サックス記事 「WSA-CP/コパー」 誕生! 宮崎真一×各川 芽
  サックス記事 「WSA-CP/コパー」 誕生! 宮崎真一×各川 芽
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Wood Stone Alto Saxophone New Vintage

「WSA-CP/コパー」 誕生! 宮崎真一×各川 芽

GEAR

“80年代ヴィンテージ”という 新カテゴリーのドリーム アルトサックス

WSA-CP
モデル名「WSA-CP」
※石森管楽器創業70周年記念限定モデル High F#キー付き・専用GLケース付属 価格未定・2021年発売予定・本数限定生産品

Wood Stoneの技術を結集した夢のアルトサックスが誕生した。その楽器は石森管楽器創業70周年記念限定モデルのWood Stone Alto Saxophone「WSA-CP/コパー」。夢の楽器と言われる所以─それは、70、80年代に憧れた楽器の再現と革新とを組み合わせたからに他ならない。今回、発売に先駆け、近日発売予定の「WSA-CP/コパー」のプロトタイプを使用している宮崎真一氏と各川 芽氏の二人にこの楽器について語ってもらった。

 

「80年代ヴィンテージサックス」を体現する楽器

New Vintage 「WSA-CP」を初めて吹いてみたときの感覚はいかがでしたか?
各川
音の鳴っている感覚がまったく違いました。Wood Stoneのゴールドラッカーのアルトを使っていますが、それとも違い、息の入っていく奥行きがずっと向こうにある感じです。
宮崎
ここは強調したいところですね。私もゴールドラッカーを使っていて、とてもいい楽器だと実感しています。吹き込んで感じる抵抗感がちょうどいいのがゴールドラッカー。「WSA-CP」はそれよりももっと遠くに抵抗感のポイントがあります。
各川
キャッチボールに例えると、「WSA-CP」はゴールドラッカーよりも遠くに壁がある感じです。ボールを投げたときに壁に到達しないと、ストンとボールが落ちてしまいますが、壁に当たるとしっかり戻ってくれる。そんなイメージですね。
宮崎
この抵抗感については演奏するジャンルだけでなく、息がすごく入る、とか、鳴らすのに体力がいるなど人によって捉え方が全然違うかもしれません。ただ、現代の楽器で発売されている楽器とはベクトルが全然違うと言えます。
70年、80年代のブラバン少年は、ダニエル・デファイエが使っていたビュッフェ・クランポンのPrestige(プレスティージュ)ブロンズに憧れていましたが、それを彷彿させ更に進化を遂げた楽器です。
「WSA-CP」の設計面で奏者として気づいた部分はありますか?
宮崎
「WSA-CP」に限らず、Wood Stoneはセルマー・マークVIの黄金比の比率で作られていると思います。それに加えて現代のサックスとしての性能を兼ね備えています。「WSA-CP」の場合は、さらに銅のボディですから、80年代ヴィンテージサックスという新しいカテゴリーが誕生したといっても過言ではないでしょう。現代の性能を十二分に持ちながら80年代のサウンドを演奏できるという、夢のサックスが実現したと思います。ここまで思い切ってできるのはWood Stoneならではですね。最初にこの楽器を手にしたときは「こっちの方面にきたか!」と度肝を抜かれました(笑)。

ダーク=濃厚な音色

音色のイメージとしてはいかがですか?
宮崎
サックスの音色はステレオタイプ的に求める人が多いですよね。生徒さんにどんな音色を目指しているかと聴くと、「柔らかくて、甘くて、太い色」。少しハイレベルになると「ダークで、でも明るい音」、矛盾してしまいますが(笑)。 アメリカンセルマーのマークVIの音色を求めているならば、「WSA-CP」はそれとは全然違います。マークVIも柔らかい音色が出せるのですが、その成分が違います。食べ物に例えるとアメセルはバターの甘さ、「WSA-CP」は肉質の甘さ。種類が違うから、どっちが甘いと決めることはできません。
「ダークな音色」を求める人は多いのですが、日本語ではダークを「暗い」と訳しますよね。でも英語に詳しい生徒さんに言わせると「濃厚」と訳すのが一番ニュアンスに近いそうです。「WSA-CP」はそのとおり、濃厚で、目がくらむほどの輝かしい音色、つまりダークな音色を出すことができるのです。
各川
それに加えてすごく鳴ります。だからといって、小さい音が出ないということではありません。普通の音量で吹いているつもりでも、ラッカーに比べると俄然大きな音が出せます。
宮崎
重量があるので吹き手にパワーが必要な楽器ですが、だからと言って音の出が鈍いわけではなく、速さがあります。
それはレスポンスが良いということですか?
宮崎
子音が先に飛んでいって、後から母音が追いついてくる感じです。光が当たった後に、日差しがダーッとやってくる感じですね。音色のコントロールの幅がすごく広いのがWood Stoneの特徴の一つですが、コパーになることでより一層引き出せていると思います。そういう意味ではWood Stoneのもともと持っている広い表現力が倍増していますね。
各川
それがクラシックぽいニュアンスが出せる理由なのかもしれません。

1. ネックジョイントのレシーバー部分に洋白材を採用することで、まとまりのある豊かな響きを実現
2. キィカップのあらゆる角度に対応した角度調節可能なG♯-F♯アジャスターロッドは 、キィバランスを崩れにくくする Wood Stoneが特許を持つ独自機能
3. 新しくデザインされた高級感溢れる彫刻は、職人の熟練の技巧が光る

<宮崎真一試奏:Wood Stone Alto Saxophone New Vintage「WSA-CP/コパー」>

次ページにインタビュー続く
・破綻しない音色を出せる懐の深さ
・未来へのヴィンテージサックスに

 

登場するアーティスト
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宮崎真一
Shin-ich Miyazaki

国立音楽大学在学中よりポピュラーを含む様々な音楽シーンで活動を始める。 現在はソリストとして国内外で演奏を展開するとともにサクソフォンの楽器史研究家として専門誌などに寄稿。吹奏楽コンクールやアンサンブルコンテストなどの審査員として全国各地で指導者としての活動を行なっている。
サクソフォンを石渡悠史、雲井雅人、下地啓二の各氏に、呼吸法などを村田健司氏(声楽)に師事。

登場するアーティスト
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各川芽
Megumu Onokawa

東京音楽大学音楽学部卒業。 東京コンセルヴァトアール尚美ディプロマコース修了。 これまでに国内外でクラシックを中心として、数多くの演奏会、レコーディングなどに参加。ソリストとしての活動の他に、トラクシオンアヴァンのメンバーとして数々の日本初演、世界初演を行う。サクソフォンラージアンサンブル「ISLE」では世界的にも珍しいソプリロ奏者としても活動。また、吹奏楽の指導にも定評があり各地で講師を務めている。

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