの奏法をマスターした時代
・世界に通用する気迫を教えたいから「一音に命を張れ!」
・留学先のウィーンで、ゼロからのスタート
・ダンスで培ったビート感が、アメリカ進出のカギ
・現在進行形で夢を追い続ける
日野皓正
9歳でトランペットを始め、13歳の頃には米軍キャンプのダンスバンドで活動を始める。1967年の初リーダーアルバムをリリース以降、“ヒノテルブーム”と騒がれるほどの絶大な注目を集める。1975年にNYへ渡り居をかまえ、数多くのミュージシャンと活動を共にする。1989年、ジャズの名門レーベル“ブルーノート”の日本人初の契約アーティストとなり、アルバムは大好評を博す。これまでに芸術選奨「文部科学大臣賞」、文化庁芸術祭「レコード部門優秀賞」、毎日映画コンクール「音楽賞」を受賞。2004年に紫綬褒章を受ける。2013年には、自身のレーベル「J LAND」を立ち上げ「Unity-h factor」をリリース。近年は国内外での演奏活動の他、チャリティー活動や後進の指導にも情熱を注いでいる。
北村源三
京都府生まれ。東京芸術大学在学中に第27回日本音楽コンクール管楽器部門第1位入賞。卒業と同時にNHK交響楽団に入団、以後25年間に渡って首席奏者を務めた。1962年ウィーン国立アカデミーに留学、ヨゼフ・レボラ(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席トランペット奏者)に師事。1991年にN響の第11回有馬賞を受賞。教育者として国立音楽大学、東京芸術大学などで後進の指導にあたり、日本のトランペット界に大きな影響を与えた。N響退団後もソロやアンサンブルで数多くのコンサート活動を行ない、2011年にはアルバム「Con Spirito」をリリース。演奏活動を通じて国内外に多くの知己を持つ。