厳選！吹奏楽名曲・名盤20選

吹奏楽CDコンシェルジュ！〜厳選！吹奏楽名曲・名盤20選〜

もともとはブラスバンド編成のための楽曲として作曲された作品で、吹奏楽版は1993年に本人自身により新たにオーケストレーションが施された。
作曲者自身がイギリスにあるカンタベリー大聖堂を訪れた際にインスピレーションを受けて作られたこの曲は、まさしく教会の天高く音が伸びるような壮大で緩やかな、かつ落ち着きのある変ニ長調で音が途切れることなく神聖なるメロディが流れる。
山場を迎えたサウンドは楽器が除々に減っていき、ラストシーンでは極限まで繊細な音色にこだわった管楽器のパイプオルガンのような澄んだ音色で終演する。“ローストの世界”に浸れる一枚。

フィリップ・スパーク：The Sun Will Rise Again ～陽はまた昇る～（アルバム名：The Sun Will Rise Again ～陽はまた昇る～（フィリップ・スパーク作品集））

【Y-AR027-3】アングロ・レコーズ
［演奏］ドイツ連邦軍コンサート・バンド他
［指揮］ヴァルター・ラツェク他

［収録曲］

メープル・リーフ序曲、陽はまた昇る、ゴッドファーザー・ワルツ、ボレロ、交響曲第2番「サヴァンナ・シンフォニー」、清らかなひかり (オーボエ・ソロと吹奏楽) 、シンフォニエッタ第4番、わがために杯をあげよ，ただきみが瞳をもって（トランペット・ソロと吹奏楽）

［コメント］

東日本大震災で日本が大きな被害に遭っていることを知った作曲者が日本へ贈るために発表したこの曲。印税、そして販売した純益を日本赤十字社の緊急救済基金に寄付することになっている。冒頭のサックスが朗々と奏でるテーマからは、どこか懐かしい情景が思い浮かべられ、聴く人それぞれの心に寄り添う。

八木澤教司：吹奏楽のための音詩「輝きの海へ」（アルバム名：小編成レパートリー・コレクション VOL.1 サンデー・マーケット）

【BOCD-7185】ブレーン株式会社
［演奏］フィルハーモニック・ウィンズ大阪
［指揮］木村吉宏

［収録曲］

福島弘和：春に寄せて～風は光り、春はひらめく～、高橋伸哉：サンデー・マーケット、ベラ・バルトーク（編曲：黒川圭一）：ハンガリーの風景（1.トランシルヴァニアの夕べ／2.熊踊り／3.メロディ／4.ほろ酔い加減／5.豚飼いの踊り）、フランツ・レハール（編曲：鈴木英史）：喜歌劇「メリーウィドウ」セレクション（小編成版）、八木澤教司：吹奏楽のための音詩「輝きの海へ」（小編成改作版）、酒井　格：ポロヌプ（大原野）、ケルト民謡（編曲：建部知弘）：ケルト民謡による組曲（小編成版）（I.マーチ／II.エアー／III.リール）

［コメント］

2002年に作曲された委嘱作品。氏の作風である親しみやすいメロディ、感動的なフレーズが難易度を抑えながらも熱く表現されている。近年の吹奏楽事情に合わせ、小編成版も非常に人気が高い。

レックス・ミッチェル：大草原の歌（アルバム名：吹奏楽コンクール自由曲集 '86）

【32DG-56】SONY RECORDS
［演奏］東京佼成ウインドオーケストラ
［指揮］汐澤安彦

［収録曲］

コヴィントン広場、ブリンストン変奏曲、ヒーザウッド・ポートレイト、前奏曲，パッサカリアとフーガ、エル・カミーノ・レアル、組曲オーストラリア民謡変奏曲、大草原の歌、イーグルクレスト

［コメント］

作曲者の故郷アメリカの広大な高原をイメージして1985年に作られた曲。大きく移り変わる厚みのある低音が印象的で、盛り上がりと静寂を繰り返す。「曲の解釈は演奏者に委ねられるべき」という作曲者自身の考えにより、曲解説はほとんどない。

樽屋雅徳：マードックからの最後の手紙（特別版）（アルバム名：コンクール自由曲ベストアルバム3 ）

【FMCD-0003】フォスターミュージック
［演奏］海上自衛隊東京音楽隊
［指揮］加養浩幸他

［収録曲］

樽屋雅徳：マードックからの最後の手紙（特別版）、C.ドビュッシー / arr. 加養浩幸：「小組曲」より：Ⅰ.小舟にて／「小組曲」より：IV. バレエ、福島弘和：明日への開拓、モーリス・ラヴェル / arr. 鈴木英史：「マ・メール・ロワ」より：III. パゴダの女王レドロネット／「マ・メール・ロワ」より：V. 妖精の園、福島弘和：おきなぐさ宮澤賢治が愛でた花（小編成版）、樽屋雅徳：アニー・ムーアの祈りの詩、足立正：いつか見た海、P.I.チャイコフスキー / arr. 石津谷治法：バレエ音楽「くるみ割り人形」より：情景（冬の松林）／トレパック（ロシアの踊り）／コーダ／パ・トゥ・ドゥ- イントラーダ（王子とこんぺい糖の精の踊り）、イサーク・アルベニス / arr. 佐藤正人：組曲「イベリア」より、セヴィリアの聖体祭、瀬戸口藤吉：行進曲「軍艦」（正調）

［コメント］

豪華客船「タイタニック号」の一等航海士・ウィリアム・マクマスター・マードックに焦点をあてて2005年に書かれた曲。航海中家族に手紙を書くのが日課であったマードックの「最後の手紙」には何が書かれていたのか─。