サックスを始めたきっかけ
2010年3月25日に発刊したTHE SAX最新号(40号)の表紙を飾ってくれたGAMO、谷中敦の両氏。東京スカパラダイスオーケストラのフロントを務めるサックス隊の2人が、サックスを 始めたころから今に至るまで、どのように“練習”を積んできたのか、またどんな壁にぶつかったのか、そんな裏話を聞かせてくれた。
毎日の練習法
谷中 最近は「ドレミファソラシド」しかやってないですね(笑)。つまり、いろんなスケール練習ってことですが、キーを変えたりリズムを変えたりしながらずっとやってます。
GAMO 僕はデイリーエクササイズをずっとやってなかったんですが、最近やるようになりました。どうやっていいかわからないので、楽器屋さんに相談して勧められた教本をツアーに持って行って、結構やりました。谷中と二人で、リハの前にみんなより早めに入って練習してたよね。
谷中 そうそう。二人で早く入ってるのに、バラバラに黙々と吹いてましたね(笑)。金管楽器だと唇が疲れちゃうと思うけど、サックスはわりと大丈夫なので長々吹いていられるのもいいですね。
GAMO 今はエクササイズの本もいっぱいありますよね。自分のレベルによって選べると思うんですが、合わない本はいくらやっても飽きちゃうけど、自分の気分やレベルに合わせていい本に出会うと「これいいよ」と勧めることもあるんですよ。そういうものを探すのが好きですね。いままではエチュードを買っても途中で飽きて最後までやったことがなかったけど、今の自分に合ってる本をようやく見つけました。倍音を使って自分の音色を良くしていくような内容です。
谷中 僕もGAMOさんからいろいろ教わっていますが、倍音練習はやっぱり大事ですね。やってて楽しいですよ。それから、バリトンはやっぱり、他のサックスとは違うんですよね。本によっては一緒くたになってますけど、運指も違うし……。そういう意味では、ユージン・ルソーの教本が良かったです。アルト、テナー、バリトンそれぞれに書いてありますから。
あとは、オリバー・ネルソンの「パターン・フォー・インプロヴィゼーション」も一通りやったんですけど、なかなか追いつかなくて、理論的なことが頭に入らないとできないのかなと。
GAMO 「パターン・フォー・インプロヴィゼーション」ね。確かに最初のうちは、 何がどうなってるのかがわからない。どこの流れからこうなったのかを考えつつ、解釈してやればいいんですよね。エチュード選びは、やりたいことによって違いますよ。たとえばクラシックのエチュードなんかは、美しいメロディが多いから吹いていて気持ちいい。フレーズの歌い方を鍛えたいときなんかにはとても良い教材だと思います。かといって、それがジャズのライブに行ってアドリブになって出来るかっていうとなにも出来なかったり。エチュードのフレーズをみんなに聞かせたいとか、単に気持ちよくなりたいという場合にはとっても素敵なエチュードもありますけど、それだけじゃもったいないよね。
谷中 僕はチェロ奏者に勧められてバッハの無伴奏チェロ組曲をやってます。それがすごく好きで、暇があると吹いてますよ。音域もちょうどいいんです。