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今こそ、JBCバンドスタディを活用しよう!

Wind-i mini 35号 特別企画

新部長さん、新パートリーダーさんに贈る! 今こそ、JBCバンドスタディを活用しよう!

基礎練習のための本を何か使っていますか? 中学校や高等学校で多く見かけるのは赤い表紙が特徴的な「JBC バンドスタディ」です。でもこの教則本、みなさん活用していますか? 「合奏で1ページ目はやっているよ!」……という人は多いのでは?でもこの本には基礎力アップのために大切なことが詰まっています。
そこで新部長さん、新パートリーダーさんに活用法をこっそり教えちゃいます!

 

バンドスタディのメニューを知ろう

 

ヤマハミュージックメディア刊

① デイリートレーニング(P.1)……合奏で行なうトレーニングです。
② 音作りのためのコラール(P.1)……合奏で行なう音作りの練習です。
③ 楽器について&楽器の準備、取り扱いについて(P.2~P.7)……楽器を吹くための基礎的なことが書かれています。ぜひ読んでおきましょう。
④ メロディ(P.8~P.11)……初心者から練習できる内容です。
⑤ 豊かな音を作るための練習(P.12~P.29)……個人のための基礎練習です。
⑥ スケールとカデンツ(P.30~P.37)……個人でも合奏でもできる練習です。
⑦ インターヴァル(P.38~P.41)……分散和音(アルペジオ)や隣り合っていない音をつなぐ練習です。
⑧ インターヴァル~コード(P.42~P.45)……パート練習・セクション練習・合奏でハーモニーを練習できます。
⑨ リズム練習(P.46~P.49)……合奏や個人でリズム感覚を養うための練習です。
⑩ コラール(P.50~P.53)……※ パーカッションはラテンパーカッションとドラムセット合奏でハーモニー感覚を養う練習です。
⑪ オーケストラスタディ(P.54~P.55)※ パーカッションはアンサンブル……オーケストラの有名なメロディをパートで練習できます。

※( )内はパートブックのページ数です。

個人練習に使えるバンドスタディ

今回は、個人練習でも使えるスグレモノということで、前のメニューに上げたうち、⑤ 豊かな音を作るための練習、⑥ スケールとカデンツの活用法を公開します!

 

豊かな音を作るための練習

どのパートも12 ~ 29ページになります。ただ、個人のための練習なので、楽器によって内容が違い、楽器に必要な技術を身につけることができます。

《主な内容》
木管楽器……ロングトーンやスケールの練習
金管楽器……ロングトーンやスケール、リップスラーの練習
打楽器……両手で均等に打つ練習やリズム練習
コントラバス……ボウイングやスケールの練習

個人練習はなるべく静かなところで自分の音をしっかり聞きながらやるのが上手くなるコツです。
「個人練習、ツマンナイ……」「曲吹いているほうが楽しいもん!」─そんな声が聞こえてきそうですが、そこをグッとこらえて一人でコツコツ練習しましょう。さらに楽譜通りに吹くだけでは、時間のムダ! なんです。

Check! ロングトーンでは良い音と音色が出せているかチェック!

管楽器は自分の息で音を作る楽器です。隣り合った音だからといって両方とも良い音が出るとは限りません。「この音が一番いい音色が出る!」という音を見つけて、その音からロングトーンをスタートするのも効果的な練習です。自分の音をよーーーく聴いてみると、違う音に変わった時に音色が変わってしまうことがほとんどです。自分が出せる良い音色を基準にしてロングトーンをスタートすると、苦手な音、吹きづらい音が発見できます。その音を重点的に練習することで、全体の音色が良くなりますよ。(この練習、特に静かなところで練習しないと、音色の変化を発見できません!)

Check! リップスラーは音の移り変わりがうまくできているか確認!

金管楽器に欠かせないリップスラーは、前述のロングトーンと同じように、静かな場所で自分の音をしっかり聴きながらやりましょう。上手く音が移り変わっているかがポイントです!

Check! パーカッションのリズム練習は左右両手が均等?

4分音符からまず練習を始めましょう。利き手でないほうの手はどうしても遅れたり、音が小さくなったりします。様々なストロークが、楽譜どおりにできているかをチェックします。

Check! コントラバスはボウイングの仕方や左手の指の形に注意!

弓の根元から先まで均一に力が入るように練習しましょう。左手は音程を決める部分です。正しい音程で弾いているか確認してください。

 


このコーナーはステップ別に書かれています。最後までたどり着くのは大変ですが、少しでも時間を作って積み重ねていきましょう。各ステップにチェックボックスもあるので活用してください。

 

*****

 

個人練習に使えるバンドスタディ
─ スケール&カデンツ編 ─

スケールとカデンツは個人練習だけでなく、合奏でも練習できる内容です。
このページを開くと……「音符がいっぱい!」と思ってしまう人もいるでしょう。でも大丈夫! 音符は慣れればスムーズに読むことができます。まずは、30ページに書かれている「長音階の準備A」を練習しましょう。合奏でも練習ができるようにハ長調(C-Dur)から書かれていますが、楽器の特性によって吹きやすい調と吹きづらい調があるため、個人練習のときは、( )内の番号順にやっていくといいでしょう。

Scale Lesson
長音階の準備A

34ページからのNo.6からは、音階の練習だけでなく、アーティキュレーション(スラーやスタッカートなど)の練習もできます。上段は長音階(長調)、下段はその平行調の短音階(短調)が書かれています。平行調とは、同じ調号を持つ音階のことです。
「長調のほうが吹きやすいー!」という人が多いと思いますが、短調の曲って意外と多いのです。ですから、短調も練習して慣れておきましょう。

このスケールの特徴は、下段の短調のほうにそれぞれ違うアーティキュレーションが書かれています。アーティキュレーションはどの楽器にとっても大切な奏法ですが、管楽器の場合は特に舌で表現することが多いため、舌を慣らす練習が必要です。最初のハ長調(C-Dur)でも13個すべてのアーティキュレーションで練習しましょう。このうちやりやすいものとやりづらいものがあるので、やりづらいほうを重点的に練習すると効果的です。
また最初に(A)~(C)とリズム練習も書かれていますから、これもやっておきましょう。
パーカッションのパートブックにはアーティキュレーションは書かれていません。合奏で練習する場合は、管楽器のニュアンスに合わせて演奏しましょう。以下、インターヴァル(P38 ~ P41)、インターヴァル~コード(P42 ~ P45)、リズム練習(P46 ~ P49)も同じように行ないます。

活用次第で劇的に上手くなる!

バンドスタディはいろいろ要素を盛り込んで作られています。使い方や組み合わせ次第で、レベルupできます!最後にアドバイスを少し。楽器を始めたばかりだと、パート譜全部に階名(ドレミなど)が書くことがあるかもしれません。特に金管楽器の場合は指番号で記入するので、実際の音とリンクしないこともあるため注意が必要です。早く楽譜に慣れるためにも一度書いた音には階名を書かないとか、鉛筆で書いておいて、覚えたら消す……ということを、パートの先輩が気を配ってあげるといいでしょう。
そして基礎練習だからといって、音色のことを考えない……ということはないようにしましょう。「必ずいい音で吹く」──これが基本です。シンプルな基礎練習のときからいい音を出す練習をしておけば、難しい曲になったときもいい音で吹くことができます!

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