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インタビュー|フランコ・チェザリーニ

Wind-i vol.8 − Close Up −

ヨーロッパの吹奏楽を語る上で、フランコ・チェザリーニ氏の音楽に触れないわけには行かないだろう。日本でも『交響詩「アルプスの詩」』『ブルー・ホライズン(青い水平線)』『ビサンティンのモザイク画』など多くの作品が広く親しまれている。そのチェザリーニ氏が満を持して初めての交響曲『アーク・エンジェルズ』を今年発表した。聖書に登場する4人の大天使を題材に取った、演奏時間30分の大曲である。
タッド・ウインド・シンフォニー第23回定期演奏会で行なわれた日本初演に合わせ緊急来日したチェザリーニ氏に、タッド・ウインド・シンフォニーの音楽監督である鈴木孝佳氏同席のもと、独占インタビューを敢行した。
(この記事は2016年10月25日に発売したWind-i vol.8 に掲載のインタビュー記事です。)

Franco Cesarini
フランコ・チェザリーニ

Profile

スイス・ベリンツォーナ生まれの作曲家、指揮者、フルート奏者。イタリア国境に近いルガーノ音楽院とイタリアのミラノ音楽院で、フルートとピアノを学ぶ。その後、バーゼル音楽院でフルートの他に音楽理論と吹奏楽指揮法を学び、作曲家・指揮者への地歩を固めた。管弦楽、吹奏楽、器楽などの幅広いジャンルに作品があり、日本では『ビザンティンのモザイク画』、『メキシコの風景』、『アルプスの詩』、『ブルー・ホライズン』などの曲が、特に幅広い世代で人気を集めている。

 

 


作曲はバルトークの真似から
――
チェザリーニさんの生い立ちを教えてください。
フランコ・チェザリーニ
:私はスイス南部のベリンゾーナという人口2 万人の小さな街に生まれました。スイスは国内で統一された言語がなく、ドイツ語圏、フランス語圏、そしてイタリア語圏の地域があります。ベリンゾーナ、そして私が今住んでいるルガーノはイタリア語が話されている地域です。ルガーノからイタリアのミラノまでは40km しかありません。 イタリア人とは同じ言葉を話しますが、イタリアとは明確に違う国だとスイスのイタリア語を話す人たちは認識しています。その説明はとても難しいのです。
――
作曲を志したきっかけを教えてください。
チェザリーニ
:小さい頃からピアノを習っていました。その頃から遊びがてら曲を自作していました。もちろんとても簡単な曲です。ピアノでない楽器は最初は少ない音数でも出すために苦労しますが、ピアノは和音やたくさんの音を出すことができるので、作曲にもつながりやすいのでしょう。バルトークが書いた子ども向けの簡単な曲を練習している時に、同じような曲を書いてみたいと思い、作曲するようになったと記憶しています。バルトークを真似するところから始めたのです。
――
チェザリーニさんはフルートも演奏されるそうですね。
チェザリーニ
:10 歳の頃に名フルーティストのペーター=ルーカス・グラーフのリサイタルを聴いたのがきっかけで、フルートを習いはじめました。その後地元のバンドに入り、吹奏楽に親しみました。18歳の時に、バンドの指導者から「新しいバンドユニフォームができる記念に曲を書いてみないか」と言われ、初めて吹奏楽曲を作曲しました。『フェスティバル・ファンファーレ』と名付けたこの曲は後に出版され、東京佼成ウインドオーケストラや、シエナ・ウインド・オーケストラにも演奏していただきました。 私が音楽院に入った当初はルガーノに音楽院はまだありませんでしたので、ミラノの音楽院へ学びに行きました。その後バーゼルの音楽院に移り、フルートを始めるきっかけとなったペーター=ルーカス・グラーフに学びました。彼からはフルートはもちろん、音楽理論も勉強しました。彼の弟子としては一番長い年数付き合っていると思います。 バーゼル音楽院では、フルートや音楽理論と同時に指揮と作曲も本格的に学びました。当時はまだ自分自身の勉強に追われて作曲に多くの時間を費やすことができませんでしたが、卒業してから多くの人が私に作曲のリクエストを出してくれたので、多くの吹奏楽曲を作曲することにつながりました。


聴衆に楽しんでもらえる音楽を

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