トランペット記事 ハリウッドのスタジオ・シーンでファーストコールとして名を馳せるレジェンド マルコム・マクナブ
  トランペット記事 ハリウッドのスタジオ・シーンでファーストコールとして名を馳せるレジェンド マルコム・マクナブ
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THE TRUMPET vol.15

ハリウッドのスタジオ・シーンでファーストコールとして名を馳せるレジェンド マルコム・マクナブ

ARTIST

世界的な映画の聖地として知られるアメリカ西海岸のハリウッド。もちろん映画に欠かせない音楽も同地のスタジオ・シーンでのレコーディングされるわけだが、そこで最初に声がかかるトップ・ミュージシャンをファースト・コールと呼ぶ。
そのポジションに半世紀近く就くトランペッターがマルコム・マクナブだ。あの映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムスからも絶大な信頼を寄せられるレジェンドのプライベートな来日をキャッチし、インタビューを敢行した。
(インタビュー・文:櫻井隆章/取材協力:ビュッフェ・クランポン・ジャパン)

父親の職業は何と、映画上映の技師だった!

今年(2024年)の4月、非常に珍しい人が来日していた。世界のトランペット業界で知る人ぞ知る存在であるマルコム・マクナブである。映画音楽(サウンドトラック)の世界では著名な人で、サントラに関わった映画の本数は何と2000本を超えるという。今回は奥さんと息子さんを連れての完全な家族旅行。彼はB&Sトランペットにカスタム・モデルの「EXB」を製作しており、その日本での販売代理店であるビュッフェ・クランボン・ジャパンさんのご協力により取材が可能となった。

彼は1943年3月25日、アメリカは五大湖周辺のオハイオ州クリーヴランドの生まれ。生まれてすぐに西海岸ロサンジェルスに家族と共に引っ越した。面白いのは彼の父親の職業だ。何と、映画上映の技師だったのである。彼と映画の関係は、この頃から始まっていたと言えるだろうか。彼が生まれた40年代は、その前から始まっていた東海岸の大手映画会社が好天での撮影をするために西海岸ロサンジェルス周辺に移動を始めた時期でもあるのだ。
実際の彼は、まぁ話し好き。こちらが一つ質問をすると、その10倍も20倍も喋る。時にはメロディを口ずさみながら、喋る喋る。時代がアチコチ飛びながらも自身の半生を語ってくれた。

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・求められるサウンドによって吹き分けるのも楽しかった
・スピルバーグの映画でも多くをレコーディング
・「ジュラシック・パーク」の音楽はB&Sで演奏した!

 

マルコム・マクナブ Malcolm McNab
1943年3月25日生まれ。米国オハイオ州クリーヴランド出身。生まれて間もなく家族とともにロサンジェルスに転居する。9歳からトランペットを始め、サンフランシスコ バレエ団のツアーや陸軍のウエスト・ポイント・バンドで演奏するようになる。またニューヨーク・フィルハーモニックの首席ウィリアム・ヴァッキアーノとジョン・ウェアと出会い、彼らに個人的に師事した。ロサンゼルスに戻った後、映画音楽業界でキャリアを積み、多くの偉大な指揮者のもとで、多くの憧れのミュージシャンとも共演。2,000を超える映画音楽でレコーディングに参加し、ハリウッドのスタジオ・シーンを代表するトランペット界のレジェンドとなった。また、B&Sトランペットとフリューゲルホルンを愛用する彼は、B&Sの研究開発チームと緊密に協力し、X-LineシリーズのEXBを開発した。

 

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