クラリネット記事 あなたのセッティング教えてください! Part.2
  クラリネット記事 あなたのセッティング教えてください! Part.2
[2ページ目]
憧れのプロ奏者はこの組み合わせ!!

あなたのセッティング教えてください! Part.2

AQUAMUSE / 大谷淳子 / 金子平 / 木原亜土 / 木村健雄 / 小林鮎美 / 照沼夢輝 / 花岡詠二 / 三浦こと美 / 三界秀実 / 吉本拓
※50音順、敬称略

 
アクアミューズ

AQUAMUSEアクアミューズ

クラリネットカルテット
 
A1.
小田セルマー・パリ プレザンス
豊かな落ち着いた響きが特に魅力的な楽器だと思っています。
山本セルマー・パリ プレザンス
落ち着いた音色がお気に入りです!
中村セルマー・パリ プレザンス
一番は温かみのある音色です。落ち着いた低音の音色が好きです。高音の音の繋がりの良さもお気に入りです。
澤目セルマー・パリ プレザンス
温かい落ち着いた音色がお気に入りです。
A2.
小田
マウスピース:バンドーレン B40ライヤー
色々なモデルを試しても結局ここに戻ってきてしまいます。安心して吹き込めるところや、深みのある音色感が気に入っています。
リガチャー:アトリエモモ ゴールド洋白横型
レガートが気持ちよく繋がり、遠くまで音を届けてくれるような豊かな響きがお気に入りです。
リード:バンドーレン V21 3.5
様々な表情を作りやすく、ダイナミックレンジもコントロールしやすいと感じます。
山本
マウスピース:バンドーレン B40プロファイル
響きがとても深く、心地良く、長年愛用しています。
リガチャー:バンドーレン M|Oピンクゴールド
レスポンスが良く、ピンクゴールドなので音色も良いです。
リード:バンドーレン V12 3
音が遠くまで飛んでくれます。ほかのリードを試しても、結局V12に戻ってきてしまいます。
中村
マウスピース:バンドーレン B40ライヤー
高音がストレスフリーで演奏できるところです。発音の良さ、音色感もとても好きです。色々試してもやはりB40ライヤーに落ち着きます。
リガチャー:バンドーレン M|Oピンクゴールド
ほどよい華やかさ、音の抜けの良さ、手頃な価格がおすすめなリガチャーです。演奏ジャンルや編成、ホールの大きさなどでほかのリガチャーを使用することもあります。
リード:バンドーレン V12 3
リードも色々試しますが、やはりV12がお気に入りです。最近はリードも価格が高騰しているので、削ったり昔のリードを大切に保管し再度試したり、開けたてで吹けないリードも簡単には諦めないようになりました。
澤目
マウスピース:バンドーレン B40ライヤープロファイル
深く豊かな響き、高音域も安心して息を入れることができるように感じます。
リガチャー:バンドーレン M|Oピンクゴールド
反応の良さやピンクゴールドならではの音色も気に入っています。
リード:バンドーレン V12 3 1/2
音のまとまりや響き、柔軟な吹き心地がお気に入りです。
A3.
小田ニコラ・バルデイルー
山本伊藤寛隆
中村ニコラ・バルデイルー
澤目ニコラ・バルデイルー
A4.
小田:音色も音楽もすべてが自由自在に表現されていて、まるで口ずさんで歌っているかのよう。とても憧れます。「クラリネット」という枠を超越しているかのようなテクニックと音楽……痺れます。
山本:高校の大先輩でもあり、私がクラリネットを続けるきっかけとなったのが伊藤寛隆さんです。太く深い響きの音色、特に弱奏部の響きの音色が素晴らしく、そして、伊藤さんのつくりあげる音楽が大好きです。いつまでも理想とするプレイヤーの方です。
中村:素晴らしいプレイヤーばかりで挙げればきりがないのですが……一番最近感動したプレイヤーですと、昨年、AQUAMUSEのメンバーでリサイタルを聴きに伺いました、ニコラ・バルデイルーさんです。素晴らしい音楽的アプローチと安定した演奏技術、美しい音色に涙が溢れました。
澤目:昨年、リサイタルにお伺いさせていただきました。消えてしまいそうなほどの繊細さと激しく押し寄せる大胆さ、確かなテクニック、美しい音色……すべての表現が魅力的で感動しました。
A5.
小田:コンサートやメディアでの音を何度も聴いています。聞けば聞くほど感激が止まりません。
山本:リードなど、セッティングを真似したりしたこともありました。高校生の時から頻繁にレッスンをしていただいていたので、近くで音をよく聴き、体感し、耳に残っている伊藤さんの音にできるだけ近づけるよう、音色を意識したロングトーンをよく行なっていました。
中村:初心にかえり、丁寧に基礎練習、ゆっくりなテンポから何度も繰り返し練習をするなど、技術向上の刺激をいただきました。音色などは個性だと思っていますのでセッティングなどを真似して近づけることはしませんが、出したい音色をイメージすることをより大切に行なうようになりました。コンサートに出向き、肌で感じる音色の響き、息遣い、その瞬間でしか味わえない生の音は直接会場でしか感じることができません。上達するにはコンサートに足を運ぶのが近道だと思っています。
澤目:何度も繰り返し演奏を聴いています。また直接コンサートに伺える機会があれば、可能な限り会場に行ける機会を大切にしたいなと思っています。
Profile
2015年結成。洗足学園音楽大学出身。
2008年第5回クラリネットアンサンブルコンクール第一位、The Clarinet賞受賞、中村奈央・澤目未樹・小田祐子と、2009年第6回クラリネットアンサンブルコンクール第一位、 パルテノン多摩賞受賞の山本裕子の4名で結成されたクラリネットカルテット。クラシックをベースに近年ではJAZZ、その他幅広いジャンルをこなし、リズムも見た目も楽しく、従来のクラリネットアンサンブルにはない新しいスタイルを展開している。
2014年までにコロムビアミュージック、キングレコード、ユニバーサルミュージックより、CDアルバムを6枚リリース。2023年、JAZZクラリネット奏者 谷口英治氏とアクアミューズで、日本初のJAZZクラリネットアンサンブルCD “Blue swing”をリリース。活動開始時より楽器メーカー、セルマー・パリ社製クラリネット “プレザンス” のアンバサダーに就任。
2019年7月、中国青島SHINAN WIND MUSIC WEEKに招聘され、ゲスト出演。合肥、常州、上海にてソロコンサートを行ない、好評を博す。ソニー音楽財団による「子ども向けクラシック音楽配信プロジェクト」、神奈川県文化芸術活動再開加速化事業、芸術文化支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」、川崎市文化芸術活動支援事業、横浜市文化芸術支援プロジェクトに採択される。

