サックス記事 第二回|音大受験について
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音楽大学受験の体験談を一挙紹介!

第二回|音大受験について

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昭和音楽大学でサクソフォーンを専攻している平井千紘氏がお届けするWEB連載「音大生color」。 音大生の進路や日常についてを現役音大生ならではの目線で紹介をしてもらいます。第二回目は音楽大学の受験について!

こんにちは! 第2回目となる今回は音大を目指す中高生必見の、「音大受験について」をテーマにお届けします!

高校の音楽科出身・普通科出身、国公立大学受験・私立大学受験とそれぞれ立場の違うお2人にインタビューをしました!
さっそく覗いてみましょう!

学校と東京で学んだ高校生活

まずは音楽科出身で国公立大学の受験を経験した、東京藝術大学1年生の栗山弥奈美(くりやま みなみ)さんにお話を伺いました!インタビューへ移る前に、栗山さんが実際にうけた試験内容をご紹介します。(年度によって内容も変わってくると思いますので受験生の皆さんはその年の内容をしっかりと調べてくださいね♪)

[1次試験]主科実技
[2次試験]主科実技 ※サックス科は初見課題も!
[3次試験]楽典、聴音、副科ピアノ、新曲視唱、リズム課題
(※上記にセンター試験の結果も加わる)
平井
千紘
本日は国公立・藝大受験について、いろいろ聞かせてください!
栗山
弥奈美
はい。よろしくおねがいします!
平井
それではまず、高校時代に取り組んでいたことを教えてください!
栗山
サックスのレッスンは、学校ではなく地元の先生のところと月に2回東京の先生のところへ行っていました!学校ではトロンボーンの先生から、息づかいなど金管奏者ならではの視点から教えていただいたり、声楽のレッスンでは歌詞や和音の作用と絡めながら音楽的なことを学んだりと、サックスのレッスンを含めて全てが試験の対策でした。


平井
サックス以外のレッスンからも得るものがあって刺激的ですね!ソルフェージュやセンターはどんな対策をしていましたか?
栗山
ソルフェージュは学校の授業に加えて高1の後半から東京へレッスンに通いました。高校では1年生の間は聴音や楽典の授業が週2回しかなく、苦手な新曲視唱や聴音において力不足を感じていたため、貝沼拓実先生のご紹介で羽石道代先生のところへ通い始めました。

センターの対策は、過去問題を解いたり単語を覚えたりしていましたが、文法や問題を解くコツや単語の増やし方などは知人の英語の先生に習いに行っていました。取り掛かるのが遅かったので、手助けしていただきながら過去問からひたすら単語を拾うなどして1ヶ月前に詰め込みました(笑)


▲インタビュー当日の様子

 
平井
それぞれしっかり対策していてかなり忙しそうだけど、休みの日はありましたか?
栗山
思い切って1日休むこともしました!美術館に行ったり植物を観たり、音楽ばかりにならず色んなものに触れるようにしましたね。 でもこれ平井さんからもアドバイスいただいたんですよ(笑)
平井
話した記憶ある、、(笑)
今も思いますが、高校生や若いうちの感性ってその時しかないので色んなものに見て触れて経験したほうが今後の音楽も豊かになるかな、と。
栗山
音楽へのヒントは色んなところにたくさんあると思います! 音楽面については、セミナーに参加したり、レッスンで東京に行くついでに演奏会へ行ったりしていました。田舎だとそういう場が貴重だったので(笑)


▲栗山さんと筆者が出会ったセミナーでの写真

 
平井
何事も自分から向かっていかないとね!
では受験当日について、注意点などはありますか?
栗山
2次試験は伴奏の先生と打ち合わせはできるのですが、合わせ自体は本番のみの一発勝負なので、伝えることを付箋など使って事前に整理しておきました。書き込みをしておいたスコアを持参するのもオススメです! あと3次試験は朝から夕方まで1日がかりでびっくり…1人ずつ見る実技系の科目が多いから待ち時間がとにかく長くて(笑) また専攻や受験番号にもよりますが、1次・2次試験、共に音出し時間は予想以上に余裕があったので、体力面や集中力、さらにリードの状態についても考えないとですね。
平井
あと藝大入試の特徴といえば、最終合格発表までが長いことですよね!
栗山
そうですね!だいたい1次試験〜合格まで3週間近くあって、それぞれの間隔も結構あります。 試験期間中、モチベーションが下がることもありましたが、先生に「世界一の演奏をしてこい!」とおっしゃっていただいたことを常に思い出して全力で取り組みました
平井
試験と試験の間の過ごし方も大事になりますが、入試期間中はどうしていましたか?
栗山
私は神奈川にある親戚の家に泊めてもらっていました。当日は歩いて行ける距離の練習室を借りていましたね。 カラオケボックスでの練習も考えましたが、風邪が心配でそれは避けました。
平井
危機管理もばっちりですね!
栗山
声楽の友人はホテルに濡れタオルたくさんかけたりお風呂にお湯溜めたり乾燥しないよう対策していたみたいです。


▲受験中の思い出の品

 
平井
体調管理も実力のうち!ですね。それでは最後に、音大を目指す中高生へ一言お願いします!
栗山
大学合格はゴールではなくスタートだと思うので、入試のためというよりその先の目標に向かって取り組むとモチベーションが上がって良いと思います。 そして何より試験本番は緊張するとは思いますが、自分の演奏をあこがれの先生方に聴いていただける滅多にない機会です。受験結果ももちろん大切ですが、なかなか巡ってこないチャンスでもありますので、その時に持ってる最高の演奏を披露するつもりで頑張ってください。
最後に私自身のことですが、大学に合格できたのは貝沼拓実先生をはじめ私を指導してくださった全ての先生方のおかげで感謝しています。 皆さんも感謝の心を忘れずに受験頑張ってください。
平井
栗山さん、たくさんの貴重なお話ありがとうございました!!
 

 
栗山弥奈美 
Minami Kuriyama
栗山弥奈美

富山県南砺市出身。 8歳よりサクソフォンを始める。 富山県立呉羽高等学校普通科音楽コース卒業。 第14回くらしき国際サクソフォーンコンクール第1位。第21回ジュニア管打楽器コンクール銀賞。第21回ジュニア・サクソフォーンコンクール第2位。第28回日本クラシック音楽コンクール1位2位なしの第3位。 これまでにサクソフォンを貝沼拓実、須川展也、大石将紀、有村純親の各氏に師事。 現在、東京藝術大学音楽学部器楽科在籍。

 
 

>>2ページ目では普通科出身・私立音大受験についてインタビュー!

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