あけましておめでとうございます。
このところ、政界や芸能界の闇があばかれていき、ざわざわしている。
醜い真実が明るみになり浄化された後に、別の世界が開けるに違いない。さあ、今年はどんな真実が白日のもとにさらされていくのか?
社会が良い方向にいっきに変わっていくことを期待したい。
さて誰もがヒーローになれないが、正義感だけは持っていたいものだ。
いやというほど正義感を磨いてくれるメディアのひとつが映画。
作り手のビジョンが正義の側で明確に描けている場合、観る側も磨かれる。
それにしても、2023年のベスト10に私が選んだ女性映画の問題作、「TAR/ター」「ウーマン・トーキング 私たちの選択」「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」は、ヒロイックな主役がわかりやすく登場する正義のヒロイン映画ではなく、迷えるヒロインたちが、ゆっくり正義と真実に向かう物語。
演出がサスペンスタッチだったり、重厚なアート系だったりしたため、社会派としてはテーマの追及がストレートではなく、わかりにくいともいえる作品だった。
Me too問題を扱った「SHE SAID~」は、若い女優が未熟すぎたのか、訴える力が期待したよりも弱い。
一方、街の女たちが夜這い男たちから逃げる物語で、フランシス・マクド―マンドの静かな怒りがずっしりと重い映像で訴えられるが、社会派というより芸術志向の作品だ。
最先端を走る女優、「TAR/ター」のケイト・ブランシェットは、女性でありながら、セクハラを行う権力者側の立場で、ミステリータッチのため曖昧さを伴い、問題意識はその分薄まったといえるだろう。
レズビアンの女性指揮者が音楽家を目指す若い女性にセクハラをする社会的テーマを扱いながら、ブランシェットの繊細な演技もさることながら、女性の成長と贖罪の物語へと展開したため、社会派とはいいにくい。
つまり役者としての魅力がありすぎると、明確にあったはずのテーマが伝わりにくいこともある。
芸術としての映画か、ジャーナリズムとしての映画か?
「マエストロ その音楽と愛と」で指揮者レナード・バーンスタインを演じた男優、ブラッドリー・クーパーの演技は常にオーバーアクションで、騒がしい。指揮者をやってみたかったのか、ゲイをやってみたかったのか、焦点が定まらず、本人が監督も務めるほど音楽家=バーンスタインに傾倒しているようにも思えない。
音楽映画というより、バーンスタインが妻とゲイの恋人との間で揺れた私生活を中心に描く。
それでもバイセクシャルの三角関係は、実際こんなふうではないだろうということと、バーンスタインの音楽性ともからめられなかった点で、残念。
野心家クーパーの向かう先は、音楽やゲイでないほうが良いだろう。
その点、音楽映画として見事だったのは、ドキュメント映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」である。
音楽家、モリコーネ本人が登場するのだから、音楽的なのは当然だ。
本作については、ここでも取り上げたが、物語と音楽のコラボレーションがドラマを作り上げる力、そのあり方は、まさに奇跡である。
ロバート・デニーロが、撮影現場にモリコーネの音楽を持ち込むことで俳優たちの情感がいっきに盛り上がったくだりが、何度見ても素晴らしい。
昨年をざっとふりかえったが、女性の地位向上を描くテーマや音楽映画が中心となったのは私の研究テーマに値するからで、偏りがあることも許してもらいたい。
そういうわけで、本年もよろしくお願いします。
木村奈保子
作家、映画評論家、映像制作者、映画音楽コンサートプロデューサー
NAHOKバッグデザイナー、ヒーローインターナショナル株式会社代表取締役
www.kimuranahoko.com
木村奈保子さんがプロデュースする“NAHOK”は、欧州製特殊ファブリックによる「防水」「温度調整」「衝撃吸収」機能の楽器ケースで、世界第一線の演奏家から愛好家まで広く愛用されています。
Made in Japan / Fabric from Germany
問合せ&詳細はNAHOK公式サイトへ
[フルート]
「Departed」ボストンバッグ
「Departed」は底マチが厚く、トップはすぼんでいるマチ幅が三角形の大きいボストンバッグ。フルートC管、H管がNAHOKのケースに入れたまますっぽりおさまるのはもちろん、ざくっと大きいサイズながら軽く、大き目の譜面台や譜面、周辺小物以外に、衣装やシューズなどの厚みのある物、ポーチなどが出し入れしやすいトート型です。
底幅をボストンバッグ「Departed」(21cm)の60%薄型(13cm)にしたデイリー用がレッスントート「Swing」です。こちらもフルートC管・H管だけでなくオーボエやクラリネットもNAHOKシングルケースに入れたまま、すっぽりおさまります。
[クラリネット]
「Departed」ボストンバッグ
「Departed」は、底マチが厚く、トップはすぼんでいるマチ幅が三角形の大きいボストンバッグ。
クラリネットがNAHOKのケースに入れたまますっぽりおさまるのはもちろん、ざくっと大きいサイズながら軽く、大き目の譜面台や譜面、周辺小物以外に、衣装やシューズなどの厚みのある物、ポーチなどが出し入れしやすいトート型です。
レッスントート「Swing」は、底幅をボストンバッグ「Departed」(21cm)の60%薄型(13cm)にしたデイリー用です。
クラリネットだけでなくフルートのC管やH管、オーボエもNAHOKシングルケースに入れたまま、すっぽりおさまります。
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