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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

特集シリーズ \ 第5弾 /

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パーカッションのことならおまかせ! プロフェッショナル・パーカッション

◆パーカッション:中谷孝哉 Koya Nakatani

中谷孝哉さん

北海道釧路市出身。東京芸術大学音楽学部打楽器卒業、同大学院修了。第一回管打楽器コンクールで第一位。東京マリンババンドやパーカッショングループ72等で活動。新日本フィルハーモニー交響楽団の打楽器奏者を21年務める。サイトウキネン・フェスティバルにもたびたび出演。現在、武蔵野音楽大学教授及び附属高校兼務、宮内庁式部職楽部オーケストラ打楽器、ダヤチプタマリンバ主宰。陸上自衛隊、海上自衛隊 講師。

Q.管楽器とタイミングが合わない

トゥッティで演奏する場合、管楽器よりも先に音が出てしまいます。一応指揮を見ていて合わせているつもりなので、なぜ合わないのかがわかりません。管楽器の人たちとはどうやったらぴったり合わせられますか?

A.観察して慣れること

稀に、あなたのほうが正しいことだってある。管楽器の人たちが見合って見合って、遅れる場合、オケでもこういうことはある。困るんだよね。
指揮が悪いことが原因である場合も……先日の某音大のオケでもそういうことがあった。明らかに棒が真下に下りているのに、誰も音を発しない……???? 0.5秒ほど後に、みんなで申し合わせたように、遅刻した音たちがゾローッって。いやだねー、こういうの、不健全で。ただこれは、棒が演奏者の許容範囲より遥かに早く下りてて、おそらくリハーサルの過程でコンマス、コンミスに合わせようってなったんだろうな。
とは言っても、だいたいにおいて多数決。 管の人たちの息使い、体の動きを良く見て、観察して慣れることかな?
こっちも動いて合図を出したいこともあるけど、大抵は管が打の前にいるからね。私が音大生の時の大学ブラスで、棒があまりにわかりづらかったので、BD をやってた私が最後のƒの予動を特大にして、管楽器を従えたこともあったけど。
棒と、管の息と、こちらの予動をシンクロさせること。管を見てピンポイントで合わせようとしても、予動が小さくなり、音楽やリズムや音色が貧相になることが多い。合奏とは皆が発信しまくって合うことが、幸せの第一歩。




Q.スネアのリズム感

リズム感について悩んでいます。スネアを叩くことが多いのですが、他の楽器と 合わなくて苦労しています。プロの方はどうやってリズム感を付けたのでしょうか。

A.ニュアンスと歌心と……“リズム”だけじゃダメ

スネアはだいたい、みんなと同じく心地よく同時進行というより、気持ち早めに全体を引っぱっていく気概が必要。このことはアンサンブルより、大合奏時が余計に大切。それと、もちろん、よたってない、なまってない、正しいリズムは絶対必要。我らの世代の太鼓屋さんたちは、“Stick Control”という最初の3ページ譜例72までは全部♪♪ばかりでただRL が違うだけの恐ろしい本で、重い撥で練習台で修行しました(譜例1)。

【譜例1】

譜例1



プラス、かっこいいニュアンス。例えば、速いGallop調のリズムはドラムマシンや打ち込み系のリズムだと、どうしても重く聞こえる。特にダブル・タンギングのトランペットと一緒だと、どんくさく聞こえちゃう。16分音符二つを気持ち後ろ寄せに詰めて叩くと、馬が実際に走ってるみたいに聞こえるわけ。嘘だと思うなら、週末競馬場に連れて行ってもらって。あっ、未成年はダメでも見てるだけならいいそうです。
あと、歌心。例えばMozart のPiano Sonata の右手をスネアでたたけるかどうか? (譜例2)

【譜例2】

譜例2

リズムだけじゃダメなんだなあ。
話をリズム感に戻すと、クラシック以外のジャンルはリズムの宝庫なので、それらが好きな打楽器人の方が、クラシック一辺倒人間よりも良いリズム、良いノリ、良いグルーヴだと思う。




Q.これだけはやっておきたい!

パーカッションでこれだけは気をつけてほしい、この練習はしてほしいものは?

A.打楽器の欠点を理解して、リカバーすべし

他の楽器と比べて、打楽器にはすぐ音が出にくい、出しにくい欠点があります。鼓面、打面のすぐ上で待ってて、指揮のキュー(合図)が来たところでよいしょと上げているのでは遅れます。逆に、右左(RL)連続の手順は管楽器のシングル・タンギ ングより詰まったり、走ったり、転んだりします。この欠点を良く理解して、それをリカバーしてさらに上を行っていただきたい。
日本古来、明治時代? から語り継がれてきた「弱拍、弱起」は、死んだと思ってください。ドイツ語でAuftakt、英語でup beat、pick up はとてもたくさん大事。同様に「後打ち」も。これらを生き生きと打たないと西洋音楽になりませぬ、おのおのがた! この際、ぜひそれらを「up 奏法」で展開してほしい。「打ち止め」でなく「打ち上げ」で!(皆さん、打ち上げ好きでしょ? !)
そして、「さすがパーカッション、リズムいいねえ!
頼りになるねえ!」と管楽器のメンバーや指揮者に言われ、聴衆に感心してもらえるパーカッショニストを目指しましょう! もっと言えば、目標「音楽を良くする打楽器、打てば響く良い波動の発信」!!

ダヤ・チプタ・マリンバ

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