リードの基礎知識 Chapter-2

気になるB♭クラリネットリード27本を試奏チェック!【川上一道 編】

自分に合ったリードを見つけることはなかなか難しい。そこで、ここでは代表的なリードや、今注目のリードをピックアップし、それぞれのリードを実力派プレイヤーの勝山大舗氏と川上一道氏に試奏してもらった。ぜひとも、自分に合ったリードを見つけるヒントにしてほしい。
こちらのパートでは川上氏によるコメントを紹介している。勝山氏によるコメントはこちらから!

※2013年9月10日発売「The Clarinet vol.48」に掲載された情報です。現在は取り扱い/製造終了している商品や規格が変更されている商品もございますので、予めご了承くださいませ。

 
Photo by Karen NATSUKI

川上一道 Ichidou Kawakami
沖縄県立芸術大学音楽学部卒業。同大学大学院修士課程修了。修了時に『山本賞』受賞。これまでに数々のコンクールで上位入賞を果たし、第81回日本音楽コンクール・クラリネット部門第1位、伴わせてE.ナカミチ賞受賞。沖縄県・浦添市より『輝くてだこ市民賞』受賞。洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団、アフィニス祝祭管弦楽団&山形交響楽団、アンサンブルofトウキョウ、東京フィルハーモニー交響楽団、セントラル愛知交響楽団、山形交響楽団と協演。これまでにクラリネットを狩俣裕、与那嶺優子、新垣亜貴子、横井操、村井祐児、川畑真一の各氏に師事。洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団首席奏者を経て現在、山形交響楽団首席クラリネット奏者。

 

■試奏セッティング
楽器:YAMAHA イデアルG
マウスピース:アレクサンダー・ヴィルシャー 40B
リガチャー:ウッドストーン 木霊Ⅱ(キャメル)
■普段使用しているリード
Alexander Willscher No.302 3½

01Alexander Classique
アレクサンダー クラシック

クリーヴランドオーケストラのクラリネット奏者のサウンドを参考に開発されたリード。クラシックだけでなくジャズにもオススメ。
 

音色は落ち着いた印象で、ダークな傾向です。全体的に息が入りやすく、とても鳴らしやすいリードですね。発音もしやすいのですが、若干のコントロールを必要とする時があります。

02Alexander DC
アレクサンダー DC

アレクサンダー・スペリアルの特性を持ったダブルカットのリード。スペリアルよりも先端が厚く、コシがあり、パワーも備えている。
 

Classiqueと同じように、リード全体がよく振動して鳴らしやすく、発音もしやすいです。Classiqueよりもコシはしっかりしていて、吹き込めばパワフルに響きます。

03Alexander NY
アレクサンダー NY

アレクサンダー・リードの最新モデル。様々なテストや試作を重ね、名サックスプレイヤーも開発に携わる。全音域で一定したサウンドを実現。
 

ClassiqueやDCと同じように、とても鳴らしやすいリードです。アタックも軽くできるのが好印象で、音量や太さを感じさせます。音色はとても明るいですね。

04Alexander Willscher No.301
アレキサンダー・ヴィルシャー No.301

柔軟性のある音が特徴の301。AW社はミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団とニュルンベルク交響楽団の首席クラリネット奏者が設立した。
 

Vandoren Traditionalと似ていて、全音域で均一なサウンドが得られます。全体的なバランスがよく、初心者はもちろん、上級者にもオススメです。音色は明るく、発音がかなり明瞭で、しっかりと鳴ってくれます。

05Alexander Willscher No.302
アレキサンダー・ヴィルシャー No.302

上質でバラつきがなく持続性を持つリードを追い求めたAW社。この302はV.12に近いモデルで、301よりもティップを薄くしている。
 

私が愛用しているリードです。コシがあるので、よりたくさんの息を吹き込むことができます。音色は落ち着いた感じで、発音もしやすい。Vandoren V.12に近いモデルと言えます。

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