SUGIZOと類家心平が語るこれからの音楽のカタチ
“最もエクストリームな2020年代のジャズ・ロック”をコンセプトに、12年ぶりに再始動したSHAG。インプロヴィゼーションを中心としたジャムバンドを率いるのは、LUNA SEA、X JAPANのギタリスト/ヴァイオリニスト SUGIZOだ。そして当代随一のインプロヴァイザーであるトランペッター 類家心平が、SUGIZOワールドに彩りを加えている。実はSUGIZOはギター、ヴァイオリンだけでなく、トランペットともとても深い縁があり、このたび対談が実現した。
ヘアメイク:酒井夢美/写真:井村重人/撮影協力:アーニーズ・スタジオ/取材協力:株式会社ESP
表現のためのツールを探す旅
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実際に楽器を手にしたきっかけは小学校の鼓笛隊ですね。全員が鼓笛隊で何かしら楽器をやらないといけなかったのですが、希望者は花形の楽器を選べることわかり、トランペットをやりたいな、と。中学の頃からジャズに興味を持つようになって、高校時代にはマイルス(・デイヴィス)にノックアウトされて、一時期真剣にトランペットプレイヤーになりたいと思った時期もありました。
中学に入って最初に好きになったのは、ウィントン・マルサリス。1stアルバム「ウィントン・マルサリスの肖像」を出したぐらいの時期です。このアルバムを含めて、マイルスなどジャズのレコードがたくさん家にあったのですが、父はとても厳格な人で、ジャズはアコースティックなもののみで、電気楽器は絶対に認めませんでした。僕がYMOに傾倒してシンセサイザーにハマったときに「あんなものは楽器じゃない!」と激怒するほど保守的で頑固な父親でした。
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・100点満点のトランペットプレイヤー
・一流のメンバーがそろった新生SHAG
・音楽シーンに対しての新しい一歩
・一つの音に込められる情報量の多さ
類家心平
青森県八戸市生まれ。高校卒業後海上自衛隊大湊音楽隊でトランペットを担当。6年間勤務し退官後に上京。高瀬龍一氏にジャズトランペットを師事。2004年SONYJAZZから「urb」でデビューする。その他「菊地成孔ダブセプテット」や「DCPRG」に参加しフジロックフェスティバル等の出演で注目を集める。 自身の名義では「RS5pb」を率いて活動。海外のジャズフェスティバルにも参加し高い評価を受ける。またピアニスト中嶋錠二とのデュオのアルバム「N.40°」を2014年にリリースしその後のライフワークとして現在も精力的に活動中。
その他に「LUNA SEA」のギタリストSUGIZOが率いるユニットにも参加。また山下洋輔や板橋文夫、森山威男などベテランジャズミュージシャンとの共演も多数。またジャズを題材としたアニメと劇場版の「坂道のアポロン」では劇中のトランペットを担当するなど活躍の幅を広げている。
[演奏]RS5pb (Ruike Shinpei 5 piece band)〈類家心平(Tp)、田中TAK拓也(Guit)、中嶋錠二(fender rhodes)、鉄井孝司(Bass)、吉岡大輔(Ds)〉
[収録曲]Civet、Soma、Vida、Danu、Lady Jane、haotic Territory 1
※e-onkyo music、apple music、spotify、amazonなどで好評配信中
2013年にリリースされたRS5pbの1枚目となるアルバム「4 AM」でもライヴ録音作品を発表し高い評価を得たが、それから7年の月日を経て、よりバンドとしての充実度が増したボーダーレスなサウンドを味わえる作品に仕上がっている。
精緻な映像と迫力ある演奏が魅力の本作は、音のすべてを知り尽くしたいつものレコーディング・エンジニアによる高音質な録音と、さらには4Kによる高品位な撮影映像により実現。
SUGIZO
作曲家、ギタリスト、ヴァイオリニスト、音楽プロデューサー。 日本を代表するロックバンドLUNA SEA、X JAPANのメンバーとして世界規模で活動。 同時にソロアーティストとして独自のエレクトロニックミュージックを追求、更に映画・舞台のサウンドトラックを数多く手がける。
昨年、サイケデリック・ジャムバンド SHAGを12年振りに再始動。
音楽と平行しながら平和活動、人権・難民支援活動、再生可能エネルギー・環境活動、被災地ボランティア活動を積極的に展開。アクティヴィストとして知られる。
http://sugizo.com
【SPTC1009】Sephirot
[収録曲]Nova Terra、Childhood’s End、A Red Ray feat. miwa、追憶、ENDLESS ~闇を超えて~ feat. 大黒摩季、The Gates of Dawn、Mindfulness、CHARON ~四智梵語~、光の涯 feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)、So Sweet So Lonely
コロナ禍で分断が加速し、利己主義の果てに疲弊しきっている現代社会。SUGIZO3年ぶりとなるオリジナルアルバムは、傷付いた人々の心に優しく浸透する聖水のようなヒーリングミュージック。縄文の利他的な平等社会にインスパイアされ、見出したのが『愛と調和』という主題。本作は、ポストパンデミックの新しい世界を見据えた救済のアンビエントである。