トランペット奏者がいつもと違う楽器を吹いているのを見たことがある人も多いのでは……? そう、トランペット奏者はコルネットやフリューゲルホルンなどに楽器を持ち替えることがあるのです! しかしコルネットやフリューゲルホルンはトランペットとはまったく別の楽器。楽器をよく知って、持ち替えをバッチリ決めてみませんか? トランペットステーションの林雅彦さんにお話をうかがいました。
A1. B管やE管、C管などがあります。その中でもB管はロングコルネットとショートコルネットに分類されます。ロングコルネットはディキシーランドスタイルのジャズなどで使われていたので“アメリカンタイプ”、ショートタイプは英国式ブラスバンドで使われることが多かったため“ブリティッシュタイプ”とも呼ばれます。
A2.ロングコルネットはベルが長いため音が立ちやすくはっきりします。ショートコルネットはベルが短いので、より丸く、まろやかな音がします。それぞれ、マウスピースも深さや長さの傾向が異なります。マウスピースを買うときは自分の楽器がロングコルネットかショートコルネットか調べてから買いましょう。
A3. また、吹奏楽におけるロングコルネットとショートコルネットの使い分けについてですが、本来アメリカの吹奏楽ではロングコルネットを使用していました。現在はショートコルネットの生産量が増え、比較的入手しやすいためショートコルネットを使うことが主流になっていますが、特にアメリカで作曲された吹奏楽を演奏するときはそのことを頭に入れておくとよいでしょう。逆にイギリスで作曲された吹奏楽曲は原曲が英国式ブラスバンドのために書かれていることも多いので、その場合はショートコルネットが適しているでしょう。
A4.コルネットよりもさらに柔らかく深い音が出るように設計された楽器です。マウスピースもトランペットとは違い、むしろホルンのような深いマウスピースを使用します。そのため高い音は出しづらくなります。
A5.フリューゲルホルンは、ピストンばねがピストンの上についている楽器と下についている楽器があります。ばねの方式が違うとピストンを押すときの感覚も違いますし、また吹込管がバルブケーシングに入る位置も変わります。 また、これはフリューゲルホルンにかぎらずトランペットやコルネットなどでも同じことがいえますが、ベルの材質によっても見た目や音色、吹奏感が変わります。 銅の割合が少ないイエローブラスは見た目の通り黄色く、明るめの音色、イエローブラスより銅の割合が多いゴールドブラスやローズブラスは少し色が濃くなり、より音質がまとまりやすく、音を遠くへ届けてくれます。銅の割合がさらに高いコパーベルはほとんど10円玉に近い色になり、音が横に漏れず、はっきりとした音を出すことができます。