楽器の上達に必要な基礎練習はたくさんあります。目的意識をもって練習していくことが大切ですね。技術的に必要な要素を簡単に挙げると「高さ」「長さ」「大きさ」「速さ」となります。「高さ」は音域。つまり低い音から高い音まで。「長さ」は音価。長い音から短い音まで。「大きさ」は音量。ppからffまで。「速さ」はゆっくりなテンポから速いものまで。この4つの要素をバランスよく強化していきたいですね。これらの要素すべてにおいて一番重要になってくるのが息の使い方です。
まずはロングトーンから。先ほど紹介した構え方と理想の音の出し方で安定した息を送りながら長く伸ばしましょう。例えば8拍伸ばすとしたら、1拍目から8拍目まで安定した息を送り、どの拍をとってもよく響いた音になるように演奏しましょう【譜例①】。1拍ずつタンギングをして分割すると、何拍目から不安定になるかがわかりやすいのでおすすめです【譜例②】。強弱を変えたり【譜例③】、音を変えたり【譜例④、⑤】して練習すると、漠然とのばすよりも音に方向性が出てより効果が上がります。8拍間安定したらもう一度音を分割せずによく注意をしてつなげてみましょう。 あと、自分がどのぐらいの長さの音をのばせるのか知っておくことも大切です。中学生時代、何拍のばせるのか時計を見ながらよくロングトーンしていました。音域にもよりますが1分経つとしんどくなります。確か、最高で1分40秒位でしたね(笑)。毎日チャレンジしているとだんだん長くのばせるようになりますよ。
次に、リップスラーの練習です。これはゆっくりと幅広い音域を使った練習から速いテンポでの練習までやることをおすすめします。 先ほどの音域に合った息のイメージでコントロールしてください。 例えば音を上につなげるときは音の変わり目で「トゥー」から「イー」に【譜例⑥】、音を下げるときは「トゥー」から「ホォー」【譜例⑦】といったイメージでやりましょう。この練習をスラーだけでなくタンギングをついてやるのも効果的です。
そして、タンギング練習。これはどんな形の音で練習するかが大切です。レガートタンギングからスタッカートまで、メトロノームを使っていろいろな速さで安定したテンポで刻めるようにしましょうね。目標は=140の速さで16分音符をシングルタンギングでできるようになるとよいですね【譜例⑧】。
ダブルタンギングやトリプルタンギングも合わせて練習しましょう。注意点としては決して息の流れを止めないでタンギングをすることです。 あとは、スケール練習ですね。長音階、短音階、半音階をスラーで練習したり、タンギングと合わせて幅広い音域を使っていろいろな速さで練習しましょう。
最後に応用編としてエチュードを使ってこれらの基本的な技術をより音楽的に表現できるように練習していくことをおすすめします。 なんだか自分で読んでみてもうんざりするような内容になってしまいましたが、できないことが一つひとつできるようになっていくことほど楽しいことはありません。根気よく楽しんで練習しましょうね。応援しています。
※こちらの記事は、Wind-i vol.7を一部抜粋し掲載しています。
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