楽器初心者のための練習法や基礎知識などを、吹奏楽界の第一線で活躍するプレイヤーに訊くこのコーナー。今回はトランペット奏者、中嶋尚也さんに教えていただきました!
教えてくれたのは・・・中嶋尚也 Naoya Nakajima
秋田県出身。秋田県立秋田中央高等学校卒業。山形大学地域教育文化学部文化創造学科音楽芸術コース卒業。東京藝術大学音楽学部別科器楽科修了。第15回浜松国際管楽器アカデミーにて、フリッツ・ダムロウのマスタークラスを受講、プレミアムコンサートに出演。第18回山形県出身者新人演奏会に出演。第26回大仙市音楽祭コンクール奨励賞受賞。
これまでにトランペットを井上直樹、佐藤友紀、古田俊博、栃本浩規の各氏に師事。
現在、Osaka Shion Wind Orchestraトランペット奏者。トランペットアンサンブル Dynamite Elevenメンバー。大阪府立夕陽丘高等学校音楽科非常勤講師。
みなさんこんにちは! 楽しくトランペット吹いていますか?
楽器の練習は、よーーーーく考えて練習しなければいけないときと、考えすぎずに感覚で吹きまくるときと、両方必要な気がします。
今回は私自身が日頃から意識していることや、練習内容の提案をしてみましたので、参考にしてみてください。
● 早く吹きたい気持ちを抑えて
トランペットが上達するためには、まず扱っている楽器ができる限りベストな状態になっていることが大事です。日々のメンテナンスを怠らないようにしましょう。
特に1番・3番トリガーは演奏しながら動かして音程を調整する部分ですので、スムーズに動くよう手入れをしておきましょう。
● さあ、楽器を吹こう
様々なウォーミングアップのやり方がありますが、無理のない音量、無理のない音域から始めることをおすすめします。 小さくていいので長い音から吹き始めてみましょう。スポーツ選手と一緒でいきなり全力プレーすることがないように、徐々に音を出していきましょう。
無理やり音を出そうとするのではなく、音が出るのを待つような感覚です。 スラーもタンギングも息の流れがとても大事になってきます。ロングトーンで出している音色をキープしながら譜例1の練習をしてみてください。
● スケールを極めよう!
スケールは音楽の基本です。日々繰り返し練習することが大事です。
#や♭の多い調を練習する際は、すぐ吹いて何度もつまずくような練習をせずに、頭の中で歌い、指を確認して、音階をイメージしてから吹くようにしましょう。演奏しながら動かして音程を調整する部分ですので、スムーズに動くよう手入れをしておきましょう。
管楽器は弦楽器の弓のように、他人がどのくらいの速さで、どのくらいの範囲で弓(=息)を使っているのか音を目で見ることができません。とにかく聴くしかないのです。
まず、パート練習でこのような練習をしてみましょう(譜例2)。
基礎練習のやり方を載せましたが、すべては曲を楽しく吹くためです。基礎練習と曲練習に分けて考えずに、フレキシブルにトランペットを吹いていきたいですね。
今回誌上レッスンをしてくれた中嶋尚也さんのソロリサイタル(秋田公演)が2018年2月10日に開催されます。
伸びやかなサウンドを生で聴けるチャンスです!