山元康生の吹奏楽トレーニング!│第4回
新型コロナの影響で延期になった2020年の吹奏楽コンクール。課題曲はそのままスライドして、今年2021年に開催される予定です。今からフルート演奏の基礎を見直して、「良い音」「正しい音程」「音量のコントロール」「正確で俊敏な指使い」を手に入れられるトレーニングをしてみませんか?
繰り返しの大切さ
次に、指をC1に固定したままで倍音を出していきましょう。
各段、最初の2小節は、それぞれの音をタンギングして吹きます。指は、ずっとC1のままにしておいてください。
次の2小節は最初の音だけタンギングして、あとはスラーで息の圧力を上げて倍音を鳴らします。こちらのほうが難しいですね?
倍音に移行する時に唇を絞ると、うまくできません。息の幅をC1の時と変えないように意識して息の圧力を上げると成功します。
前回説明した「逆ボクシング式」を思い出してください。腹筋を固めるのではなく、お腹を張るようにします。
構えの圧力も忘れずに意識しましょう。
3つ目の音に移行する時は、さらに圧力を高めてください。第3倍音G2は特に難しいと思います。
息のスピードが速くなりすぎると、G2を通り越してC3が出てしまいます。
最初から、うまくできる人などいません。失敗をおそれずに何度でもトライしてください。この練習を繰り返すことによって、唇よりも息の圧力と構えの圧力が、いかに大切かが解ると思います。
4段目からは下降のパターンの練習になります。
お腹を最高に張った状態で第5倍音のE3を吹いてから1段回ずつ、お腹の圧力を下げていきます。
唇を変化させずに、これらのエクササイズをスラーで吹くことができるまで、根気よく練習してください。