多種多彩!20世紀のコルネット 〜コルネットを発展させた個性的な名器たち
その発祥の歴史を辿ると19世紀初頭まで遡ることになるコルネット。が、大きな発展を遂げたのは、やはり20世紀に突入してから。百花繚乱に数多くのブランドが立ち上がり、そこから名器が誕生した。主だったところをオンラインでは一部抜粋して紹介する。
その発祥の歴史を辿ると19世紀初頭まで遡ることになるコルネット。が、大きな発展を遂げたのは、やはり20世紀に突入してから。百花繚乱に数多くのブランドが立ち上がり、そこから名器が誕生した。主だったところをオンラインでは一部抜粋して紹介する。(文:水本真聡)
ピストンバルブは、まずコルネットに取り入れられた
まずはピストンバルブ式コルネットの歴史について辿ってみましょう。現代の金管楽器に使われているピストンバルブが本格的に取り入れられたのはコルネットが最初でした。
ピストンバルブと同時期にドイツで考案されたロータリーバルブについては、ドイツ本国ではコルネットそのものが普及しませんでしたが、ロータリーバルブ圏であった東欧やソビエト連邦時代のロシアではロータリーバルブ式のコルネット(写真①)が製作されました。
トランペットの復権でコルネットは新たな時代へ
百年近く続いたコルネット人気も、バロック時代のクラリーノ奏法を再現するために19世紀後半に考案されたピッコロトランペットの台頭を発端に翳りを帯び始めます。
もちろん、その後もコルネットの使用が完全に途絶えたわけではなく、各メーカーは引き続き精力的にコルネットを製作します。19世紀のコルネットは現存数が極めて少なくなりましたが、20世紀以降のコルネットは数は減りつつも入手が可能で演奏に堪えるコンディションの個体も少なくありません。今回は20世紀に登場したピストンバルブ式コルネットをいくつかピックアップして見てみましょう。
LONG CORNET MODEL181 1970年代製
“CLARKE MODE” 1920年代製
“VICTOR” 1930年代製
市場には浸透しなかった変わり種のコルネット
アメリカでは、アーリージャズの誕生とコルネット普及のタイミングがリンクしたことでジャズシーンで人気を博した経緯から、大衆音楽で使用される楽器としての需要が生まれましたが、アメリカの各メーカーがジャズを想定して製作したコルネットはほとんどなく、オーケストラや軍楽隊での使用を想定して製作していたことは意外な事実です。最後は番外編。F.E.OldsのM-5“Mendez”(写真⑦)。
続きはTHE TRUMPET#04でお楽しみください。
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