数あるチューナーの中でも他とは一線を画した、基礎練習を楽しくサポートしてくれるiPhone用アプリが、コルグのcortosiaだ。前号に引き続き、今回もフルート奏者の坂上領さんをナビゲーターに迎え、さらにcortosiaの魅力に迫った。
―― 坂上さんが考える“いい音”の要素とは?
坂上 クラシック系のフルート奏者と、僕のやっているジャズやポピュラー系とではそれぞれ“いい音”の判断基準が異なるので、一概にこれが“いい音”だと括ってしまうのは難しいですね。だから、僕はcortosia の“いい音”というのは、いわゆる“フルートらしい音”として捉えています。もしくは“健康的な音”とも言えますね。いわゆるフルートらしい音と言うのは、誰もが想像できる例えば、ジャン=ピエール・ランパルや、サー・ジェームズ・ゴールウェイのような音。逆に、この5項目(ピッチの安定性、音量の安定性、音色の安定性、音色の豊かさ、アタックの明瞭度)の要素の何かを削ったら不健康っぽい音、いわゆる“ジャズっぽい音”になるかもしれません。
―― cortosiaの活用法を教えてください。
坂上 各項目それぞれの波形グラフ(Time Series Graph)を使ってロングトーンをすると、ブレなどがよくわかります。また、曲をさらうときにも、伸ばす音が最後まで安定しているかなど、自分の音のイメージを視覚的に見ることができます。どの部分を見るかによっても、様々な使い方ができますね。
―― 通常のチューナーとは違い、このcortosiaは吹いた音を自動で録音してくれます。
坂上 音程に悩んでいる人は「ジャストで合った」というのがその場で実感できたとしても、その感触を忘れることもあるから、録音を聴けるのは魅力的ですね。それで耳も同時に鍛えられるし、自分の中で一番いいと思った音を、そのイメージとしていつでも思い出すことができるのは良いと思います。
―― 練習の場でこの“cortosia”がスタンダードになる可能性はありますか?
坂上 あると思います。理想的なことを言えば、本来はチューナーを使わずに、目をつぶって“いい音”が出せたら、それに越したことはないんです。でも、“いい音”にはこの5項目のように様々な要素があって、これまでのチューナーでは音程しか確認できなかったけど、cortosiaがあれば気をつけないといけないポイントが簡単にわかるので、それを習慣づけられたらいいですね。
―― 他に感じたことや要望などはありますか?
坂上 プロの現場では必ずしも“健康的な音”が求められるとは限りません。先ほど言ったように、“不健康的”だったり“ワルっぽい”音のほうがいいとされる場合もありますしね。でも、初心者や中級者はまず“健康的な音”を目指さないといけないし、基本的なテクニックは身に付ける必要があると思います。その上で最終的に人それぞれ目指す音色は違ってくるので、例えば名プレイヤーの音データを参考にして、誰々はこの項目がこうなっている、とか考えてみても面白いかもしれません。cortosiaの各機能をいろいろ工夫して使うことができそうですね!コルグさんのアプリはどれもクオリティが高い。実は、すでにコルグさんのアプリをいろいろ使っているんですよ(笑)。
―― ありがとうございました。
製品詳細
http://www.korg.com/jp/products/software/cortosia/
ご購入はこちらから
https://itunes.apple.com/jp/app/cortosia-good-sound-tuner/id952982019?ls=1&mt=8
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