?質問に戻る

 
 
大谷淳子

大谷淳子Junko Otani

バーゼル交響楽団クラリネット奏者、アレクサンダー・テクニーク教師
 
A1.
ビュッフェ・クランポン トスカ
豊かで伸びやかな音色と、操作性の良さ。音程や、フレーズのレガート感など、わたしが歌いたいと思うポイントに柔軟に合わせてくれると感じます。
A2.
マウスピース:リコスティーニ RG、バンドーレン BD4、グライヒヴァイト モデル11
リコスティーニ とても楽に安定して良い音色が出て疲れにくいところ。
バンドーレン もともとB40を使用していたが、それよりも楽で操作性が良く感じる。まだ吹き鳴らし中。
グライヒヴァイト フレキシブルで、低音がとても良く響く。音がよく飛ぶのに、オケの中で自分の音が聞こえやすい。
リガチャー:ボナード 逆締め金、BG Versa
ボナード 華やかで繊細な反応。タンギングがしやすい。
BG Versa 深い音色で、扱いやすい。樹脂製のリードにも合う。
リード:ダダリオ レゼルヴクラシック 3.5
現在手に入るものではなく古いタイプのものが気に入っていたのですが、モデルチェンジしてしまったので他のリードを探しています。元々使っていたバンドーレン V12の3.5やシュトイヤーのExclusiveの3.5とも併用してみたりしています。また、グライヒヴァイト 11は樹脂製のリードに合わせて作られたので、レジェールのヨーロピアンカット3.25~3.50を使うこともあります。リコスティーニRGでは3.50~3.75もたまに使います。
A3.
故トーマス・フリードリ先生
A4.
ジュネーヴ高等音楽院時代の恩師。ローザンヌ室内管弦楽団の首席奏者で、音響の悪いホールでもよく反響し、客席で聴いていると両耳の後ろからふわりと飛び込んでくるような音色でした。びっくりして辺りを見回しました! レッスン中の録音では、マイクに近いわけではないのに先生の音色だけくっきりと入っていた、という思い出があります。常にその音楽にあるべき自然な流れと解釈、表現の仕方を大切にレッスンしていただきました。
A5.
先生のセッティングは決して特別なものではなく、とくにスイスは日本と比べて選択肢と選べる個体の数が極端に少ないので……逆に、わたしが日本で選んで持っていったこともあります! 当時のわたしの観察によると、先生の母国語であるベルンのスイスドイツ語の喉・舌・口の中の使い方、体格、そして身体全体の使い方が関係していると思いました。先生は残念ながら2008年に亡くなってしまいましたが、わたしはその後ベルン出身の夫に出会い、ベルンドイツ語も話しています。少しでも先生の音色と音楽に近づけていけたら良いなぁ、と思っています。
Profile
国立音楽大学、パリ・ジュネーヴ・チューリッヒ歌劇場で研鑽を積む。第18回日本管打楽器コンクール最高位、マルコフィオリンド国際コンクール第1位など数々のコンクールで上位入賞。ビール・ビエンヌ交響楽団とベルゲン管弦楽団では首席奏者、ルツェルン交響楽団(Bass)、トンハレ管弦楽団(Es)で契約団員として活動。長年に渡ってスイス全土で客演奏者として活躍後、2021年バーゼル交響楽団に(バス)クラリネット奏者として入団。

