チューナーとメトロノーム一体型の練習グッズ“TMシリーズ”

メトロノームとチューナーがこれ一台！

吹奏楽にはじめて入部した新入部員が一番最初に手にする練習グッズといえば「メトロノーム」と「チューナー」だと思います。筆者も吹奏楽に入部をし担当する楽器が決まったあと、パートの先輩から必要なアイテムとしてこの2つを教えてもらいました。

そして、吹奏楽に入部をしていた人ならば一度は見たことがある、チューナーとメトロノームの２つの機能が一体型となった画期的アイテム、コルグ『TMシリーズ』。今回はこのベストセラー・アイテムの魅力とその歴史をたどります。

これ一台で完結！
吹奏楽に革命を起こした『TM-40』

外形寸法：113(W) x 77(D) x 18(H) mm
重　量　：107g (電池含む)

この初期モデル『TM-40』が発売されたのは2005年6月。

チューナーとメトロノームという、2つのツールをひとつのコンパクトなボディに入れ、しかも両機能を同時に動かすことができるため、吹奏楽ユーザーの練習必需品としてまたたく間に広まっていきました。

大きな液晶式針は正確で見やすく、画面付近に配置されたLEDライトで直感的にテンポやリズムを知らせてくれます。チューナーとメトロノームを同時に動かす場合はディスプレイにチューナーの画面を、LEDのライトでテンポを表示しています。

過去の製品一覧

#サウンド・アウト機能（1oct） #キャリブレーション機能(410〜480Hz) #ビート・モード #タップ・モード #フル・ステップ #ペンデュラム・ステップ #40〜208回／分のテンポ範囲 #メモリー・バックアップ機能 #オート・パワー・オフ機能

機能が追加され、更に使いやすくなった『TM-50』

外形寸法：111(W) x 74(D) x 18(H) mm
重　量　：107g (電池含む)

『TM-40』が吹奏楽ユーザーに革命を起こしてから7年後、新たな機能を搭載した『TM-50』が登場しました。
従来の機能はそのままに、ディスプレイに２段階バックライトを搭載し、より見やすい画面表示を実現。管楽器に最適な感度となった新設計の液晶針式メーターで、チューニングがさらに快適となりました。

また視覚に頼らないチューニング・トレーニングのためのサウンドバック機能が追加されたのもこの『TM-50』からです。従来のハイエンド・チューナーにのみ搭載されていた機能で、演奏音を聞き取ってそれに合った基準音を鳴らしてくれる、耳のトレーニングに欠かせない内容がこの一台で行なえるようになりました。その他にもメトロノームのテンポ設定範囲を広げたり、サウンド・アウトモードの出力音源の音域が広がったりと、いたるところに改良が施されています。

過去の製品一覧

#サウンド・アウト機能（3oct） #サウンド・バック機能 #キャリブレーション機能(410〜480Hz) #ビート・モード #タップ・テンポ入力 #フル・ステップ #ペンデュラム・ステップ #30〜252回／分のテンポ範囲 #メモリー・バックアップ機能 #オート・パワー・オフ機能 #2段階調整バックライト

録音機能が追加された『TMR-50』

外形寸法：111(W) x 82(D) x 18(H) mm
重　量　：119g (電池含む)

『TM-50』にレコーダー機能を追加したモデルが『TMR-50』。自分の演奏を客観的に聴き、反省点を見つけて改善していくトレーニングが手軽に行えるようになりました。チューナー、メトロノーム、レコーダーは同時に使用することができるため、メトロノームのカウントに合わせて録音をすることや、録音した音源を聞きながら音程のチェックを行なうことが可能です。高音質なリニアPCM録音で最大100トラック（約20分）と、十分な容量を持っていますが、万が一、容量がいっぱいになってしまった場合はUSB端子でPCにデータをコピーすることができます。特定のフレーズを反復練習できるリピート再生機能等、かゆいところに手が届く、一台完結型の練習グッズです。

過去の製品一覧

#リニアPCM録音 #WAV形式データ #内蔵メモリー120MB #ループ再生機能 #サウンド・アウト機能（3oct） #サウンド・バック機能 #キャリブレーション機能(410〜480Hz) #ビート・モード #タップ・テンポ入力 #フル・ステップ #ペンデュラム・ステップ #30〜252回／分のテンポ範囲 #メモリー・バックアップ機能 #オート・パワー・オフ機能 #2段階調整バックライト

美音を追求する『TM-50TR』

外形寸法：111(W) x 82(D) x 18(H) mm
重　量　：108g (電池含む)

2016年8月には、コルグの新技術を搭載した『TM-50TR』が登場しました。従来品『TM-50』の機能はそのままに、新機能である“TONE TRAINER”や“間欠メトロノーム”が追加されたのです。この“TONE TRAINER”は演奏音をピッチ・音量・音色の明暗の3つで分析し、その安定度を一発で測ってくれる機能です。スペインの大学教授と合同開発をしたコルグ独自の発明でもあります。さらに、メトロノームにも“間欠メトロノーム”が追加搭載されています。これは、指定した小節数ごとにメトロノームの発音と消音を繰り返す機能で、消音から発音に切り替わった時に、自分の演奏と再開するテンポとのズレをチェックすることができるトレーニングメニューです。

また、機能だけでなく、さらに大きくなったディスプレイや、高輝度ホワイト・バックライトとカラーVAメーターで視認性を更に高めています。メトロノーム・チューナーの概念を良い意味で壊してくれる、画期的アイテムです。

過去の製品一覧

#トーン・トレーナー機能 #サウンド・アウト機能（3oct） #サウンド・バック機能 #キャリブレーション機能(410〜480Hz) #間欠メトロノーム #ビート・モード #タップ・テンポ入力 #フル・ステップ #ペンデュラム・ステップ #30〜252回／分のテンポ範囲 #メモリー・バックアップ機能 #オート・パワー・オフ機能 #2段階調整バックライト

今や吹奏楽の大定番『TM-60』

外形寸法：111(W) x 74(D) x 18(H) mm
重　量　：100g (電池含む)

本体サイズはそのままでディスプレイが大型化され、電池寿命も大幅に伸びた最新機種の『TM-60』。メーター表示の針が二重になり、チューナーとメトロノームの同時使用時に、メーターと振り子の両方を表示することができるようになりました。切り替えや電池残量も気にせず快適に音程、リズム・トレーニングが行えます。

サンリオとのキャラクターコラボレーションも増えてきており、全15種類のラインナップがあります（※2019年11月現在。一部販売終了製品も含む）。

好評のサンリオモデルは数量限定販売ですので、お気に入りのキャラクターが発売されたら売れきれる前にゲットすることをおすすめします。

製品一覧（一部販売終了製品も含む)

編集後記

筆者が学校の吹奏楽部に所属していたときは、メトロノームとチューナーをそれぞれ用意する必要があり、小物入れがパンパンになっていた記憶がありますが、今は一台ですべて完結してしまうんだから現代ってすごいな〜って改めて思いました。全体練習の途中で電池が切れることも多くて、それぞれ予備電池を持ち歩いていたのも懐かしい思い出です（笑）。

また、今や吹奏楽部に所属するほとんどの部員が持っている『TMシリーズ』ですが、歴史を振り返ってみると、様々な機種が存在することに驚きました。個人的には録音機能が搭載された『TMR-50』に一番の衝撃を受けましたが、コルグさんに聞いたところすでに廃盤となってしまった様子…。是非、復刻版が発売されることを希望します…！（笑）