この季節は爽やかな風に乗せてシティポップを吹こう♪【付属ダウンロード音源連動】

今号もダウンロード形式でお届けする、誌面連動の付属音源。今回のテーマは一昨年のvol.10以来2回目となるシティポップだ。YouTubeなどの動画サイトや各種SNSを媒介に海外のファンからの人気が拡大し続けている70〜80年代の和製ポップ名曲を集めてみた。模範演奏に加えてカラオケ音源も付属しているので、次のページから始まる楽譜を参照して演奏にチャレンジしてみよう！　模範演奏、演奏解説、そして採譜をお願いしたのは、コンボやビッグバンドのジャズからJ-POPアーティストのスタジオやライブでのサポートまで幅広いジャンルで活躍する人気トランペッターの牧原正洋氏だ。次のページでは、レコーディングを終えた牧原氏のインタビューの模様と演奏解説お届けする。

［Track 01 / 05］
君は天然色
大滝詠一

『君は天然色』は大滝詠一が1981年に発表したアルバム「A LONG VACATION」に収録されたナンバーで、アルバム発売と同日にシングルとしてもリリースされました。作曲は大瀧詠一（作家ネームはこの表記）、作詞はかつてのバンドはっぴいえんどの朋友でもある松本隆が手掛けています。カバーはゴスペラーズや藤原さくら他、多数。またCMにも酒類や清涼飲料水をはじめ様々な商品の宣伝に使用されているので、世代を問わずメロディを耳にしたことのある人は多いでしょう。
牧原さんは、曲のイメージにピッタリのブライトでクリアな音色で軽快な演奏を披露してくれました。コントラストをつけた2つのアドリブ箇所も聴きどころです。

［Track 02 / 06］
DOWN TOWN
シュガー・ベイブ

『DOWN TOWN』は、ここ数年で海外リスナーのファンが増え続けているシティポップの主要アーティストである山下達郎と大貫妙子が在籍したバンド、シュガー・ベイブの代表曲です。1975年にリリースした唯一のオフィシャル発売のアルバム「SONGS」に収録され、同日にシングルとしてもリリースされています。作曲は山下達郎、作詞はこの後シュガー・ベイブのメンバーとなる伊藤銀次が担当しています。山下とともにアルバムのプロデュースを手掛けた大瀧詠一のレーベルNAIAGARAからの第1弾リリース作品でもありました。
牧原さんは、巧みなボリュームコントロールでおしゃれにテーマを演奏。またアドリブ・パートではリー・モーガンの名曲『Ceora』のフレーズを忍ばせジャジーに聴かせてくれています。

［Track 03 / 07］
頬に夜の灯
吉田美奈子

『頬に夜の灯』は、やはりシティポップの顔役の一人として海外リスナーから熱い支持を受ける吉田美奈子の人気曲です。東京とニューヨークでレコーディングされた1982年リリースのアルバム「LIGHT’N UP」に収録され、間奏のソロをアルトサックスのデヴィッド・サンボーンが担当していることも当時トピックとなりました。その他、アルバムにはサンボーンを含むブレッカー・ブラザーズのホーンズの参加もあり、日米の豪華メンバーの演奏を堪能できます。作詞、作曲ともに吉田美奈子が手掛けています。
この曲では牧原さんのフリューゲルホルンでの演奏を聴くことができます。ときに囁くように、ときに歌い上げるように、ダイナミックな表現力が圧巻です！

［Track 04 / 08］
SPARKLE
山下達郎

『SPARKLE』は山下達郎が1982年にリリースしたアルバム「FOR YOU」のオープニングを飾るナンバーです。ギター・カッティングではじまるイントロが印象的で、当時その部分を含む冒頭箇所がビールのCMに使用され大人気となりました。作曲は山下本人、作詞は山下とのコンビで数多くの名曲を生み出している吉田美奈子が手掛けています。間奏のアルトサックスは2021年に逝去した土岐英史、その他やはり2021年に逝去した数原晋と、小林正弘がホーンセクションのトランペットで参加しています。
牧原さんは、この曲でもフリューゲルホルンを選択。メロディもアドリブも柔かな音色で爽やかに歌うような演奏を披露してくれました。

［Track 33 / 34］※定期購読者特典ボーナストラック
オリビアを聴きながら
杏里

『オリビアを聴きながら』は、山下達郎や竹内まりや、松原みきらと並び、海外でブームとなっているシティポップの代表的なアイコンとなっている杏里のデビュー曲です。ファーストアルバム「杏里-apricot jam」の先行シングルとして1978年にリリースされました。作詞、作曲はシンガー・ソングライターの尾崎亜美。カバーは徳永英明から最近では上白石萌音までと時代を超えて多数。もちろん尾崎亜美のセルフ・カバーもあり、杏里自身も何度か再レコーディングしている不朽の名曲です。
ミュートの使用も候補として考えたという牧原さんですが、最終的にはサブトーンを用いた演奏をチョイス。メイントーンとサブトーンの使い分けが見事です！

>>牧原正洋さんのインタビュー＆演奏解説へ続きます！

牧原正洋（まきはら まさひろ）
1971年4月13日生まれ。岩手県宮古市出身。武蔵野音楽大学卒業。箱石啓人、福井功、佛坂幸男に師事。大学在学中よりライブ活動を始める。卒業後、花岡詠二（Cl）、酒井潮（Org）、谷口英治（Cl）、榎本秀一（Ts）のコンボ 角田健一ビッグバンド、宮間利之＆ニューハードのビッグバンド、オルケスタ・デル・ソル、須永辰緒プロデュースによるexperience、ジョイフルブラスのメンバーとしても活動。和田アキ子、SMAP、EXILE、八代亜紀、野口五郎、等、日本トップアーティストのサポートメンバーとしても活動し、TV出演、コンサート、紅白歌合戦等にも出演。 また自己のバンドライブ、トランペット及びバンドクリニック、スタジオワークも精力的にこなしている。初リーダー・アルバム『Macky!!!!』を2016年1月発売。セカンドアルバム『SAMURAI』2019年4月発売。

●Live Information
牧原正洋 53th バースデーライブ
［日程］4月14日（日）18:00開場　19:00開演
［会場］赤坂Tonaliteトナリテ
［料金］ミュージックチャージ￥3,500＋テーブル・チャージ￥1.000
［問合せ］赤坂Tonaliteトナリテ
TEL. 03-6441-0362
https://www.akasakatonalite.com

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【収録楽曲】
［B♭譜］『君は天然色』（大滝詠一）［1981］
［B♭譜］『DOWN TOWN』（シュガー・ベイブ）［1975］
［B♭譜］『頬に夜の灯』（吉田美奈子）［1982］
［B♭譜］『SPARKLE』（山下達郎）［1982］
［B♭譜］『オリビアを聴きながら』（杏里）［1978］※定期購読者特典ボーナストラック

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