?質問に戻る

 
 
金子平

金子 平Taira Kaneko

読売日本交響楽団首席クラリネット奏者
 
A1.
ビュッフェ・クランポン RC
自然な響きで、ダイナミクスもつけやすく、息がまっすぐ入るところ。リードや奏法で音色の変化がつけやすいところ。
A2.
マウスピース:バンドーレン B40ライヤー
音色が明るすぎず、暗すぎず、柔らかい音色なところ。息がまっすぐに入るものを選んでいます。
リガチャー:GFシステム
扱いが楽なところ、落としても大丈夫なところ。音色がやわらかいところ。
リード:バンドーレン V12 3 1/2
一曲を通しても、変化が少ないこと。発音がしやすいこと。
A3.
ザビーネ・マイヤー、ポール・メイエ
A4.
ザビーネ・マイヤーは特にモーツァルト作品が好きで、音色が柔らかく、軽く、音楽は生き生きとしています。音色はしっかりと芯があるのに、包み込まれるように音が周りから出ている感じ。ポール・メイエはフランス、イギリスの作品が好きで、とても自由に、だけれどもすごく自然で、創造力をかきたてられます。
A5.
頭で音色を思い浮かべながら、練習しました。自分に合っていて、理想の音色に近いものを試してみたりもしました。
Profile
東京芸術大学を経て、独リューベック国立音楽大学院卒業。クラリネットを半田裕一、山本正治、村井祐児、ザビーネ・マイヤーの各氏に師事。日本音楽コンクール1位受賞。ミュンヘン国際音楽コンクール3位入賞。NHK FMリサイタル・ノヴァ、B→Cリサイタルシリーズ、木曽音楽祭に出演。現在、紀尾井室内管弦楽団メンバー、読売日本交響楽団首席クラリネット奏者。趣味は畑仕事と薪割り。

?質問に戻る

 
 
