US発の最先端ジャズを体現する尖鋭トランペッター アンブローズ・アキンムシーレ
19歳でサックス奏者スティーヴ・コールマンのバンド、ファイブ・エレメンツのメンバーに抜擢され、本格的に活動をスタート。2007年にはセロニアス・モンク・ジャズ・コンペティションで優勝し一躍注目の存在となったアンブローズ・アキンムシーレ。
現在までBlue Noteレーベルなどから計8枚のアルバムを発表し、現代ジャズ・シーンにおける最高峰トランぺッターへと登り詰めた彼が、自身のプロジェクトを率いて初めてブルーノート東京のステージに立った。
同じタイミングで本誌初インタビューも実現した。
(インタビュー・文:櫻井隆章/取材協力:ブルーノート東京)
高校生のハイスクール・バンドで初来日し、ホーム・ステイで滞在
まだ一般的な知名度は高いとは言えないが、でも静かに注目を浴びているトランぺッター、アンブローズ・アキンムシーレ。彼が自らのグループを率いて日本公演をブルーノート東京で行なった。二日間だけ、計4回の公演で、筆者が観たのは初日のファーストだったにも関わらず、客席は満員。これには驚いた。彼に注目している人たちがこんなにも多かったとは。早速、その公演の前に楽屋で話を聞いた。
次のページへ続く
・ジョニやコルトレーン、マイルス、ガレスピー、そしてダリからも刺激を受ける
アンブローズ・アキンムシーレ Ambrose Akinmusire
1982年生まれ。ナイジェリアの血を引き、カリフォルニア州オークランド育ち。3歳からピアノを始め、ショパンからビョークまで幅広い音楽性を吸収した。18歳でジョー・ヘンダーソン、スティーヴ・コールマン、ビリー・ヒギンズなどと共演し、19歳でスティーヴ・コールマンのバンドであるファイブ・エレメンツに加入。大規模な欧州ツアーを経験する。その後、南カリフォルニア大学で修士の学位を取るために西海岸に戻る。2007年度、テレンス・ブランチャード、クインシー・ジョーンズ、ハーブ・アルパート、ヒュー・マセケラ、クラーク・テリー、ロイ・ハーグローヴ等が審査員だった“セロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティション”で優勝、同年カーマイン・カルーソー国際ジャズ・トランペット・ソロ・コンペティションでも優勝し、一躍ジャズ界の注目の的となった。2008年にFresh Sound New Talent Labelから「Prelude…To Cora」でデビュー、2011年にブルーノートに移籍し5枚のアルバムをリリース、最新作はノンサッチ・レーベルから昨年にリリースした「Owl Song」。