プラハの春 音楽祭コンペティション
プラハの春 音楽祭コンペティション
このたび、私、田中正敏は「プラハの春音楽祭コンペティション・クラリネット部門」審査員という大役を仰せつかり、チェコ共和国プラハ市へ行ってきました。
このプラハのコンペティションは、ヨーロッパの中で最も歴史のある、由緒正しいコンペティションの一つに数えられています。その審査員を私が務めることができ、こんなに光栄なことはないと心から思っています。内心、国際コンペティションの審査とは果たしてどんなものなのか想像もつきませんでしたが、いざ現地に到着すると、大会役員の皆様の気遣い、そして大好きな審査員仲間との信頼関係に助けられ、想像以上に充実した有意義な時間を過ごすことができました。
また一つ新しいクラリネット遺伝子が私の身体の中に組み込まれたと思います。
当初、本コンペティションは2020年に開催される予定だったのですが、COVID-19の影響で延期されてしまいました。約50名が予選を通過していましたが、開催延期など諸事情により多くの棄権者があり、最終的には29名で行なわれました。個人的には予選を勝ち抜いていたウクライナの奏者の演奏を聴きたかったのですが、想い叶わず残念です。
5月7日
ドバイ経由でヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ空港に到着。今回の外国人審査員である私、田中正敏、そしてハリー・メキとミシェル・ルチエックの3人は、2017年と2019 年にプラハ芸術アカデミー(HAMU)で開催された夏期講習会「クラリネット・デイ ズ」の講師でした。以来、お互い厚い信頼を寄せる友人です。日本風に言えば同じ釜の飯を食べた関係ですね。今思えば、その講習会時にすでに本コンペティションの審査員選考が始まっていたのではないかと思います。
5月8日 10:00〜23:00
5月9日 14:00〜18:00
2日間かけて29名の第1ラウンド。参加者の国籍は、韓国、中国、台湾、日本、イタリア、ロシア、ポーランド、ポルトガル、チェコ、イスラエル、フランス、デンマーク、スロバキアの計13カ国。すべての演奏が非常に興味深く、個性豊かな演奏ばかりでした。危うく鑑賞モードになるところでしたが、心を鬼にして審査させていただき、12名の奏者を第2ラウンドに選出しました。
5月10日 9:00〜13:00
参加者の中で希望者は審査員と個人的に話ができるフィードバック・セッションが行なわれました。私のところにもたくさんの若者が訪ねてきてくれました。若者たちの中には、自分の演奏は“表現よりも情熱が勝ってしまって上手く演奏できなかった”とか、“自分の演奏に対する表現の根拠”など、自らの演奏を冷静に評価していました。
●プラハの春音楽祭コンペティション YouTube動画
CLARINET
Clarinet Round II part 1 https://youtu.be/KkXSixZu1FI
Clarinet Round II part 2 https://youtu.be/f2NwiDBqGgY
Clarinet Round II part 3 https://youtu.be/81duts5WO14
Clarinet Finals https://youtu.be/MTXRvfIxcfw