シルキートランペット人気8機種 一挙吹き比べ!
60年以上に亘りプロフェッショナルシーンで唯一無二の存在感を発揮してきたトランペットメーカー、シルキー。抵抗の少なさによるレスポンスの速さ、そしてピッチの正確さを実現するクラフトマンシップにより、多くのプレイヤーに愛されてきた。今回はそのシルキートランペットを愛用するトランペットアンサンブル「ザ・シルキー・ファイブ」のメンバーである高橋敦、田中敏雄、内藤知裕の各氏に、シルキーを代表するB♭管6種、C管2種のモデルについてそれぞれの特徴を語ってもらった。各モデルの特性を熟知する三氏ならではのコメントは必見だ。
(文:渡部祐也)
iシリーズ
伝統を継承し、ブラッシュアップしたシルキーの「スタンダード」
i32 SP
ボアサイズ:ML .460"(11.68mm)
ベル仕様:ML[#2i]4.875"(124.00mm)
イエローブラス (シームレス)
価格:¥528,000(税込)
高橋敦(以下高橋) 伝統的な#2ベルを使用した、従来からのシルキーのよさをそのまま受け継いだ、シルキーのスタンダードモデルと考えていいと思います。シルキー伝統の“音色の輝き”に加え、レスポンスのよさや音程の取りやすさも兼ね備えたモデルですね。
田中敏雄(以下田中) シルキーの楽器はどのモデルもそうですが、楽器の縦の幅(マウスパイプ同士の間隔)を狭く設計することで、その分マウスパイプを長く取り、それが音程の安定に繋がるという創業者レノルド・シルキーの伝統を受け継いでいます。
高橋 その上で、細部に関してはブラッシュアップされているので、現代の音楽に適応できる扱いやすさもしっかりある楽器です。
内藤知裕(以下内藤) i33と比較すると落ち着いた音色で、イメージでいえばオーケストラでもロシア作品のような太く重厚な音色を出したい際には、i33より向いているかもしれません。
i33 SP
ボアサイズ:ML .460"(11.68mm)
ベル仕様:M[#3] 4.875"(124.00mm)
イエローブラス(シームレス)
価格:¥528,000(税込)
田中 高橋さんとシカゴの工場にいった際に、i32にソロイストやHDシリーズで採用している#3ベルを使うのはどうかと提案したことがきっかけで生まれたモデルです。
高橋 元々シルキーは大きめのベルをつけることで音色の幅を持たせるというコンセプトでしたが、現代の楽器は楽器そのものがよく鳴るようになったので、かえって音色感を出しづらくなっていた面があります。そこでよりコンパクトな#3ベルを採用することで、コントロールがしやすく、様々なジャンルに対応しやすくなりました。ポップスも吹かれる吹奏楽の学生さんは、i33のほうが吹きやすさを感じると思います。
内藤 室内楽もソロも吹奏楽も軽やかに吹きたい人はi33、より伝統的なシルキーサウンドを求める人はi32と、自分が何をやりたいかで選ぶのもいいと思います。
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