楽器初心者のための練習法や基礎知識などを、吹奏楽の第一線で活躍するプレイヤーに訊くこのコーナー。今回は打楽器奏者、椎名洋和さんに教えていただきました!
教えてくれたのは・・・椎名洋和 Hirokazu Shiina
尚美学園短期大学、東京ミュージック&メディアアーツ尚美卒業。打楽器を塚田靖、菅原淳、石内聡明の各氏に師事。現在、オーケストラや吹奏楽、バレエ公演など幅広いジャンルで活動している。TADウインドシンフォニー、ティンパニ奏者。
基礎練習は、単純なことを正しい方法で、継続的にこだわりを持って練習していくことです。
机の上に雑巾やゴムパッドを置いて練習しているのを見たことがありますが、構えた時の姿勢や腕の高さで、肩・肘・手首・指を動かすバランスが変わります。無理な姿勢やポジションは力みの原因になるので、高さ調節のできる練習台があると良いですね。
1.簡単な音符を反復練習し、音を出す(叩く)という動作に慣れていきましょう(譜例1)。
スティックの持ち方や叩く場所、スティックを上げた時の高さや軌道に注意しながら左右のバランスをそろえましょう。この練習はウォーミングアップに使用しても良いと思います。
2.基本的なリズムの分割練習をし、テンポやリズムを安定させながら左右の手順に慣れていきましょう(譜例2)。
4分音符を叩いているときに8分音符を頭の中で考えるように、実際に叩いている音符より細かく感じることが大切です。
3.三連符の練習(譜例3)。拍の頭が左右交互に来る感覚を身につけましょう。
苦手な人が多いので、言葉(トマトパスタなど)をあてはめて練習すると良いと思います。
4.リズムの分割練習(譜例2)に3連符をプラスした練習(譜例4)。
8分音符から3連符、3連符から8分音符のように、3連符の前後が不安定になりやすいので注意しましょう。
3のときと同様に言葉(トマトパスタなど)をあてはめて、8分音符を叩きながら3連符を歌うような練習をすると良いと思います。
5.16分音符をベースとした基本的なリズムの練習(譜例5)。
右手のリズムを基準にしながら、左手のリズムのタイミングとバランスに注意しましょう。
リズムが変わっても16分音符のビート感や音量に変化がないように練習しましょう。