打楽器奏者・関 聡さん
今回は迷いがちな吹奏楽部での打楽器のことに焦点を当てて、4つのお悩みを打楽器奏者・関 聡さんにアドバイスしてもらいました!
Q1:打楽器パートには楽器がたくさんあります。全員が全員、まんべんなくできるようになったほうが良いですか?
A1:それぞれ得意分野があることはとても良いことだと思います。「打楽器は種類が多い」ということは大前提の話なので、一通りはできなければいけません。
コンクールなどの「ここぞ」というところでは得意な楽器に割り振り、その他のコンサートなどでは少しずつパートを入れ替えてみて、たくさんの楽器に挑戦してみると良いと思います。
Q2:硬いマレットを使ったら硬い音が出るのは実際本当なんですか?
A2:よく指揮者に「そこはもっと硬いマレットで!」とか「高い音がほしいから小さいトライアングルで!」とか言われることありますよね。でも、大事なのは“ どんな音がほしいのか”だと思います。確かに硬いマレットで叩けば硬い音は出るかもしれませんが、響きとのバランスはどうでしょうか? 音ばかりが硬くて、ホールなどの広いところで聴くと響きが損なわれている場合が多く感じます。トライアングルも、ただ小さい楽器にすると響く要素(倍音)が少なくなり、むしろ高い音が出にくくなる場合があります。
まずはマレットや楽器に依存せず、叩き方や奏法、叩く場所などを工夫してみるのはどうでしょうか?
その上でマレットを替えてみる必要があれば色々試してみるのがいいと思います。
Q3:基礎合奏での打楽器パートは、どのように参加をしたら良いですか?
A3:色んな楽器とのハーモニー練習などは管楽器の子たちにとってみれば合奏でしかできない練習なので、打楽器が入ると音色が聴きづらくなるので無理やり参加する必要はありません。
ただ、「あの子こんな音出すんだ」とか「こんなテンポ感なんだ」とか、お互いに特性をわかっていると曲合奏へもスムーズに入れると思うので、日頃基礎の段階から一緒の空間で音を出していけると良いですね。
どう混ざるかは色々やってみていいと思うので例えば太鼓だったら8分音符や16分音符で刻んでみたり、鍵盤だったらハーモニーをなぞってみたり。「一緒に音を出すこと」が基礎合奏の段階からできると良いですね。
Q4:シンバルがとても重く、マーチなど1曲保ちません。どうすれば良いですか?
A4:ただ筋トレをするのも良いですが、シンバルを演奏するのに必要な筋肉はある程度決まっていて、とにかくシンバルを練習することで自然と必要な筋肉はついてくるので、一番効果的だと思います。持ち方の工夫次第で、女性でもシンバルをしっかり固定して支えることもできます。