岸義和&ERIC宮城BIG BANDへの誘い
中学3年生(1964年)のクリスマスの日からプロの道を歩んで60年。
いまも第一線で活躍するベテラン中のベテラン岸 義和さん。
岸さんの発案で、彼がプロになったその年に生まれた60歳のプロフェッショナルが一堂に会し、ともに「60周年」を祝うコンサートが開催される!
(インタビュー・文:榎本孝一郎)
東京オリンピックが大成功した年のクリスマスに……
シンボルマーク騒ぎやらコロナ騒ぎやら、いろんなレベルで世界的な物議をかもした令和のアレではなく、「東京オリンピック」といえばいまだに「1964年!」という人は多い。今も現役で活躍するベテラン・トランペット奏者のひとり岸義和さんは、その年の12月25日に「プロ」として初めての仕事をして、初めてのギャラを手にした。
「正確に言えば26日の明け方でしたけどね(笑)」
初仕事は夜の20時から明け方の3時まで。ギャラは現金で、当時のサラリーマンのざっと3倍近い札束が中学3年生に手渡されたのだった。舞台は、横浜に今もそびえる「マリンタワー」の地下1階にあったナイトクラブ「ブルースカイ」。その数日前、岸さんにトランペットの手ほどきをしたお父様(謙次さん。今年めでたく百歳を迎えた)の元に、緊急でその日に仕事を頼みたい、という連絡が。クリスマスの日の欠員が判明、しかし当時はスマホどころか電話すら普及していなかったから、口づてでヒト探しが始まり、若き岸さんに白羽の矢が立ったのだ。
「楽器は小学生のころから父に手解きを受けていましたし、家にはジャズのレコードがたくさんあってそれ聴いて育っちゃったもんだから、いきなりそのレコードの曲と同じ音楽を演奏する世界に投げ込まれて、嬉しさいっぱいでしたね。学校の吹奏楽部とはまったく違う世界。中学卒業したら、当時から吹奏楽でも有名だった逗子開成高校に行こうかな……と受験勉強を始めてはいたんですが、一晩で当時のサラリーマンの給料の3倍近くを稼げるということをその日に知って(笑)」
受験の準備はすぐにやめて、プロとして生きる道を選んだ。とはいえ、当時も今も、未成年の深夜労働は法律違反。
「もう時効でしょうけど(笑)ええ、年齢詐称してました」
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60th anniversary of debut and 60years old Guy's BIG BAND
[日時]2024年12月3日(火) 開場17:30/開演18:30
[会場]杉並公会堂大ホール(JR中央線「荻窪」駅徒歩10分)
[出演]<岸義和&ERIC宮城BIG BAND> リーダー:岸義和/エリック・ミヤシロ(Tp)、佐々木史郎/三宅コージ/五反田靖/高瀬龍一(Tp)、近藤和彦/白石幸司/右近茂/伴田裕/今尾敏通(Sax)、橋本佳明/中路英明/相川等/山城純子(Tb)、井上祐一(Pf)、安カ川大樹(Bass)、丹ヤスオ(Ds)、司会:石尾和子
[料金]6000円(全席指定)
[問合せ]ダットミュージック
[日時]2024年11月16日(土) 開場10:00(リハーサル)/終演予定15:00
[会場]アビーロード(東武伊勢崎線「蒲生」駅徒歩1分以内)
[料金]演奏参加者4000円/聴衆1000円(それぞれドリンク代別途)
[問合せ]榎本孝一郎(080-3093-1522) bakarappa@yahoo.co.jp
https://kankaraparty.mystrikingly.com/
アルソ出版刊「トランペット・ヒットパレード」など各種カラオケ音源を持ち寄り、楽器でカラオケを楽しむ企画。岸さんともさまざまなシーンで仕事仲間だった数原晋さん(1946-2021)を偲び、彼を慕うアマチュアで結成した「晋遊会」主幹の筆者が企画しました。もちろんゲストとして岸義和さんをお迎えし、参加者にコメントもいただく予定です。終了後には懇親会も予定。よろしければぜひ!