クラリネット記事 クラリネット吹きの教科書
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The Clarinet 51号 特集

クラリネット吹きの教科書

プロが教える基礎練習のポイントと練習


 

「何をするにしても基礎は大事」
──よく言われることですが、楽器においても同じ、いえ、それ以上かもしれません。楽器を演奏するということは、“楽器をあやつる”のではなく、その先にある“音楽をする”“表現をする”ことが目的だからです。でもクラリネットを始めたばかりの人は、どんな練習をすればいいのかわからなくて当然ですし、また楽器を始めてしばらく経った人でも、今やっている練習が効果的なのかわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は基礎にスポットを当てた特集を組みました。個人練習編では音楽プロジェクトs-muzikを主宰する左藤博之氏と、東京佼成ウインドオーケストラの太田友香さんに、パート練習編ではシエナ・クラッツのメンバーに、それぞれ基礎練習の方法や、考え方などを教えてもらい、レベルアップを図りましょう。

個人練習編 

クラリネット講師 左藤博之左藤博之

こんにちは! 皆さん楽しくクラリネットを練習していますか? 今回、僕自身常に気をつけていて、門下生たちにもいつも言っている基礎練習の大切さを皆さんにもご紹介しようと思います。 具体的にあれこれ言う前に、まず最初にお伝えしたいのが「理由と目的」です。普段の練習で、それを行なう理由と目的をハッキリさせる。なんてこと考えたことありますか? 練習でも「何故それをやらなければならないのか」「やることでどんな効果があるのか」という意識を持つのはとても大切なことなのです。先生や先輩に言われたからやっているのでは良い練習はできません! 本誌では具体的にお話していきたいと思います。

クラリネット基礎練習はコツコツと頑張ろう

Q:基礎練習って何で必要なの?

A :曲だけ吹いて楽しみながら上手くなれたらいいな~って思うのは当然ですよね。
でも、楽器ってそう甘くはないんです。基礎練習なくしてはなかなか上達できません!
僕は基礎練習が好きで、毎日ロングトーンの後に音階と分散和音を全調スラー、スタッカートで練習します。時間に余裕のある時は音階の本を一冊丸ごとやるんですが、これがなかなか楽しいんです。
例えば、漢字の読み方が分からない文章を読んだり、単語の意味をわからない状態で外国語の文を読んでもまったく意味がわからないし、読みながら漢字や単語の意味を調べていては全然読み進められないし楽しくないですよね?
僕は「漢字、単語=基礎練習」「文章=曲」と置き換えられると思うのですが、曲を楽しく吹くためには基礎練習は必要なモノなんです。
そして、毎日決まったメニューの基礎練習をしていると、万が一調子を崩した時に自分の問題なのか、リード等に問題があるのかを知ることができますし、自分の苦手な分野もハッキリするので、イイことだらけですよ。

 

個人練習編 

クラリネット講師 太田友香太田友香

個人練習編その2は、東京佼成ウインドオーケストラで活躍している太田友香さんが皆さんの悩みに答えてくれます。アンブシュアが安定しないと、演奏に集中することができませんし、良い音も出すことができません。太田さんはそのアンブシュアや姿勢のこと、そしてオススメ練習法として、読者からも悩みの多い「タンギング」についてレクチャーしてくれました。

良いアンブシュアで吹こう

Q:楽器を吹くと下唇が痛い! 力の入れすぎ?

A :たくさん練習すると、正しいアンブシュアや良い力加減で吹いていると下唇は痛くなるものです。私もよく痛くなります(>_<) クラリネット吹きの辛いところですが、下の歯のところにクリーニングペーパーやあぶらとり紙などを被せるなどして対応しましょう!

 

 

>>パート練習編  講師:シエナ・クラッツ

 

 

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