セルゲイ・ナカリャコフ来日インタビュー&公開講座レポート
本誌前号vol.13で表紙およびCover Storyに登場してくれた、トランペット界のシンボルとして「王子」「貴公子」と称賛され続けるセルゲイ・ナカリャコフ。そんな彼が前号発売と時を同じくして音楽祭「サントリーホールARKクラシックス」への出演で来日を果たした(公演レポートは本号P56-57)。そこで本誌では初の対面インタビューを敢行。同タイミングで開催されたマスタークラスにも潜入した。
(インタビュー・文&レポート:渡部祐也/取材協力:エイベックス・クラシックス・インターナショナル)
様々な編成で日本の精鋭と共演した「サントリーホール ARKクラシックス」
(以下N)
2番目のコンサートは「デュオの魅力」と銘打たれ、ピアニストの髙木竜馬さんとモーツァルトの『ヴァイオリン・ソナタ 第21番』、そしてシューマンの『アダージョとアレグロ』を演奏しました。
そして次は「ARK BRASS」との共演でした。この音楽祭のために集結した日本最高の演奏者たちと、バッハ『G線上のアリア』、ベーメ『タランテラ』の2曲を素晴らしいアレンジで演奏することができました。
この音楽祭最後の出演となった「クロージング・ナイト」でも2曲演奏しました。髙木竜馬さんとはフランスの女性作曲家リュエフの『ソナチネ』、昨年も共演した辻井伸行さんとはアーバンによる『ベッリーニのノルマの主題による変奏曲』を演奏しました。 ARKクラシックスは世界中の多様化する音楽を体験できるイベントだと感じました。そしてホールの外に大きなスクリーンが張られ、無料でライブ・ビューイングを楽しめたというのも素晴らしい試みだったと思います。
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・受講生2人が聞いていて楽しくなるような演奏を披露してくれた特別公開講座
・2つの声であるトランペット&フリューゲルと奥義である循環呼吸について
セルゲイ・ナカリャコフ
ロシア生まれでイスラエル国籍のトランペット奏者。誰にも真似のできない超絶的な演奏テクニックとビードロのような美しい音色から「トランペット界のパガニーニ」、「トランペット界のカルーソー」とも呼ばれる。レパートリーは幅広く、トランぺットのためのオリジナル曲 はもちろん、ヴァイオリンのための超絶技巧曲やフリューゲルホルンによるチェロやホルンのための作品演奏でも高い評価を受けている。中でもクラリネット奏者で作曲家でもあるヴィトマンが、彼のために作曲した作品は循環呼吸や超絶的なタンギングを多用したトランペットの限界を超えた衝撃的な作品で、彼の類い稀な実力と評価を不動のものとした。これまでに世界的に著名な指揮者やソリストとも多数共演し、CDも数多くリリースしており、本人名義のCDはもちろんのこと、アルゲリッチとの共演による協奏曲や室内楽曲のCDも高く評価されている。ARレゾナンス社製のトランペットとマウスピース、アントワーヌ・クルトワ社製のフリューゲルホルンを使用。
オフィシャルサイト https://www.nakariakov.info/
2024年セルゲイ・ナカリャコフ 来日スケジュールが決定!
■山形交響楽団 第319回定期演奏会
9月7日(土)、8日(日) 山形テルサホール
https://www.yamakyo.or.jp/concert?new=202409&calendar-pos=-1&calendar=2023-11&tab06=2&tab05=2&tab01=1&tab08=27&tab04=3&tab07=1&tab09=3&tab02=2
■読売日本交響楽団 第39回大阪定期演奏会
9月11日(水) フェスティバルホール
https://yomikyo.or.jp/concert/2023/12/39-1.php
■第675回名曲シリーズ
9月13日(金) サントリーホール
https://yomikyo.or.jp/concert/2023/12/675.php
■オーケストラ・アンサンブル金沢 金沢定期公演
9月22日(日) 14:00
石川県立音楽堂コンサートホール
■名古屋定期公演
9月24日(火) 19:00
愛知県芸術劇場コンサートホール