木原亜土

木原亜土Ado Kihara

東京シュピッツブアム
 
A1.
セルマー・パリ プリヴィレッジ
初めて試奏したときに「何を気に入った」というよりも「この音色であれを吹いてみたい、こういうのも吹いてみたい」とインスピレーションを受けたのが、この機種を吹き始めたきっかけでした。音程傾向には個性がありますが、最低音域がぶら下がらないのが気に入ってますね。左手親指の高いドが低めでないのも◎。
A2.
マウスピース:マックストン(Maxton) Rudan(廃盤)
類稀なるオーバークライナー音楽専用のマウスピースとして愛用。1.48ミリという開きの大きさと長めのフェイシングによって、トランペットと対等な音量と独特な音色の柔らかさが得られるのが良い。音程は低めで、標準より1ミリ短いバレルでA=440。
リガチャー:藝想文創 (Ishawn…台湾のメーカー) 新喜コードバンリガチャー
馬のお尻部分の皮の、内部わずか2ミリ程度のコードバン層だけを削り出したコードバンを使用したリガチャーで、丸みがある暖かな音色と、安心して引き込める適度な抵抗感が自分には合っています。
リード:バンドーレン トラディショナル 2
柔軟なのはもちろん、そこにクラシックで吹いている3~4番と通ずるベーシックな音色の美しさがあるのが気に入っているポイントです。
A3.
アルビン・ルダン Albin Rudan(1933-2009)
A4.
自分のマウスピースはこの人物から名前が取られたもの。オーバークライナー音楽を確立したスラヴコ・アヴセニーク(1929-2015)の楽団の名物奏者で、クラリネットのパガニーニとも呼ばれた名手。鮮やかな超絶技巧はもちろん素晴らしいが、粋なリズムの表現とジャズに通ずるバラードの歌い方、その即興性、繊細さなど、今日活躍するThomas Hammerl(1987-)やFranjo Macek(1968-)などこのジャンルで活躍するすべての名手もルダンを模範としている。元祖であり、唯一無二の理想。
A5.
オーバークライナー音楽についての情報は我が国ではほとんど得られないので、ヨーロッパに行っては奏者にセッティングを尋ねて回りました。音色に関しては、道具そのものが作り出すのではないので、音源を良く聴き、歌い方を研究し、スタイルとして身につくように努めました。
Profile
国立音楽大学卒業。クラシック音楽の分野ではオーケストラや吹奏楽団への客演、室内楽を中心に活動。ソリストとしてはこれまで5回のリサイタルを行なったほか、2010年と2012年の2度に渡りスリランカ交響楽団より招へいされ、コロンボとジャフナにおいてウェーバーの協奏曲などを共演。並行して情熱を注いでいるアルプス音楽の一ジャンル「オーバークライナー」の分野では、自身のグループ〈東京シュピッツブアム〉を率いて国内外で活動を行なっており、同グループとしてドイツやオーストリア、スロベニアのテレビ・ラジオに多数出演。指導者としては湘南音楽院藤沢クラリネットおよびクラリネットアンサンブル講師、また社会人クラリネットアンサンブルClarinexusの音楽監督を務めるほか、首都圏を中心に吹奏楽部(吹奏楽団)やアマチュアオーケストラの指導も数多く行なっている。

?質問に戻る

 
 
木村健雄

木村健雄Takeo Kimura

尚美学園大学講師
 
A1.
セルマー・パリ レシタル
発売から40年以上になるのに基本設計が変わらないのはそれなりに人気の理由がある。
留学当時、パリにいた7人の日本人学生は全員BCを使っていたが、現在もBCを使い続けているのは0人、そのうち5人がセルマーを使っている。使ってみて分かるのはBCと比べ音色が太く柔らかく、レガートがかかりやすく操作性に優れていること。オーケストラ向きであること。特にどの機種でもA管が素晴らしい。
A2.
マウスピース:バンドーレン B40
楽器との相性が良いこと。
リガチャー:バンドーレン レザー
一部改造して使っている。
リード:バンドーレン V12
普段は3 1/2だが、たまに4 1/2を削って使うこともある。
A3.
昔はカール・ライスターやアルフレート・プリンツが好きだったが、現在はウィーンのダニエル・オッテンザマーが異次元に感じる。
A4.
音色や音楽性が素晴らしいのはもちろん、どの演奏も予想のはるか上を超えてくることばかり。考えているイメージがまったく違う気がする。
A5.
楽器がまったく違うので真似ようがない。頭の中を覗いてみたい。
Profile
東京芸術大学、フランス国立ルエイユ・マルメゾン音楽院卒業。ソリスト、オーケストラ奏者の傍ら東京吹奏楽団のコンサートマスターを26年に渡り務める。バスクラリネットの現代音楽奏者としても数々の日本初演を行なう。

?質問に戻る

 
 

質問項目

Q1.
使用楽器(お気に入りのポイント)
Q2.
セッティング(お気に入りのポイント)
Q3.
理想とする音色のクラリネットプレイヤー
Q4.
 上記プレイヤーの音色や魅力について
Q5.
上記プレイヤーの音色に近づけるために行なったこと
 

▲ページトップへ

 

<前へ      1   |   2   |   3      次へ>      

クラリネット ブランド