「見直そう、基礎のキソ!」と題して、アルソ出版から発刊している雑誌「THE FLUTE」から、フルートの基本的知識をピックアップしてみました。初心者はもちろん、上級者や他の楽器をやっている人でも意外な発見ができるかも……!?
フルートはたくさんのキィや部品からできています。大きく分けるとフルートは頭部管、胴部管(主管)、足部管の3つから成り、これを組み立てて1本にして演奏します。
(写真提供:ヤマハ株式会社)
フルートは息の流れが歌口のエッジと呼ばれる部分にぶつかり、息の半分が歌口の中に、半分が外に出ることによって音が出ます。少しずつ角度を変えたり、リッププレートを左右にほんの少しだけ動かしながら、音の出る位置を探しましょう。
では次に楽器を組み立ててみましょう。ここで注意点! 楽器を組み立てるときに楽器の弱い部分を握ってはいけません。胴部管、足部管はキィのある部分を持たないように。(写真①、②) フルートを構えるときは“三点支持”がポイントです。(写真③、④)
ゆっくりと息を吸い、次にゆっくりと吐いてみましょう。腹式呼吸のポイントは
❶ 口を軽く開き、肩が上がらないようにしながら息を吸う
❷ お腹と背中が膨らんでいるか、自分の手を当てて確かめる
❸ 息を吐くときにお腹と背中がだんだんへこむ
基礎練習やロングトーンをしているときにも、自分の音に耳を傾けましょう。ロングトーンはウォーミングアップにも最適です。筋肉をほぐすように、唇の形や姿勢、呼吸を整えながら落ち着いて一つひとつの音を響かせるようにしましょう。(譜例①)
出だしの発音がハッキリと美しく出せれば、その後に続く音色も、確実に美しくなります。まずは中音域のシの音(出しにくいならば、1オクターブ下げて)を美しく、豊かに響かせます。良い音を確認したら譜例②をゆっくり吹いてみましょう。(図①)(譜例②)
楽譜を見ると pや fなどの記号が書かれています。 fは「大きく吹く」というふうに訳されますが、「のびのびとした音を出そう」「朗々と吹こう」「元気よく吹こう」というイメージを持つといいでしょう。また pのように小さい音にする場合は、「優しく」「柔らかい音で」とすると響きのある pを出すことができます。
日ごろから楽器の手入れをすることは、自分の健康に注意するのと同じです。楽器をケースにしまう前に丁寧に水滴やホコリをとる習慣をつけておけば、キィが動かなくなったり、タンポ(キィの裏にある柔らかい部分)の不具合などの故障を防ぐことができます。
ガーゼを巻いた掃除棒を胴部管、足部管に2回ほど通しましょう。頭部管は2、3回出し入れを繰り返し、水分を取ります。(写真⑤)
キィや管、マウスピースに付いたホコリや汗は、柔らかいネルやシリコンクロスなどで汚れを取りましょう。キィを拭くときは、強く押さえないようにしてください。(写真⑥)
※この記事はTHE FLUTE 113号に掲載した「ゼロからのフルート」を再構成したものです。