フルート記事 プロ奏者に聞く、音程あるある話
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THE FLUTE 139号 Special Contents COLUMN

プロ奏者に聞く、音程あるある話

LESSON

今思い出すと笑える話、冷や汗エピソード、秘伝のアドバイス……など、 音程にまつわるあれこれをいろんな楽器のプロ奏者に聞いてきました!

今思い出すと笑える話、冷や汗エピソード、秘伝のアドバイス……など、 音程にまつわるあれこれをいろんな楽器の奏者に聞いてきました!

ザ・フルート 139号音程特集のコラムで紹介した『プロ奏者に聞く、音程あるある話』。
読者の皆さまからも大好評でした! 今回その内容をオンラインで公開! また、残念ながら誌面に載せられなかった奏者の方のエピソードも一緒にご紹介します!

音程あるある話 クラリネット

加藤純子(クラリネット奏者)

● フルートとクラリネットは音程の特徴が逆。フルートは強く吹くと上がり弱く吹くと下がりますが、クラリネットは真逆です。この二つの楽器のユニゾンは盛り上がると崩れ、静かになっても崩れます。

● メロディの音程が悪く聞こえる時、実は伴奏が犯人ということは結構あります。クラリネットが伴奏で開放の当たり(FとかGとか)を伸ばしていたら要注意です。

音程あるある話 フルート ピッコロ

西田紀子(シエナ・ウインド・オーケストラ フルート奏者)

●「うわー、今のまるで一人で吹いてるみたいに音程ピッタリだったね」
「…ごめん、いま吹かなかった」という気まずい瞬間。

● 音程が抜群にいい、開発したての替え指で、指を間違えて撃沈

● ありゃ、今日はなぜか全部高い……と思ったら、チューナーが440だった。

● シロフォンとピッコロのユニゾン。私、泣けるほど音痴過ぎ…と思っていたけど、シロフォンを修理に出したらピッタリ合ったという安堵にも似た脱力感。

丸田悠太(東京佼成ウインドオーケストラ フルート奏者)

● ほぼ開放の指になる五線の上第2線「C」と「Cis」は音程が難しいが、「C:左②③④ 右①⑤」、「Cis:左③④ 右①⑤」という替え指を使うと、かなり安定して絞れる。ただ、普通に吹くと高いので注意が必要。

● 第3オクターブ「B」の音程はやや低くなりがちな事が多い。外側に向けて高くしても上手くいかない時は、Dトリルキィの代わりにDisトリルキィを使うと高めになるので、この状態で内側に向けると上手くハマる時もある。

● 自分に余裕がない時に自身の音が聴けなくて音程が分からなくなることが多いので、基本的に周りの音がいつも聞こえるくらいのバランスを意識して吹くと良い。自分と周りの音、両方を常に冷静に聴くようにすると音程は合わせやすい。

阿部麻耶(フルート・ピッコロ奏者)

● ピッコロとE ♭クラリネット!
これはかなり音程手強いです!!! オーケストラでも吹奏楽でも度々ユニゾンが出てきます。ピッコロは高音が低くなりやすく、E ♭クラは高くなりやすいので、合うわけがない(笑)。ピッコロの場合は替え指を駆使します!!!

● ピッコロと木琴
ピッコロは音程が難しい楽器です。例えチューナーで合っていても、周りと合うとは限りません!
音色が柔らかくないと周りと溶け込むことができないわけですが、高音を柔らかく演奏するのが本当に難しい……。木琴がたとえチューニングが合ってなくても、こちらが合わせるしかないので、ユニゾンがある場合は必ず時間を作って一緒に練習する時間を持ったほうがいいと思います。

● フルートの高音
フルートの高音はかなり特徴があります。D(レ)は若干低めで、E(ミ)~Gis(ソ♯)は高い、A(ラ)とB(シ♭)は低い。微妙な口での操作や、替え指も駆使しなければなりません(T_T)

音程あるある話 オーボエ

藪恵美子(オーボエ奏者)

● 何が緊張するって、演奏会の冒頭、1人で音を出すあれです! チューニングでふわっと美音が聞こえてきたら、ワクワクして期待も高まりますよね。そうあるよう心がけてはいても、残念ながらチューニングのAはオーボエの中でも1、2を争う不安定な音なんです。なぜオーボエでチューニングをするようになったかは諸説ありますが「オーボエは融通が利かないから、あいつの調子に合わせてやろう」説を私は支持したいです。

● オーボエの運指上のポイントはFの音です。正式な運指は管体の横に開けられた小さい穴を開けるんですが、前後関係でどうしてもその運指が使えない時に「フォーク」という運指を使わねばなりません。これが曲者で、音程も音色もイマイチ。♭4つ以上の調ではこの「フォーク」が避けられません。これをなんとか使わずに済むように左右の小指を駆使して頑張ってはみるのですが、かなりバタバタと面白いことになる上に、残念な結果に終わることも少なくありません(泣)。

● オーボエの音色や音程は8割方リードによって決まると言っても過言ではありません。吹きやすいリードならば、演奏に集中できて音色や表現が豊かになるだけでなく、指まで回っちゃいます。だからといって調子が悪そうなオーボエ吹きに「そのリードよくないんじゃない?」なんて言うとケンカになりますのでご注意を(笑)。

音程あるある話 サックス

林田和之(雲井雅人サックス四重奏団 サックス奏者)

● サックスパートの中で音程を合わせても、合奏の中でユーフォニウム、トロンボーンと合いきらない

● 音程ももちろんだが、音色にサックスらしい明るさ、華やかさが出ると「ユーフォニウムより出ないで!」と注意される…(涙)。

 

次のページにはチューバ・ユーフォニアム・トランペットの金管楽器の『音程あるある話』を紹介しています!

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